
インストラクターの種類
インストラクターとは
インストラクターとはそもそも、技術を指導し、知識を伝える人のことを指します。対象となる競技やアクティビティは様々ですが、それぞれのやり方を指導することが主な仕事です。
トレーニングを指導するトレーナーと違い、技術やテクニックを中心に指導するのがインストラクターの特徴です。インストラクターが教えるジャンルによって、「スイミングインストラクター」や「ダイビングインストラクター」「ゴルフインストラクター」「ヨガインストラクター」などに細分化されます。それぞれ教える内容や方法、働く場所まで異なるため、全く違う仕事であるとも言えます。
インストラクターの種類と必要な資格
インストラクターに必要な資格は何を教えるかで変わります。ただしほとんどの場合、資格は必須ではなく、知識やスキルの証明とすることのほうが多いです。
ジムインストラクターとして働く場合に活かせる資格は下記の通りです。
■健康運動指導士/健康運動実践指導者
厚生労働省が提示する健康施策「健康日本21」「健康フロンティア戦略」「医療制度改革」の中心課題となっている生活習慣病予防や介護予防の一端を担うスペシャリストとして活躍が期待される資格です。保健医療関係者と連携し、個々の心や体の状態に合わせた安全かつ効果的な運動を実践するためのさまざまな取り組みをおこないます。主な仕事内容として以下のようなものがあります。
・個々の運動プログラムを作成する
・実践する指導計画の調整を行う
・運動指導に直接携わる
生活習慣病や少子高齢化が進む現代の日本人にとって、健康運動指導士の活躍が大きな影響を及ぼすことになるのではと期待されています。
試験は毎年3月頃・9月頃に年2回行われます。2020年の「第145回健康運動指導士認定試験」の全体の合格率は57.2%でした。
■日本スポーツ協会 公認スポーツ指導者
公益財団法人日本スポーツ協会及び加盟団体等が、公認スポーツ指導者制度に基づき資格認定する資格です。スポーツ医科学の知識を活かして「スポーツを安全に、正しく、楽しく」指導し「スポーツの本質的な楽しさ、素晴らしさ」を伝えることができることを証明できます。
受講と試験で取得できますが、大学・専門学校等の承認校で授業を履修することで公認スポーツ指導者の資格を取得することも可能です。
■日本トレーニング指導者協会 トレーニング指導者
この資格を持っていると、科学的根拠に基づいた適切なトレーニングメニューの作成・指導を行えるトレーナーであることが認められます。アメリカの団体が認定する他の資格と並んで、パーソナルトレーナーの3大資格に数えられており、日本の団体が認定するトレーナー資格としては最も有名です。
認定試験の合格率は、全体としては50%〜90%です。しかし協会が開催する養成講習会の受講や自己学習課題の提出を経て認定試験を受ける人の合格率は80〜90%のため、きちんと学ぶことで独学でも取得することは可能です。
■NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
世界的に権威のあるストレングス&コンディショニングの教育団体がNSCAです。このNSCAが発行するトレーナー認定資格がNSCA-CPTであり、高いレベルの知識と技術を持っていることの証明として認められています。独学で勉強する場合は準備期間9ヶ月〜で、合格率65%前後とやや狭き門となっています。
■NESTA-PFT
NESTA(ネスタ)とはアメリカを本拠地とするパーソナルトレーナーの資格認定団体で、正式名称は『全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会』です。日本国内においても、多くのパーソナルトレーナーやインストラクターが取得していて、フィットネス業界で最もメジャーな資格団体の1つと言えます。
NESTAが発行している資格の中でもパーソナルトレーナーの必須資格と言われているのが『NESTA-PFT』です。またパーソナルトレーナーに限らず、ゴルフや水泳などのスポーツインストラクターに向けた『NESTA スペシャリスト』という資格も用意されており、サポートの手厚い団体です。『NESTA-ダイエット&ビューティースペシャリスト』という女性の美に特化した資格まであります。
ヨガインストラクターで活かせる資格は下記があります。
■RYT200(全米ヨガアライアンス)
アメリカで設立された団体「全米ヨガアライアンス」が発行する、世界80カ国以上で知られている資格です。この資格を得るためには、指定されたトレーニングの受講が必要となり、ヨガインストラクターの基礎を習得することができます。200時間のトレーニングが設定されており、そのうち180時間は、直接講師から指導を受けなければいけません。カリキュラムでは、解剖学・ヨガのポーズの総称であるアーサナ・ヨガ哲学などの基礎知識が学べるようになっているので、偏りなく勉強したい方におすすめです。
■ヨガインストラクター(日本YOGA連盟)
日本YOGA連盟のヨガインストラクターは、養成講座を修了した後、試験に合格することで資格を得ることができます。ヨガインストラクターとは何かなど、初歩的な知識を得ることができるため、これから学ぶ方におすすめの資格です。講座は10日間(60時間)で約25万円の費用が必要です。 他にもダイビングインストラクターには『PADI』『潜水士』『ダイビングライセンスCカード』、スイミングインストラクターには『基礎水泳指導員』『水泳教師』などそれぞれに合わせた資格が用意されています。
インストラクターに向いている人
何よりもまずスポーツが好きなことが第一条件です。そして、教えることが好きだったり、面倒見の良い人が向いています。また、指導するスポーツに関して、一定水準以上の技術を持っていることが大切な条件です。
同じことを繰り返し教えることも多いので、粘り強い人や話し上手な人も向いていると言えます。
まとめ
どの競技やアクティビティを教えるかに関わらず共通しているのは、資格を習得することで就職に有利になる、という点です。資格取得を目指して進学先を決めることも、インストラクターになる上で大切な要素の一つと言えるかもしれません。