調理師の仕事内容 1日の流れは?
食・製菓・調理・栄養のお仕事

調理師の仕事内容 1日の流れは?

調理師の仕事は、料理を作ることだけではありません。美味しい料理を手掛ける技術はもちろんのこと、お客様がその料理を安心して楽しむための衛生管理と知識が調理師には必要です。そのため、調理師として働く上で国家資格を取得し、そのスキルと知識を証明することが条件となっています。

調理師の仕事

調理師の仕事は「料理を作ること」です。しかし、料理を提供するということは、多くの人がその料理を口にするということでもあります。栄養や食品衛生に関する専門的な知識を活かした配慮を行うことも、重要な仕事なのです。ここで、具体的な仕事の内容を紹介します。

1.料理の作成

調理師の主要な仕事は、調理技術と知識を用いて美味しい料理を作ることです。レストランやホテルなどでは上司の指示に従い、また、集団調理施設では栄養士の指示に基づいて料理を作ります。自己開業した場合、メニューの企画から食材の調達、管理、調理、さらには接客まで全てを1人で担当することもあります。

2.衛生管理と整理整頓

食事に関連する仕事では、衛生管理が最優先です。美味しい料理が作れても、不衛生な環境では全てが無意味になります。個人の体調管理、厨房での服装、手洗いや消毒はもちろんのこと、厨房内は常に清潔である必要があります。キッチン設備、調理器具、ツール、食器なども、作業前後そして作業中も整理整頓を心がけ、清潔に保つことが重要です。

3.開店準備と仕込み

新人調理師の一つの仕事は、先輩料理人がスムーズに作業できるように事前の準備を行うことです。これには、朝に届けられた食材のチェック、必要な野菜の下ごしらえ、オーブンの予熱、まな板のセットなどが含まれます。大規模な宴会がある日は、食器の準備なども行います。

4.翌日の準備

夜間の営業終了後には、厨房の清掃が必要ですが、それ以外にも、余った食材の再利用計画、冷蔵庫内の食材の管理などを行います。さらに、次の日のランチに間に合わせるための長時間調理料理の下準備なども行います。例えば、フレンチレストランで働く調理師であれば、ゼリーを使った料理、マリネ、スープのダシ取り、テリーヌなどの準備は、ディナー営業終了後、次の日の準備として調理師の仕事となります。


調理師が働く場所

「調理師」と聞くと、レストランのキッチンで働く姿を想像するかもしれません。しかし、調理師の働く場所はレストランだけではないのです。

まず、調理師が最も多く働く場所は「飲食店」でしょう。ただし、飲食店と一口に言ってもその範囲は広く、専門的な和食、洋食、中華、エスニックのレストランから、バラエティ豊かな料理を提供するファミリーレストランまで、さまざまなタイプの飲食店が存在します。また、規模も大手チェーン店から個人経営の小さなレストランやカフェまで、多種多様です。

次に、調理師が大勢働く場所といえば「ホテル」が挙げられます。ホテルでは朝食バイキングや結婚式の料理など、時と場合に応じて各種料理を提供するため、多くの調理師が必要とされています。

さらに、「学校」や「病院」、「介護福祉施設」でも多くの調理師が働いています。ここでは、一度に大量の料理を提供するとともに、食事の栄養バランスを考慮することも重要になります。

この他にも、料理スクールで講師を務めたり、食品メーカーで新商品の開発を担当するなど、調理師の活躍の場は多岐にわたります。だからこそ、就職を考えるときは多くの職場を比較し、自分に合った場所を選ぶことが大切です。調理師として働く場所は多様で、それぞれが自分自身のスキルや経験を活かす機会を提供してくれるはずです。


調理師の1日のスケジュール

勤務時間や業務内容は勤務先により大きく異なりますが、ここではランチ営業もあるレストランで働く調理師を例に、スケジュールを挙げてみましょう。

調理師の一日は下準備から始まります。朝8時に出社し、調理器具や食材を用意して、すぐに調理ができる状態に整えます。

その後、9時頃になると他のスタッフが出社し、開店に向けた準備を一緒に行います。テーブルや椅子の配置や、メニューの準備なども含まれます。

11時から14時はランチタイム。最も忙しい時間帯です。注文が次々と入る中で、効率的に調理を行う必要があります。

ランチタイムが終わると14時から15時まで休憩を取ります。

休憩後はディナータイムの準備に移ります。ランチよりもメニューが多いため、準備作業には時間がかかることが多いです。

18時から始まるディナータイムでも、注文に応じて調理を進めていきます。

最後に、22時の閉店後にはスタッフ全員で片付けや掃除を行い、一日の業務を終えます。これが飲食店で働く調理師の一日の典型的な流れとなります。


調理師の仕事のやりがい

調理師の仕事の醍醐味は、自分の作った料理でお客様に喜んでいただくことにあります。言葉や笑顔から「おいしかった」「また来たい」という気持ちを感じるときの喜びは計り知れません。そして、独自の技術や知識を生かし、多様なフィールドで活躍できるのも調理師の大きなやりがいです。


調理師になるには

1,調理師養成施設で学ぶ

調理師になるためには、厚生労働大臣が指定した調理師養成施設で学ぶ方法があります。大学、短期大学、専門学校など、選択肢は多岐にわたります。通学期間は最低1年以上で、卒業時に調理師資格を取得できます。学校に通うことで専門的な料理知識を学ぶことができ、調理師としてのスキルを身につけられます。

2,実務経験を積んで調理師試験を受験する

もう一つの方法として、実際の調理業務に従事しながら経験を積み、調理師試験の合格を目指す道もあります。この方法を選ぶ場合、調理業務における2年以上の実務経験が受験資格として必要となります。その経験をもとに、調理師の資格を取得するための試験を受けることができます。

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