
料理人の仕事内容
1.料理人とは
日本料理やフランス料理など、一言で料理人と言ってもそのジャンルはさまざまです。日本料理の中でも、そばや天ぷら、寿司職人など細かい領域に分かれ、それぞれの道を極めるプロがいます。しかし、全ての料理人に共通しているのが、食を通じて幸せを提供しているという点です。人が生きていくうえで、食べることは避けて通れません。お客様においしい食事を提供する料理人とは、お客様の人生を彩る仕事でもある、と言っても過言ではありません。
2.料理人の仕事内容
働く場所は多岐にわたります。イタリアンレストランやフレンチレストランでシェフとして働く人もいれば、板前として料亭で日本料理に腕を振るう人もいます。スイーツを作るパティシエも、和菓子職人も、広い意味で料理人と言えるでしょう。自分が得意とする料理を作り、お客様に召し上がっていただき、対価を得ることが料理人の仕事です。そのためには、美味しい料理を手際よく作り上げる能力も必要です。他の料理人と役割分担を行い、周囲を確認しながら料理するスキルも求められるでしょう。時には新しいレシピを開発したり、必要な食材を求めて日本全国を探し回ることも、料理人としての仕事の醍醐味です。
3.料理人の一日の流れ
その人のポジションにより大きく異なりますが、ここでは一例として、レストランで活躍する若手の料理人の一日をご紹介します。
まずは朝8時に出勤し、食材の在庫量や状態をチェック。当日の予約状況も確認し、仕込みを行います。ベテランの料理人が効率よく料理を進められるように調味料を準備したり、お皿の用意も忘れずに行います。そうしているうちに11時となり、ランチ営業がスタートします。続々と来店されるお客様のオーダーに応じ、調理を行います。14時をまわってランチのオーダーが落ち着いてきたら、夜の予約の仕込みを進めていきます。17時からディナー営業となり、コース料理や宴会の進み具合に応じて料理を行います。ベストなタイミングで提供できるかどうかが、料理人の腕の見せどころです。そして閉店後、調理器具の片付けと店舗や料理場の掃除を行い、退勤となります。
4.料理人になるには
料理人になるために必須な資格はありません。しかし多くの料理人は調理師免許を持っています。調理師免許とは、国家資格の1つであり、料理の基本から衛生管理まで網羅していることを証明するものです。調理系の専門学校や大学で調理を学び、卒業することで調理師免許を取得することができます。すなわち、料理人になるにはまず料理の勉強をすることが近道なのです。もちろん学校に行かず、飲食店に料理人として採用され、経験を積むことでスキルアップを目指すこともできます。しかし専門学校や大学で体系的に調理を学ぶことで、将来的に独立をしたい場合にも役立つ知識や技術を身につけることができます。長い目で見ると、学校に入学したほうが料理人として独り立ちするまでの道のりは近いと言えそうです。
5.料理人の給料・年収
給料額は、料理人の経験やスキルによって大きく左右されます。実務経験がなければ月収19万円程度、ある程度経験を積むことで25万円から30万円まで上がります。料理人の平均年収は約340万円となっています(令和4年賃金構造基本統計調査より)。
独立したり、メディアで取り上げられれば、さらに高い報酬を受け取ることもできます。
6.料理人に必要な資格
調理師として働く場合は調理師免許が必要ですが、料理人になるのに必須な免許や資格はありません。そのため、資格を持たずに料理人として活躍している人もいます。しかし希望する場所で働きたい場合はやはり調理師免許は取っておいたほうが良さそうです。ちなみに調理師免許は、専門学校などの厚生労働省が指定する調理師養成施設を卒業することで取得することができます。
7.料理人のやりがいと魅力
コツコツと努力を続け、料理の腕を磨き続けることができれば、多くの人に料理で感動を与えられる技術を身につけることができます。自分の技術を信じて独立し、人気店となれば収入面も期待できます。なにより、お客様の喜ぶ顔を間近で見られますし、「美味しかった!」「また食べに来るね」というお客様の声はやはり大きなやりがいとなるはずです。