
バリスタの仕事内容についてわかる!
1.バリスタとは
カフェでコーヒーを淹(い)れるプロがバリスタです。しかしもともとは「バール(BAR)でサービスをする人」という意味のイタリア語から来ています。ここ20〜30年でのコーヒーブーム、特に北米発祥の世界的コーヒーチェーンの日本上陸を経て、一般的に認識されるようになった仕事です。
コーヒーを美味しく淹れることはもちろんのこと、コーヒーに関する幅広い知識が求められます。コーヒ豆の産地の特徴、適切な焙煎やブレンド方法、コーヒーの抽出の技術、エスプレッソマシンの操作とメンテナンス、ミルクの泡立て方といった幅広い知識を持つことで、一人前のバリスタとして認められるのです。
2.バリスタの仕事内容
バリスタが提供するのは、コーヒーやエスプレッソ、カフェラテ、カプチーノなどです。特にエスプレッソの入ったカップにミルクを注いでハートや木の葉などの模様を描く「ラテアート」という技術は、バリスタの腕の見せどころと言えるでしょう。
バリスタが働くのはカフェやコーヒー専門店だけではありません。レストラン、ホテル、パティスリーなど美味しいコーヒーが求められる場所であれば、バリスタの活躍できる環境となります。
任される仕事の範囲は、どこで働くかにより変わります。例えば大手チェーンのカフェでは、店舗によって味の差がでないように、使用するコーヒー豆や抽出方法などが細かく決まっています。個人店などでは、バリスタ本人が豆を選定したり、焙煎所に指示を出したりしながら、自分が考える美味しいコーヒーを追求することができます。
3.バリスタになるには
バリスタになるために必要な資格はありません。まずはコーヒーチェーン店で実務経験を積むか、専門学校でバリスタとしての専門知識と技術を身につけることが、バリスタになる代表的な方法です。特に専門学校への進学は、将来自分の店舗を持ちたい人には最適です。接客や技術を体系的に学べますし、資格取得も同時に目指すことも可能です。「カフェオーナーを目指すコース」を用意しているなど、学校によってそのカリキュラムはさまざまですから、将来どんなバリスタになりたいかをよく考え、進路を選ぶことが大切になります。
4.バリスタの給料・年収
バリスタ・カフェ店員の平均年収はおよそ360万円となっています(厚生労働省発表資料より)。ですが、個人のスキルや経験、さらに大手チェーンか個人店かなどで大きく変動します。バリスタの競技大会が日本国内外で開催されており、個人の知名度を上げることで報酬を大きく上げることも可能です。
5.バリスタに必要な資格
「バリスタ」になるのに必須な資格はありません。複数の民間資格は存在し、資格を有することで、コーヒーの知識や技術の証明になるので働くうえで有利になることもあるでしょう。ここでは、代表的な協会による資格を紹介します。
・日本スペシャリティコーヒー協会の「コーヒーマイスター」
「コーヒーマイスター」は日本スペシャリティ協会による認定資格です。協会が主催する「コーヒーマイスター養成講座」を受講し、認定試験に合格すると資格取得が認められます。さらに、より知識を深めた「アドバンスド・コーヒーマイスター」という資格にも挑戦できるようになります。
・日本バリスタ協会の「JBAバリスタライセンス」
日本バリスタ協会では3段階のライセンス認定を行っています。バリスタとして働いている、またはコーヒー関連企業で働いていて、エスプレッソの抽出経験があること、もしくはJBAが認定するカリキュラムの必要課程を修了した1年未満の人が受験対象です。計2日の座学と実技講習を通しライセンス取得を目指します。
どちらの資格も、既にバリスタとして業務を行っている人がそのスキルを証明することを目的として発行されています。まずは実務経験や学校での知識習得を目指しましょう。
6.バリスタのやりがいと魅力
香り高いコーヒーをお客様に味わっていただけること、そしてお客様の喜ぶ姿を間近で見られることが大きなやりがいとなるでしょう。さらにラテアートの技術や希少な豆の入手ルート開発、日々変わる条件に合わせた焙煎・抽出方法の調整など、奥が深いコーヒーの世界に身を置き、技術を磨き続けるやりがいもあります。