
パティシエの仕事内容についてわかる!必要な資格ややりがい、気になる給料など詳しく解説
1.パティシエとは
パティシエとは、ケーキやタルト、ゼリー、ムース、アイスクリーム、チョコレート、クッキーなど洋菓子を作る職人のことを指します。フランス語が語源ですが、日本のパティシエは世界的に非常にレベルが高いと言われています。本場フランスでは国家資格が定められ、医師と同じくらい社会的地位のある仕事として認められています。日本にパティシエの国家資格はありませんが、スイーツの美味しさ、見た目の美しさから、女の子の「将来なりたい職業ランキング」では常に上位に上がる、人気の仕事でもあります。
しかし実際は小麦粉や砂糖といった重い食材を扱い、生地作りでは長時間材料をかき混ぜるなど、表からは見えない力仕事が多いのも事実です。
2.パティシエの仕事内容
洋菓子店(パティスリー)やレストラン、カフェ、ホテル、婚礼会場などさまざまな場所でパティシエが活躍しています。その場所によって仕事の内容も変わります。例えば洋菓子店では持ち運べるサイズのケーキを中心にお菓子作りを行います。旬の食材を使った新商品の開発や、クリスマスなどの季節に合わせた限定商品の考案、時には接客をこなすことも大切な仕事の一つです。レストランやカフェで働くパティシエは、店内で提供されるデザートを作ります。その場で召し上がっていただくからこそ可能となる繊細な盛り付けで、お客様に楽しんで頂くことができます。ホテルや婚礼会場で働くパティシエは、そこで開催される結婚式などのイベントにマッチしたお菓子を作ることが求められます。時には数百人単位のお客様にお出しするスイーツを作ったり、大きなウェディングケーキを作ることもあります。そのため、効率的にお菓子を作るスキルや、スタッフをマネジメントするスキルが求められるでしょう。
3.パティシエの一日の流れ
勤務先によって仕事内容が異なりますが、ここでは洋菓子店で活躍するパティシエを一例に1日の流れを見ていきましょう。
開店時間に合わせて洋菓子を作る為、朝の6時ごろから洋菓子作りがスタートします。ショートケーキやフルーツタルトなど、賞味期限が短い洋菓子は当日作るのが基本です。クリスマスやハロウィンといった繁忙期は準備する洋菓子の数を増やすためにより早く出勤することもあります。
10時〜11時頃にお店を開け、その後は店頭での売れ行きに応じ、追加で洋菓子を作っていきます。店頭に立ち、お客様と直接コミュニケーションを取ることも大切な仕事です。心を込めて作った洋菓子を褒めていただければやりがいになりますし、「こんなスイーツも食べてみたい」といったリクエストを頂ければ次の商品開発のヒントになるかもしれません。
19時〜20時頃に閉店します。その後は翌日に店頭に並べる洋菓子の仕込み、店舗の清掃、道具の片付けを行なって退勤となります。
4.パティシエになるには
パティシエになるために必要な資格はありません。しかし製菓学校や料理学校をはじめとする専門学校や短大など、学校で基本的な知識と技術を身につけてからパティシエとして働き始める人が多いようです。その理由としては、調理を体系立てて学ぶことができるという点が大きいでしょう。勘に頼るのではなく、理論に裏付けられた基礎を持つことで、働き始めてからもパティシエとして成長し続けることができるのです。
5.パティシエの給料・年収
平均の年収は340万円程度です(厚生労働省発表資料より)。勤務時間や体力的な負担からするとあまり高くはない、と感じる人もいるかもしれません。しかし、パティシエのリーダーになったり、自分でお店を開業したりすることで大きく年収を上げることも可能です。特に開業した場合は、お菓子作りに真摯に向き合い、地域のお客様に愛されるお店づくりを心がけることで、人気店へと成長させることができれば、それに応じた報酬を手に入れることも可能です。
6.パティシエに必要な資格
パティシエの業務自体に資格は必要ありませんが、一定の知識やスキルを持っていることを証明するために資格を取得する人は多いです。代表的なのが「菓子製造技能士」と「製菓衛生師」です。
菓子製造技能士
菓子製造技能士は国家資格の1つで、お菓子の製造に必要な技能の習得が目的です。和菓子と洋菓子に分かれ、それぞれ1級と2級があります。学科と実技の試験に合格することで資格取得となります。
製菓衛生士
製菓衛生師も国家資格の1つです。お菓子の製造技術だけでなく、衛生管理に必要な知識を持っていることを求められます。この資格を持っていると、自分のお店を開業する際に必要な「食品衛生責任者」に、講習無しでなることができます。
7.パティシエのやりがいと魅力
大きく分けて2つのやりがいがあります。
1つは、今までにない新しいお菓子を作れるようになるというやりがいです。自分のスキルを磨き、レパートリーを増やすことで、パティシエとして成長したことを実感できます。さらに全く新しいオリジナルレシピを開発し、お客様に驚きと感動を与えることができれば、より強いやりがいを感じることができるでしょう。
もう1つのやりがいは、お菓子を通じてお客様に喜んでいただけるというものです。洋菓子づくりを通じ、人を笑顔にし、「おいしかったよ!」「また食べたくなったので買いに来ました」などの声をいただくことは、何ものにも代えがたいやりがいになるでしょう。