
Webディレクターの仕事内容についてわかる!
【目次】
Webディレクターとは
WebサイトやWebサービスの制作プロジェクトにおいて、企画立案から制作、運用の進行管理を行なうのがWebディレクターの役割です。実際にデザインやコーディングをするのはそれぞれの専門スタッフの役目であり、Webディレクターは行いません。専門スタッフをまとめ上げ、クライアントの要望に叶うWebサイト・サービスを完成に導く、いわばプロジェクトの責任者なのです。
Webディレクターの仕事内容
まずはお客様がどんなWebサイトやサービスを作りたいのかをしっかりと理解することからスタートします。ヒアリングを重ね、要望を叶えられる提案を行うことが大切です。例えばECサイトなら、どんな商品をどんな人に売りたいのか。そのためにはどんな雰囲気のサイトで、どう商品を見せるのか。考えなければいけないポイントはたくさんあります。お客様が提案内容に納得したら、いよいよプロジェクトがスタートします。
デザイナーやコーダー(コーディングをする人)とチームを組み、スケジュール管理を行います。お客様に都度確認をしてもらい、修正指示やトラブル対応をしながら、滞りなく制作が進むようにプロジェクト全体の交通整理をします。
プロジェクトによっては、Webサイトやサービスが完成した後の運用と更新にも関わります。具体的には、お客様から届く掲載内容の指示に基づいて更新ページの作成と公開準備を行ないます。さらに集客のための施策を実施することもあります。Webマーケティングの考え方に基づいてサイトをブラッシュアップしていくことが求められます。
このように、Webディレクターは実際に手を動かして作らず、Webサイトやサービスを完成に導くリーダーとしての業務を行なっているのです。
Webディレクターの1日
Web制作会社などに所属しているのか、フリーランスで行なうのかなど、環境によって働き方は大きく変わります。その一例として、中堅のWebディレクターの1日を紹介します。
10時までに出勤したら、メールのチェックと当日のスケジュールを立てます。その後、同じプロジェクトに参加しているチームメンバーと打ち合わせを行ない、進捗状況を確認。12時のお昼休憩をはさみ、13時からお客様からの問い合わせ対応を行ないます。15時からは別のお客様とミーティングをして、次のプロジェクトの方針を固めることができました。17時からはさらに別のお客様とミーティングに参加します。業務が一段落した19時、関わるプロジェクト全体の進捗を確認し、遅れているものがあれば担当するメンバーに声掛けをします。20時に残務処理をし、帰宅。家に着いても、最新のWebサイトのトレンドチェックは欠かさないようにします。
ここまで、中堅のWebディレクターの1日を紹介しました。経験が浅いディレクターであれば、より多くの時間を勉強に割いているでしょう。また日によっては一日中ミーティングをしていた、ということもあります。
Webディレクターは基本的には多忙になりがちです。優先順位を考えて業務をさばくことが求められます。
Webディレクターの職場
主な職場は、Web系の制作会社やIT系の広告代理店、Webマーケティング会社などです。ECサイトに特化した会社や、企業のオウンドメディア(企業が自ら発信する媒体)の制作に強みを持った会社など、さまざまな会社があり、業務も少しずつ異なっています。事業会社でも社内のWeb事業部内にWebディレクターを置き、自社コンテンツの管理運用を任せているケースがあります。しかしWebディレクターとしての役割は「WebサイトやWebサービスを完成に導く」という点に変わりはありません。
Webディレクターになるには
Webディレクターになるために必須の資格はありません。しかしディレクターとして活躍するためには、お客様に最適な提案をしたり、デザイナーやコーダーへ的確な指示を出すために、HTMLやCSSといったコーディングの知識、SEOや広告などのWebマーケティングの知識が求められます。まずは専門学校や大学で専門知識を体系的に学びましょう。そしてWeb制作会社やWebマーケティング会社に入社してディレクションの経験を積むことで一人前のWebディレクターになることができます。
Webディレクターの給料・年収
平均年収はおよそ440万円と言われています。しかしスキルや経験によって実際の給与は大きく変わります。さらにフリーランスとして案件を掛け持ちしているWebディレクターは年収1000万円以上を稼ぐこともあり、実力が報酬にダイレクトに反映される仕事であると言えるでしょう。
Webディレクターに必要な資格
Webディレクターとなるための資格は特にありません。しかし必要とされる知識を学ぶ上で役に立ったり、知識を持っていることを証明するのに便利な資格があります。
その代表的なものが「Webディレクター試験」です。Webディレクターやプロジェクトマネージャー、コンテンツディレクターなどを対象とした検定試験となっており、Webディレクターに必要な知識を体系的に学ぶことができます。またWebデザインに関する基礎知識を学べる「ウェブデザイン技能検定」を取得することで、ディレクターとしてデザイナーに指示をしたり、提案を行う際に役に立つ知識を得ることができます。
Webディレクターのやりがいと魅力
自分の関わったWebサイトやWebサービスがリリースされると達成感を得ることができます。さらにそれらが多くの人に利用され、社会に影響を与えたときにはWebディレクターとして最も大きなやりがいが得られるはずです。また、リリースした当初はなかなか反響が少なかったWebサイトでも、アクセス解析と修正を繰り返してブラッシュアップを行い、効果が現れた時もやりがいを感じられるでしょう。
Webディレクターに向いている人とは?
Webディレクターの仕事は、常に誰かとチームを組んで行います。デザイナーやコーダー、時にはフロントエンドエンジニア(ユーザーが触れる部分の設計を行うエンジニア)、バックエンドエンジニア(サーバー全般の開発や構築を行うエンジニア)なども参加して、多い時は20名を超えるチームをまとめるプロジェクトもあります。チーム全体で一つの目標を追いかけることに楽しさを感じられる人であれば、向いていると言えそうです。
時には複数のプロジェクトを同時に動かすこともあります。マルチタスクが苦でない人でないと難しい仕事でもあります。