これまで、西尾先生の〈過去〉〈現在〉とお話をうかがってきました。
今日のお話は、西尾先生の〈未来〉、これからのことについてです。
「先生」としての、忙しくも充実した日々を送る西尾先生には、目指す教師像がある。
「学校で、『生徒に一番近い先生』になりたいです。相談しやすい、声をかけやすい、頼みやすい先生になりたいです」
相談される、声をかけられる、頼まれる、いずれも生徒からのことばを受け止めることだ。西尾先生は生徒からのことばを極めて重要視する。
それには理由がある。
「生徒が話してくれたその一言が大事なんです。一言が。さらっと言ったことが大事。ちょっとしたことでも、その一言から色々な情報が入ってくる」
生徒からの一言から、無数の物事が見えてくる。友人関係、楽しみにしていること、苦手に感じているもの、気に病んでいること。西尾先生も中学生の時に、学校の先生からかけてもらえた「ほんの数秒」の一言を、自身のターニングポイントとして今でも大事にしている。一言がもつ力を身をもって知っているからこそ、「そういう、ちょっとしたポイントを見落とさないでいられたらいいな」と西尾先生は言う。
「居心地がいいクラスをつくりたいです。クラスには、安心感があってほしい。行かなきゃいけないから来る場所じゃなくて。毎週、友だちに会いたいから来る場所とか」
西尾先生は、クラスを生徒にとって「居心地がいい」「安心感」のある居場所にしたいと考えている。通信制高校におけるクラスという時間や空間は、ややもすれば希薄になりがちである。けれども、そこを訪れることに意義を見出してもらいたいと考えているのだ。
西尾先生は、生徒の一言ひとことを大切にしてくれて、安心感を与えてくれようとする。
西尾先生とのやりとりそのものが、生徒にとっては居場所になるのかもしれない。
西尾先生は小柄だ。
しかし、そういう意味で、西尾先生は「大きい」存在だと私は思う。
お茶の水キャンパスの職員室に入って、
まず目に飛び込んでくるのは西尾先生の笑顔です。
ぜひ、西尾先生に会いに、お茶の水キャンパスにお越しください。