調理師の仕事内容についてわかる!
食・製菓・調理・栄養のお仕事

調理師の仕事内容についてわかる!

1.調理師とは

新たな味を生み出す探究心を持ち、舌だけでなく目でも楽しめる盛り付けをする。そして技術とセンスを磨き続ける食のプロフェッショナルが調理師です。和、洋、中、アジア、さらに懐石料理、寿司、天ぷら、イタリアン、フレンチ、四川料理、広東料理など幅広い分野があり、それぞれに特化した調理師も大勢います。また、働く場所もさまざま。レストランや料亭だけでなく、企業や大学、保育園や病院、介護施設などに置かれた食堂でも、調理師は活躍しています。


2.調理師の仕事内容

調理の技術や知識を駆使し、美味しい料理を作ることが、調理師の最大の使命です。しかし、大前提として大切にしなければならないのは衛生管理。どんなに美味しい100点満点の料理を提供できても、不衛生な環境なら0点になってしまいます。自分自身の体調管理、服装や身だしなみ、手や調理器具の消毒、清潔で整理された厨房の維持。包丁を握る以外にもやることはたくさんあります。評価の高いレストランの厨房は驚くほどきれいなことからも分かるように、衛生管理はいい仕事をする上で必要不可欠です。調理師の仕事は調理だけでなく、衛生管理も大切になります。


3.調理師の一日の流れ

まずは仕入れた食材のチェックから始まります。前日までに業者に発注をした食材が届いているかを確認したり、早朝に市場まで足を運んで新鮮な食材を手に入れましょう。

次は仕込み。野菜を切ったりお米を炊いだりといった下準備を行います。

お店の営業が始まれば、お客様からの注文を受けて調理スタート。同時に複数のメニューを作ることも多いので、常に厨房全体に目を配る必要があります。

営業が終われば翌日使う食材の発注を行います。スープの出汁(だし)取りやマリネなど、時間のかかる仕込みを夜のうちにやっておく場合もあります。

その後洗い物や片付け、厨房の清掃を行い、使った調理器具のメンテナンスも忘れずにします。

あくまでこれは一例で、働く環境や役職によって変わってきます。例えば料理長になれば、これに加えて部下に対する調理指導や厨房全体の管理、時にはお客様の前に出て挨拶をすることもあります。


4.調理師の職場

街なかで見かけるレストランや料亭が主な職場です。しかし、他にもさまざまな活躍の場があります。例えば高級ホテルや温泉旅館などは、泊まる部屋と同じくらい料理を目玉にしていることがあります。こういった場所でも、調理師はその腕をふるっています。

さらに学校や医療福祉施設などの食堂にも調理師はおり、大勢のお客様のお腹を満たしています。こういった場所では栄養士さんと協力し、より栄養価の高いレシピを考え提供していることもあります。


5.調理師になるには

調理師を名乗るには、国家資格である調理師資格が必要です。この資格の取得には2つの方法があります。

一つは各都道府県が実施している調理師試験に合格すること。もう一つは、厚生労働大臣が指定する大学・短期大学・専門学校などで調理を学び、決められた単位を取得して卒業することです。単位を取得して卒業すれば無試験で調理師の資格を得ることができます。

調理師というと、料理がうまく作れる技術があればいいと思われるかもしれません。ですが実際には、栄養学や食品学、衛生法など多くの分野の知識が必要です。これらを学べる学校に入学するのが、調理師になる一番の近道です。


6.調理師の給与・年収

「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、調理師の平均月収は約26万円、年収では約340万円です。これはあくまで平均。働く環境やポジション、経験、スキルによって、収入は大きく変わります。

一番最初の働きたてであれば、賃金は高くはありません。しかし実力をつけて人気レストランや一流の料亭に入り、厨房全体を仕切るポジションにつくことができれば収入は大きく上がります。さらに高級ホテルの料理長などに指名されると年収1,000万円を超えることもあります。また独立開業という道を選び、人気を集めるお店のオーナーになれば、それ以上の収入も可能です。

重要なのは「いかに美味しい料理でお客様を喜ばせられるか」。この実力次第で高収入が得られる、というのも調理師の魅力かもしれません。


7.調理師に必要な資格

料理を作るときに必要なのは、味や見た目の美しさだけではありません。特に、徹底した衛生管理は、お客様の目には見えにくいですが、食の安心につながる大切な要素です。調理師資格を取得する際にこれらを学ぶことができます。資格を持っている、ということは食の安全・安心に関する正しい知識を持っている証拠になります。

厚生労働大臣が指定する学校で学び、決められた単位を取得して卒業すれば、無試験で調理師の資格を得られます。また飲食店で2年以上の調理実務経験を持っていれば、調理師の国家試験を受けることができます。これに合格し、都道府県に登録を申請して資格・免許を取得できれば調理師として正式に認められ、働くことができるようになります。


8.調理師のやりがいと魅力

やはりお客様からの「おいしかった!」「ごちそうさま!」の言葉と笑顔が一番のやりがいになるはずです。その一言のために、多くの調理師が日々向上心を持って料理と向き合い、料理の知識や技術を向上させています。また、気配りのある接客も大切な要素の一つです。美味しいからと何度も足を運んでくれる常連さんができれば、料理を通して気心の知れた友人となるかもしれません。そんな人間関係が広がっていく楽しさも、調理師なら味わえます。

実力次第で高収入が可能であることも大きな魅力です。人気店となれば食品メーカーとコラボレーションをすることもあります。また定年がない仕事でもあるので、現役を引退してからもさまざまな環境で働けます。

料理が好き、人の喜ぶ顔を見るのが好き、という方にピッタリの仕事です。

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