高卒就職と専門学校進学どっちがいい?
進学情報

「高卒就職」と「専門学校進学」どっちがいいの?就職・進学のそれぞれ割合やメリットをご紹介!

 進路を考える高校生の皆さん、卒業後は就職するか専門学校に進学するかで迷っている人はいませんか?「はやく就職して自立したい…」「でも、専門学校で手に職をつけたほうが良い?」など、就職と専門学校進学それぞれメリットがあるので、決めるのは簡単ではないでしょう。この記事では、高卒就職か専門学校進学かで迷っているあなたのために、高卒就職者と専門学校進学者の割合や、メリット・デメリットについて解説します。

1.高卒就職と専門学校進学どっちが多い?それぞれの割合はこのくらい

 まず、高校を卒業したら就職する人と専門学校に進学する人では、どちらが多いのでしょうか。以下は、令和4年度学校基本調査による高等学校卒業者の「卒業後の状況」をグラフ化したものです。これによると、高校を卒業して大学(学部)に進学する人が全体の56.6%と半数以上を占めていることがわかります。そして、次に多いのが専門学校へ進学した人で22.5%を占めます。高卒で進学をしていない人=就職・他(未就職者も含む)の割合は16.2%となるため、高卒就職者よりも専門学校進学者のほうがやや多いという状況です。

高校卒業後の進路状況は、みなさんの通っている高校によっても傾向が異なるでしょう。高校によっては、進学者がほとんどのところもあれば、半数近くが就職するというところもあるかもしれませんね。

2.高卒就職のメリット紹介 – いち早く社会に出てお金を稼ぐことができる!

 ここからは、高卒就職、専門学校進学のそれぞれのメリットとデメリットを順番に見ていきましょう。まずは、高卒就職のメリットです。

<高卒就職のメリット>

①高校卒業後すぐにお金を稼ぐことができる
②いち早く社会に出て自立することができる
③現場で働きながら職業技術を学ぶことができる
④高い就職率で就職することができる

高卒で就職することの一番のメリットは、専門学校に進学するよりも早く社会人出てお金を稼ぎ、自立することができるという点でしょう。専門学校生が学校で2年~3年間学んでいる間に、就職先の現場で職業経験を積むことができるので、職場によっては早くスキルアップして現場で活躍できる人材になれる可能性もあります。また、高卒での就職というと一見難しそうな気もしますが、文部科学省の調査結果※によると、令和3年度の高卒の就職率(就職内定者数/就職希望者数)は97.9%という結果でした。これはあくまでも、高校在学中に就職を希望した人の就職率にはなりますが、高卒でも就職を希望すれば実現できる可能性は高いということです。※文部科学省 令和3年3月高等学校卒業(予定)者の就職(内定)状況に関する調査-(令和3年3月卒業者)より

2-1.高卒の就職先におすすめな業界

 高卒の就職先におすすめな業界は、主に学歴や資格が特別必要とされない業界や働きながら資格が取れる業界になります。例えば、以下の業界が高卒で就職しやすいと言われています。

建設業界…建設業界は現場経験が重要な業界。そのため、高卒で早いうちから働くことで、周りよりも早く経験とスキルを身につけることができます。
飲食業界…飲食業界はふぐの調理など一部例外を除いて調理師免許を持っていなくても調理やお客様への提供をすることができます。
運送業界…運送業界はネットショッピングの普及により、配達のドライバーの需要が非常に高い業界。中型・大型自動車免許が必要になりますが、高卒入社時には免許を持っていなくても大丈夫なケースがほとんどです。
アパレル業界…アパレル業界は接客サービス・販売業の1つで、「おしゃれが好き」「人と話すのが好き」という人におすすめの業界です。

上記の他にも、スポーツ施設や観光業など、地域によっても高卒で就職しやすい業界は変わるので、高校の先生に相談したり、インターネットで検索してみてください!

2-2.高卒の就職先におすすめな職種

 高卒の就職先におすすめな職種は、主に「接客」「製造」「販売」の3つに分類されることが多いです。

接客のお仕事…飲食店やホテル、観光地などのサービス業でお客様の接客・案内をするお仕事です。
販売のお仕事…スーパーなどのお店やアパレルショップ、スポーツなどの専門用品店など「モノ」を売るお仕事です。
製造のお仕事…食品工場や機械などの部品工場などで「モノ」を作るお仕事です。

他にも、ドライバーや農家・漁師といった第一次産業も高卒で働く人が多い職種となります。

3.高卒就職のデメリット紹介 – 初任給や生涯賃金で差が出る…?!

 次に、高卒就職のデメリットを挙げてみます。

<高卒就職のデメリット> 

①初任給・生涯賃金で専門学校卒と差が出る可能性が高い
②働くことができる職種が限られている
③学生生活(キャンパスライフ)を送ることができない

高卒就職のデメリットでまず挙げられるのは、「賃金の差」についてです。令和2年3月の新規学校卒業者の求人初任給調査結果によると、高卒と専門学校卒の平均初任給は以下の通りでした。

高卒就職の平均初任給は17万8,000円に対し、専門学校卒の平均初任給は19万5,000円ということで、高卒と専門学校卒では平均初任給に17,000円の差があるようです。大きい?意外と小さい?など感じ方は人それぞれかもしれませんね。

では次に、生涯賃金について見てみましょう。

高卒の生涯賃金は、男性2億600万円、女性1億4,960万円に対し、専門学校卒の生涯賃金は男性2億960万円、女性1億7,250万円でした。つまり、高卒と専門学校卒の生涯賃金は、男性で360万円、女性はなんと2,290万円もの差があることがわかります。もちろんこの数値はあくまでも統計データを元に算出されているので、高卒であっても個人の力量次第では専門学校卒あるいは大卒よりも多くの生涯賃金を得ている人も中にはいるでしょう。しかし、統計上これだけ差があるというのは、高卒就職の大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。

その他、高卒就職のデメリットとしては、「働くことができる職種が限られる」ということも挙げられます。例えば、教員や弁護士、医師など医療関係の仕事は、高卒では免許を取得できないことがあります。また、専門学校を卒業して専門的な資格を持っていることが条件の求人もあり、高卒就職の場合はそうした求人に応募をすることができません。

また、高卒で就職をすると、「学生生活(キャンパスライフ)を送ることができない」というのも、人によってはデメリットを感じるかもしれません。同じ高校を卒業した友人は専門学校で楽しいキャンパスライフを送っているけれど、自分は仕事が忙しくて遊ぶ暇もない…そんな状況になるかもしれないことも、高卒就職の場合は覚悟をしておく必要がありそうですね。

4.専門学校進学のメリット紹介 – 将来の選択肢が一気に増える!

 次に、専門学校進学のメリットを考えてみましょう。

<専門学校進学のメリット>

①初任給・生涯賃金が高卒よりも増える可能性が高い
②就職先の選択肢が増える
③自分の将来についてゆっくりと考える時間ができる
④今しかできない学生生活(キャンパスライフ)を送ることができる

専門学校進学のメリットは、高卒就職のデメリットと対になる内容が中心ですね。まずはやはり、初任給や生涯賃金に差がでる可能性が高いという点でしょう。前述の通りですが、平均初任給だと17,000円の差があり、生涯賃金は男性で360万円、女性はなんと2,290万円もの差が統計上ではあるということです。

他にも専門学校進学の大きなメリットは、専門学校で学ぶことによって高卒就職では就けない専門的な職種に就職することができる点です。高卒の募集を行っていない求人もあるので、専門学校進学によって就職先の選択肢は増えると言えるでしょう。

スポーツの専門学校を卒業したサッカーコーチ

また、2年間ないしは3年間の専門学校生活を送ることができるというのもメリットではないでしょうか。高校在学中に自分にぴったりの就職先を見つけるのはなかなか難しいもの。専門学校で学び、そして友人たちとキャンパスライフを送りながら将来についてゆっくりと考えることができるのは、高卒就職にはない魅力だと言えるでしょう。

神戸元町こども専門学校の行事「保育発表会」

5.専門学校進学のデメリット紹介 – 進学費用がかかるのが一番のポイント

 最後に、専門学校進学のデメリットについて考えてみます。

<専門学校進学のデメリット>

①専門学校進学のための費用がかかる
②高卒就職よりも社会に出るのが遅くなる

高卒就職か、専門学校進学かで迷う人が最も多いポイントは「進学費用」なのではないでしょうか。専門学校に進学をするためには、学校にもよりますが年間100~120万円程度(分野によって150万円以上も)の学費が必要になります。その学費を支払わなければいけない専門学校進学に対して、高卒就職は就職して収入を得ることができるわけですから、金銭的には専門学校進学がデメリットに感じてしまいますよね。しかし、「専門学校進学のメリット」でも述べたように、就職時の初任給や生涯賃金は、高卒就職と比べると専門学校卒のほうが高くなる傾向があります。専門学校卒業後にしっかりと就職すれば、専門学校進学にかかった費用を賄えるくらいの収入差になる可能性もあることを忘れないでおきましょう。

専門学校進学のデメリット2点目としては、高卒就職よりも社会・現場に出ることが遅れるということが考えられます。専門学校で専門スキルを学ぶとは言え、やはり実際に就職して現場で学ぶことは大変重要です。自分が専門学校で学んでいる間に、高卒就職で働いている同年代は現場のスキルをどんどんつけていっている…ということも考えられますので注意しましょう。

6.専門学校進学がおすすめな人の特徴

 では、高卒就職より専門学校進学がおすすめな人というのはどのような人なのでしょうか。専門学校に行きたいと思う気持ちが一番ですが、次の2つに当てはまる人は専門学校にとても向いていると言えるでしょう。

6-1.就職したい業界や職種がハッキリ決まっている

まず、就職したい業界や職種がハッキリ決まっている、将来やりたいことがある人は専門学校への進学がおすすめです。

例えば、「IT業界に就職したい!」と決めている人は、スキルと経験が確実に身に付く専門学校がおすすめです。特に実習などでの現場経験は高卒や独学では難しいので、専門学校の在学中にまとめて実施すると良いでしょう。

6-2.取得したい資格がある

また、なりたい職業のために取得したい資格がある人も専門学校への進学がおすすめです。高卒ではなれない仕事というのは、大半が資格が必要なお仕事です。

例えば、美容師といった国家資格は専門学校で決められたカリキュラムを受けて、国家試験に合格する必要があります。

中には、保育士のように専門学校を卒業すれば、国家試験を受験しなくても卒業と同時に資格を得られることもあります。

 以上、高卒就職と専門学校進学の割合、それぞれのメリット・デメリットについて紹介しました。全体を通してみると、専門学校進学のほうがメリットが多くデメリットは少ないと言えます。そして、その専門学校進学のデメリットで特に大きいのが「進学費用の負担」になりますが、これについては、学校や行政のさまざまな団体が学費負担をサポートする仕組みがあります。

特待生制度、奨学金制度など、進学費用のサポート制度について詳しく解説した記事はこちら→【専門学校にお得に通う方法とは!?】専門学生のための学費サポート制度をご紹介! 

高卒就職か専門学校進学かで迷っていて、学費の支払いがネックになっている人は是非、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。


【関連記事】

【人気記事ランキング1位】オープンキャンパスに初めて参加する方必見!

オープンキャンパスで実際に使える質問集を見てみよう!

↓↓↓


専門学校・独学・通信講座で迷っている方におすすめ!

↓↓↓

専門学校の学費について詳しく知りたい方はこちら!

↓↓↓


専門学校への進学を考えている方へ !
⇩⇩⇩