
食・製菓・調理・栄養のお仕事
株式会社ブラス
美尾谷夏輝さん
料理人
私は今、ハウスウエディング事業を展開する株式会社ブラスで、結婚式場のキュイジニエ(料理人)として働いています。
キュイジニエとしての業務内容は、平日と土日とで異なります。
平日は、野菜のカット、肉や魚介類の下処理、ピューレやソースの仕込みなど、婚礼に向けた準備作業が中心です。
土日は基本的に婚礼があり、食材受け入れのほか、料理の盛り付けをするのが仕事です。また、ビュッフェが行われる場合、参列者の方々の前に立って取り分けを行うこともあります。
この仕事で大変なのは、婚礼では多くのお客様をお迎えするので、大量調理が必要になることです。また、婚礼がある日は準備が朝早くから始まったり、片付けが夜遅くまでかかったりすることもある上、長時間立ったままでの作業となるため、かなりの体力が求められます。
そうした大変な部分もありますが、新郎新婦様にとって大切な晴れの一日を料理で支えられることに、私はとても大きなやりがいを感じています!

実は私は、キュイジニエを志す前に、一度社会人として働いた経験があります。ただ、その仕事はお客様と全く関わる機会がなく、物足りなさを感じ、私は次第に「いつかお客様の笑顔を間近で見られる仕事がしたい」と思うようになりました。
そんな時、自炊をきっかけに、料理への関心が芽生えたのです。「料理でお客様を笑顔にしたい」と考えるようになったことで、私はキュイジニエを目指し始めました。
実際にキュイジニエとして働いてみて、特にやりがいを感じるのは、お客様からご指摘を受けることなくスムーズに婚礼を終えられた時です。新郎新婦様にとって特別な一日を彩る料理を、無事に提供できたことで感じる達成感は、格別なものがあります。
また、ビュッフェの際に、参列者の方々が楽しそうに料理やデザートを眺め、美味しそうに食べている様子を間近で見ることができた時にも、大きなやりがいを感じられるものです。
料理を通じてお客様の笑顔を見られることが、この仕事の魅力だと思います。

就職活動の時期は、私は正直不安でいっぱいでした。その理由は、周りの就活生よりも年齢が上である私に対して、面接官が他の就活生よりもレベルの高いものを求めているのではないかと思っていたからです。
私は「一度社会人を経験しているのだから、他の人よりもうまくやらなければ」というプレッシャーを常に感じ、面接での言葉遣いや発言内容を考えることで頭がいっぱいでした。
そんな時に、何度も面接練習をして私を支えてくださったのが、担任のF先生です。先生からの数多くの指摘や訂正を受けて、私は不安を乗り越え、自信を持って就職活動に臨めるようになりました。
その結果今の職場に就職することができたので、この学校に通って本当に良かったと思います。
そもそも私が名古屋辻学園調理専門学校に進学したのは、1年次に幅広く学んで自分のやりたいことを見つけ、2年次に専門コースでより深く学べるというカリキュラムに、魅力を感じたからです。
もともと「料理の仕事をしたい」という漠然とした想いはあったものの、どのようなお店で働きたいかが定まっていませんでした。だからこそ、まず学校でしっかりと学んだ上で、進路を決めたいと考えたのです。
また、長い歴史を持つ学校で、知識と技術の指導がしっかりしていることも決め手でした。
実際、F先生には面接練習だけでなく様々な行事活動でお世話になり、産学連携の実習ではH先生に、料理関係の行事ではM先生にたくさんのことをご指導いただきました。先生方からの教えによって得た知識や技術は、確実に今の仕事につながっていると思います。

専門学校で特に学んでおいて良かったと感じるのは、大量調理のノウハウと対面サービスのスキルです。これらを学べたレストラン実習が、今の仕事に一番役立っていると思います。
婚礼ではたくさんの料理を作るのでとても体力を使いますし、ビュッフェでお客様へ料理を取り分ける際は、所作や接客マナーにも気を遣うことが必要です。こうした実践的なことをレストラン実習で学べたからこそ、今スムーズに対応できているのだと感じます。
今後の目標は、まず仕込みや食材の受け入れ、処理などの業務を完璧にこなせるようになることです。その上で、いずれは料理長として料理を考案し、後輩や部下の指導・育成もしていきたいと考えています。
最後に、私と同じ業界を目指す高校生の皆さんにお伝えしたいことがあります。
料理の仕事といっても、レストラン、ホテル、カフェなど様々な舞台があるので、具体的にどこを目指せばよいのか迷っている人もいるでしょう。私も最初は「料理の仕事がしたい」という気持ちだけで、どの分野で働きたいのかがよく分かっていませんでした。
ですが、専門学校で幅広く学ぶうちに「お客様の特別な日に寄り添うキュイジニエになりたい」という答えを見つけることができました。
皆さんも、料理の世界に足を踏み入れたいなら、まずは専門学校でたくさんの知識や技術を学んでみてください。学校で様々な料理に触れる中で、自分が本当にやりたいと思える分野を見つけられれば、皆さんの社会人生活は楽しく充実したものになると思います。
料理の世界を目指す皆さんの挑戦を、心から応援しています!