先週から掲載させていただいている、先生へのインタビュー。
前回は、西尾先生の〈過去〉についてのお話でした。
今回は、西尾先生の〈現在〉についてです。
西尾先生は、中学2年次の「ある先生」との「数秒」のやりとりから教師を志すようになった。それから10年近くの時を経て、念願の「先生」になった。
「先生」になってからの西尾先生について語ってもらった。
「『はじめまして』の連続でした」
毎日、毎日、新しい疑問が生じる。生徒が勉強に躓いたとき、悩んでいるとき、自分は何をどこまでするべきか、ということに西尾先生は頭を抱えた。もしも自分がその生徒の友だちなら、近所に住んでいるお姉さんなら、赤の他人なら、肩でもポンと叩いて励ましてあげれば、それでいいかもしれない。けれども、「先生」としてはどうなのか。西尾先生にとって最大の疑問は、「先生」としての自分はいかにあるべきか、ということだった。
疑問に対する確かな答えはまだ得ていない。しかし、その中で見えてきたこともある。
「生徒が、学校が好きだ、行事とかが好きだ、って言ってくれる。それを聞いたら、ちゃんと卒業まで見届けてあげたいと思って」
生徒のことばから、自分はどうしたいのか、ということが見えてきた。
次第に、西尾先生は「先生」としてのやりがいを見出す。
「生徒と接しているうちに、その子がだんだんと心を開いてくれるのがわかるんです。最初は無口で、私の名前すら知らなかったんだと思います。でも、それがある日、『来年も先生のクラスがいい』って言ってくれて、あぁ、その子に時間をかけた分だけ返ってくるんだって思って」
自分の働きかけによって、目の前の生徒が変化を見せてくれる。
何を、どこまでするべきか。西尾先生は、「先生」としての自分の在り方について考え続けている。生徒の変化が見えることで、自分は何かができたんだ、と思えてくる。「先生」であることの実感は、生徒が教えてくれるものなのかもしれない。
今日は西尾先生の〈現在〉についてのお話でした。
来週は、西尾先生の〈未来〉についてのお話です。
お楽しみに。