ブライダルフラワーコーディネーターの仕事内容
ブライダルフラワーコーディネーターは、結婚式に関わる花全般を演出し、式典を華やかに彩る専門職です。
装花の制作
ブライダルフラワーコーディネーターは、メインテーブルやゲストテーブルなどを彩る装花を制作します。新郎新婦のイメージや結婚式のテーマを花で表現し、会場全体に統一感のある華やかな空間をつくり上げる仕事です。
式場の装飾
挙式が行われるチャペルや披露宴会場全体の飾り付けも仕事のひとつです。バージンロードの周辺や、ウエルカムボードの周辺など、新郎新婦やゲストが目にするあらゆる場所を花で演出します。限られた設営時間内で、安全に配慮しながら正確かつ迅速に花を配置し、会場全体の空間を統一されたテーマで美しく創り上げます。
ブーケの制作
花嫁が手にするウェディングブーケや、新郎の胸元を飾るブートニアを制作します。ウェディングドレスのシルエットやデザイン、素材、そして花嫁の身長や雰囲気に合わせて最適な形を考案するのが仕事です。
新郎新婦との打ち合わせ
新郎新婦の希望や結婚式のテーマ、予算などをヒアリングし、会場の雰囲気や衣装とのバランスを考えながら装花やブーケを提案します。打ち合わせを重ねてイメージをすり合わせ、一人ひとりの理想に合ったフラワーコーディネートを形にしていく仕事です。
花材の発注や管理
打ち合わせで決定した内容に合わせて、市場や卸業者へ必要な花材を発注します。結婚式の当日に最も美しい状態で開花するように、入荷した花の温度調整や水揚げといった品質管理を徹底します。欠陥や過不足がないよう厳密に検品を行い、万全の状態で本番に備えることが大切です。
ブライダルフラワーコーディネーターの勤務先と勤務形態
ブライダルフラワーコーディネーターのおもな勤務先は、ホテルや結婚式場内のフラワーショップ、婚礼専門の装飾を手がけるプロデュース会社などです。正社員や契約社員など、多様な雇用形態が存在します。
平日は打ち合わせや事務作業、花材の発注や仕込みを行い、土曜日・日曜日・祝日は挙式や披露宴に合わせて会場設営や装花の制作、撤去作業などを担当します。結婚式のスケジュールに合わせて、メリハリをつけて働くことが多い仕事です。
ブライダルフラワーコーディネーターの年収
「ブライダルフラワーコーディネーター」単独での政府公式統計データはありませんが、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)における類似職種「フラワーデザイナー」の平均年収は539.6万円となっています。そのため、ブライダルフラワーコーディネーターとして働く場合も、年収500万円前後を目指せる可能性があります。
入社直後は比較的低い水準からスタートするケースもありますが、勤務先の規模や経験、役職などによって年収は変動します。また、デザイン力や提案力を磨いて実績を積むことで、昇給や役職への昇進につながる可能性があります。
ブライダルフラワーコーディネーターになる代表的な4つのルート
ブライダルフラワーコーディネーターとして働くためには、おもに4つのルートがあります。
1. 専門学校に通う
ブライダルやフラワーデザインの専門学校へ進学し、専門知識と技術を体系的に学ぶ方法です。授業では花の基礎知識からブーケの制作技術、さらには結婚式全体の流れやマナー、新郎新婦との打ち合わせ技法まで幅広く習得できます。多くの学校が業界企業と連携したインターンシップを実施しているため、在学中から実際の現場を体験できる点が強みです。
卒業後の就職支援制度も手厚く、フラワーショップや結婚式場への確実な就職を目指す上で最も近道となるルートです。
2. 園芸系や芸術系の大学に通う
園芸学や農学系の学部、あるいは芸術・デザイン系の大学に進学して知識を深めるルートです。園芸系の大学では、植物の生態や栽培方法、品質管理といった科学的な基礎知識を深く学べます。一方、芸術系の大学では、空間デザインや色彩構成、造形理論など、演出に不可欠な高い美意識とクリエイティブな表現力を養うことが可能です。
専門学校に比べて在学期間が4年と長いため、豊かな教養を身に付けながら、より広い視野で花の演出や空間デザインを追求できます。
3. スクールや通信講座で学ぶ
一般企業での勤務や他業種での仕事を続けながら、民間のフラワースクールや通信講座を利用して技術を習得するという方法もあります。土曜日や日曜日、夜間の時間を活用して自分のペースで学習を進められます。基礎的なフラワーアレンジメントの手法や、資格取得に向けた専門カリキュラムが充実している点が特徴です。
必要な技術を集中的に学び、民間資格などを取得した上で、未経験者向けの求人を募集しているフラワーショップや式場への転職を目指します。
4. 現場で経験を積む
未経験から直接フラワーショップや結婚式場に就職し、実務を通じて技術を磨くのも選択肢のひとつです。最初は花材の水揚げや店舗の掃除、配達、片付けといったアシスタント業務からスタートします。
日々の業務を通じて先輩スタッフの指導を受けながら経験を積み、徐々にアレンジメントの制作や会場への搬入作業なども担当します。実際の現場で知識や技術を身につけながら、着実にスキルアップを目指せる方法です。
ブライダルフラワーコーディネーターを目指す人におすすめの資格
ここからは、ブライダルフラワーコーディネーターとして働く上で役立つ資格を紹介します。
フラワー装飾技能士
生花をおもに使用した装飾の技術を証明する、日本で唯一の国家資格です。3級から1級までの区分が存在し、生け込みや花束、ブーケの制作といった実技試験と、学科試験が課されます。
ブライダルフラワーコーディネーター検定
ブライダル専門のフラワー装飾に特化した民間資格です。婚礼に関する基礎知識や接客マナー、新郎新婦の要望を形にするためのヒアリング力や空間提案の技術力、実践的な演出力などが問われます。
フラワーデザイナー
日本フラワーデザイナー協会(NFD)が実施する民間資格です。1級から3級までの段階があり、デザインの基礎理論から高度な造形技術までを体系的に学べます。ブライダルに限らず、花の表現力や構成力を根本から高めたい場合に適しています。
色彩検定
色彩に関する基礎知識や配色理論を学ぶための検定です。新郎新婦の衣装や会場の照明、雰囲気に合わせて適切な色の組み合わせを提案する際に、この知識が直接役立ちます。視覚的な美しさを理論的に説明し、説得力のある空間演出を行うための強みとなります。
ブライダルフラワーコーディネーターに向いている人の特徴
ブライダルフラワーコーディネーターには、次のような人が向いています。
花や植物が好き
装花の仕事は、日頃から花や植物に関心があり、それらに触れることに喜びを感じられる人に向いています。日々大量の生花を扱い、水揚げや選別といった細かな手入れを根気強く行う必要があるため、植物に対する深い愛情が日々の業務を支える原動力となります。
クリエイティブ力がある
ブライダルフラワーコーディネーターには、新郎新婦が思い描く理想の空間を具現化するための表現力が求められます。流行のウェディングスタイルや色彩のトレンドに常にアンテナを張り、独自のアイデアや構成力を磨き続ける姿勢が必要です。既存の型にとらわれず、空間全体を魅力的に演出する創造力を発揮できる人に適しています。
コミュニケーション能力がある
ブライダルフラワーコーディネーターには、新郎新婦の抽象的なイメージや細かな要望を正確に汲み取るための高い傾聴力が不可欠です。また、結婚式はウェディングプランナーや会場スタッフなど、多くの専門職と連携して創り上げるため、周囲と円滑に意思疎通を図る連携力も求められます。
手先が器用で細かい作業が苦ではない
ウェディングブーケの制作や会場装飾では、ワイヤーを花に巻き付ける作業や、小さな花びらの位置をミリ単位で微調整する高度な技術が求められます。花材を傷つけないように優しく、かつ迅速に扱う繊細さが必要です。地道な手作業を根気強く、正確に継続できる職人気質を持つ人に適しています。
ブライダルフラワーコーディネーターの将来性
近年、結婚式のスタイルは多様化しており、新郎新婦の個性を重視したオリジナルウェディングの需要が高まっています。それに伴い、会場の空間演出や花材の選定において、より高度な提案力と専門知識を持つ人材が求められるようになりました。
ただ花をきれいに飾るだけでなく、新郎新婦の想いやストーリーを空間全体で表現できるコーディネーターは、今後も高いニーズを持ち続けるでしょう。
まとめ
ブライダルフラワーコーディネーターは、花を通して結婚式という特別な一日を演出する仕事です。装花やブーケの制作だけでなく、新郎新婦との打ち合わせや空間全体のコーディネートなど幅広い業務を担います。専門学校や大学で学ぶほか、現場で経験を積むなど、自分に合った方法で目指すことが可能です。
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