インフラエンジニアに向いている人とは？
インフラエンジニアの仕事とは
現代社会に必要不可欠な、ITシステム。友人とSNSで繋がるのも、ECサイトで家にいながら買い物ができるのも、効率的に工場を動かして低コストでものづくりができるのも、全てWebサービスやITシステムのおかげです。インフラエンジニアは、WebサービスやITシステムが動く基礎となるインフラの構築、設計、運用保守を担い、便利になった現代社会を支える仕事です。
具体的な仕事の内容は、どんなインフラを構築するかを決める「設計」、機器を用意して接続し、システムをインストールして設定を行う「構築」、システムが安定して動かし続けられるように管理する「運用・保守」の3つに分けられます。最も高いスキルと経験が求められる設計、経験の浅いエンジニアがまずは挑戦する運用保守など、それぞれ求められる経験や知識の深さは異なりますが、目的は一つ。これらの業務を通じて、人々の生活をより便利にするシステムを支える。そんなやりがいのある仕事といえます。
インフラエンジニアに向いている人
インフラエンジニアは、サーバー機器やネットワーク機器などのハードウェアを取り扱う仕事です。取り扱う機器は、メーカーによって仕様もさまざま。条件に応じて最適な機器を選び、設定や組立、接続などを行うため、普段から家電や機械をいじるのが好きな人や、機械に興味がある人に向いている仕事であると言えるでしょう。
また、冷静かつ理論的に物事を考えることが得意な人にも向いています。急なシステムトラブルが発生した時に、焦らず的確な対応が求められるからです。回線やデータといったITシステムの基礎部分を取り扱っているため、焦りはミスに、そして重大な障害や取り返しのつかない損害へ繋がりかねません。落ち着いて状況を把握し、障害が発生した経緯と原因、解決策を順序立てて考えられる人が求められます。
コミュニケーション能力も、インフラエンジニアに必要な資質の一つです。クライアントの要望を受け取るだけでなく、うまく引き出すことでより最適なシステムに必要なインフラの条件を決めることができます。さらに、開発を進める際や障害の対応を行なう際に他の職種の人と接する機会も多くあり、円滑に業務を進める上でも重要な能力です。
インフラエンジニアに向いていない人
電車の１分の遅れにも神経質になる人が多い日本では「インフラは正常に動いて当たり前」と思われており、ITインフラに対してもこの見方は例外ではありません。したがって、インフラエンジニアの活躍は、表立って評価されることが少ない傾向にあります。成果に対する賞賛や賛辞をやりがいに感じる人は不向きな仕事かもしれません。
また、インフラエンジニアの業務はマニュアルや設計書通りの単調な作業になることも多く、これに「つまらない」と感じる人も向いていないでしょう。裏方として社会を支えていることに誇りを持てない人には酷な仕事かもしれません。
人とコミュニケーションをとることが苦手な人にも向いていない仕事です。小さなプロジェクトであれば一人でインフラの設計から構築、運用まで行なうことができるかもしれませんが、それでもアプリケーションの開発エンジニアなど業務上関わらなければならないシーンは多々あります。どうしても自分で解消できない障害が発生したときに、協力を仰いだりすることもあります。何より、大きな規模のプロジェクトではコミュニケーションは必要不可欠。パソコンと向き合うだけではなく、周りと協力して進める仕事だからこそ、円滑なコミュニケーションが求められるのです。
インフラエンジニアに必要なスキル
インフラエンジニアとして活躍する上で必要なのは、サーバーやネットワーク、プログラミングに関する知識と、周りの人と協力しあえるだけのコミュニケーションスキル、そして学び続ける姿勢です。
知識に関しては、インフラを構築する元となるWindowsやLinuxなどのOSの知識、機器と機器を繋げ、遅延なくデータのやり取りができる環境を整えるネットワークの知識、サーバーやルーターといったインフラを動かすハードウェアの知識などが挙げられます。
しかし、これらのインフラに関する知識だけ持っていても、十分とは言えません。万が一インフラに障害が起こった際に、インフラだけでなくシステム全体をチェックし、原因を突き止めるために、システム全体を理解できるだけの知識が求められます。もし復旧が遅れれば、システムを利用する人や企業が甚大な損害を被ってしまいます。また、インフラ構築や整備を行うためのプログラミングスキルも重要です。プログラミング言語を理解し、システム開発に関する知見を持っているエンジニアのほうが、プロジェクト全体に好影響を与えるという期待が持たれるからです。
システムの基盤を作るインフラエンジニアには、こうした幅広いスキルが求められます。学ぶ意欲がなければ、活躍し続けることは難しいでしょう。