
幼稚園教諭とは?仕事内容や給料、必要なスキルも紹介!
幼稚園教諭の仕事内容
幼稚園教諭とは、満3歳から小学校入学までの幼児を教育する仕事です。
子ども一人ひとりの個性を把握し、集団の中で生活習慣を身につけさせながら、遊びを通して子どもの可能性を引き出して成長を促します。そのためにはきめ細やかな気配りと専門知識が求められる仕事です。
具体的な仕事内容としては、幼稚園教育要領に基づき作成された幼稚園独自のカリキュラムに沿って保育・教育を行うことがメインの仕事です。さらに健康チェック、保護者との連絡なども行います。
教育要項では1日の教育時間は4時間と定められているため、通常は14時ごろに園児が帰ります。その後は片付け、翌日の保育や行事の準備、教室などの環境整備、クラスだよりの作成など、さまざまな業務を行います。 延長保育や電話対応、指導案といった書類の作成、園児の出席確認など、事務作業が多いことに驚かれるかもしれません。
幼稚園教諭になるには
幼稚園教諭になるには、文部科学省認定の教職課程のある短大・大学・専門学校に進学し、所定の単位の履修が必要です。教職課程を履修すれば国家試験を受ける必要はありません。文部科学省に申請して幼稚園教諭免許を取得することができます。
また保育士資格を持っている場合は、実務経験を経たうえで、幼稚園教員資格認定試験に合格すれば免許の取得ができます。近年では、幼稚園と保育園の機能を合わせ持つ「認定こども園」の設立促進に伴い、保育士資格を持った人が所定の単位を取得すればそのまま幼稚園教諭免許の申請ができる特例制度もあります。 公立幼稚園に就職する場合は、各自治体による採用試験に合格する必要があります。そのため、公立幼稚園に勤務する幼稚園教諭は地方公務員と扱われることが特徴です。私立幼稚園で働く場合はそれぞれの幼稚園が出している求人に応募し、採用試験に合格することで幼稚園教諭として働くことができます。
幼稚園教諭に必要なスキル
大前提として、子どもが好きということです。子どもは敏感に自分たちのことが好きかどうかを察します。子どもが好きな人に対しては安心し、心を開いてくれますから、指導などもスムーズに進めることが可能です。また、幼稚園教諭は体力的にもハードな仕事ですから、子どもが好きという想いが根底にないと、続けることは難しいかもしれません。 また、子どもそれぞれの個性を大切にし、伸ばしていくための工夫ができることも大切です。子どもがなかなか言うことを聞かないなど、問題が起こることもありますが、それらに目くじらを立てるのではなく、広い心で受け入れながら「どう伝えたら分かってくれるか」を子どもの目線に立って考えるスキルが求められます。こうした課題を乗り越えた時の子どもの成長を肌で感じられれば、大きなやりがいを実感できるはず。さらに、日々の課題に前向きに取り組み、子どもや保護者とのコミュニケーションを密に行うスキルがあれば、安心して子どもを預けていただき、感謝されるでしょう。
幼稚園教諭のキャリアアップ
幼稚園教諭として幼稚園に務めた場合、担任補助→担任→副主任→主任→副園長→園長といったステップでキャリアを築いていくのが一般的と言われています。園によって大きく異なりますが、担任になるまでに3年以上、主任になるまでに8年以上かかると言われています。主任の上の副園長や園長といったポジションは、タイミングや昇格試験などの条件が揃ってはじめて上がれるため、必要な勤続年数は一概には言えません。
キャリアアップに役立つ資格は、「運動保育士」「食育スペシャリスト」「環境アレルギーアドバイザー」「幼児食ベーシック」などが挙げられます。持っていると+αの指導が可能となり、転職に有利になることも。 一つの幼稚園で長期にわたり勤め上げれば、上記のようなキャリアアップが可能ですが、転職をするという道もあります。他の幼稚園に移るだけでなく、「臨床心理士」や「福祉施設士」、「社会福祉士」などの資格を取得すれば、幼稚園での経験も活かしながら活躍の幅を拡げることができるようになります。
幼稚園教諭の給与・年収
平均月収は27万円、年収は400万円ですが、あくまでこれは平均値です。勤務先や雇用形態、キャリアによって大きく変わります。例えばキャリアの浅い20歳から24歳の平均年収は約320万円。中堅とも言える40歳から44歳になると約430万円。主任や園長などのポジションの方も含まれる65歳以上になると約500万円となります。経験年数が増えるごとに増加する傾向にあると言えるでしょう(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より)。 また、資格を取得することで資格手当を得ることが可能です。特に、幼稚園教諭の免許だけでなく保育士の資格も持っていると、さらに給与が上がるチャンスがあります。というのも、幼稚園と保育園の特徴を併せ持った施設である「認定こども園」が今後増加すると予想されており、幼稚園教諭と保育士の2つの資格を持つ人を採用することが望ましい、とされているからです。このように、本人の頑張り次第で給与を上げるチャンスはたくさんあります。
幼稚園教諭のやりがい
この仕事では、子どもの成長を間近で見た瞬間に大きなやりがいを感じます。3歳から6歳の子どもは、日々成長の連続です。子ども自身も「○○ができるようになった!」と眩しい笑顔を向けてくれますし、保護者からも感謝されると、モチベーションがあがります。
また、幼稚園では季節に応じた行事やイベントを多く開催します。特に運動会など子どもと一緒に作る行事になると、大変さはさらに増します。しかし、苦労や困難を乗り越えて行事が成功した時は、何にも代え難い達成感・やりがいを感じられます。 子どもに教える立場である幼稚園教諭ですが、子どもから教わることも多いのがこの仕事の特徴です。