
パティシエの給料・年収はどれくらい?
パティシエの給料・年収
パティシエの平均年収は340万円とされています(厚生労働省発表資料より)。年代別でみると、25~29歳の平均年収は320万円で、30~34歳になると360万円。さらに40~44歳になると390万円と上がっていきます。
この背景には、パティシエは職人であり、経験が浅いうちは下積み期間とみなされることがあると考えられます。
役職別で見ると、係長が415万円、課長が542万円、部長で654万円と、それぞれの役職で比較してもやはり全国平均よりやや低い水準となっています(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」を元に作成)。これらの平均年収はあくまでも統計データに基づいた金額ですので、所属している会社によっては大きく異なります。 例えば有名ホテルや結婚式場で活躍しているパティシエや、有名洋菓子店、パティスリーを経営するパティシエは、年齢に関わらず年収500万円を超え、中には1000万円を稼ぐ人もいます。
パティシエの初任給
パティシエの初年度の年収は250万円〜300万円くらいが一般的です(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を元に作成)。新人は下積み期間として、低めの給料で働くことが求められることもあります。さらに体力も必要な仕事でもあるため「パティシエとして成功したい」「スイーツを一生の仕事にしたい」という想いを持っている人でなければ、続けていくことは難しいでしょう。 この下積み期間では、給与だけでなく経験やプロの指導も得ることができる、という考え方ができるかどうかで、将来の成長や給与の上がり方も変わってくるはずです。
パティシエの給料アップの方法
経験を積み、技術を磨くことで給与のアップが可能です。また、パティシエのコンクールで入賞したり、どんな店舗でどのようなスイーツを作ってきたかという実績をアピールすることで、さらに給与アップを狙うこともできるでしょう。全国洋菓子技術コンテスト大会や西日本洋菓子コンテスト、トップ・オブ・パティシエ・イン・アジアなど、日本国内でも様々なコンクールが開催されています。さらに世界では、2年に1度フランスのリヨンで開催される「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」、アメリカで2年に1度開催される「ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ」など、まさに世界最高峰を決めるコンクールもあります。もちろん入賞するだけで輝かしい実績として誇ることができますし、こうしたコンクールに挑戦する過程で自分の技術を磨くことも、周囲から認められるパティシエへと成長して給与を上げるのに有効と言えるでしょう。
パティシエのやりがい
パティシエの仕事には、大きく分けて3つの魅力とやりがいがあります。 一つは、人を笑顔にできる仕事である、というやりがいです。自分の作ったお菓子で人に喜んでいただけますし、店頭に立てば間近でお客様の笑顔を見ることができます。パティシエの仕事の中には、材料をかき混ぜたり粉を運んだりといった力仕事もありますが、そんな仕事の疲れや苦労も吹き飛んで、また頑張ろうと思えるはずです。洋菓子だけじゃなく、お客様の笑顔も作っている。そんなやりがいを日々感じることができます。
2つ目にご紹介するのは、自分だけの洋菓子を作ることができる、という魅力です。大好きな洋菓子に日々触れていると、だんだん「もっと美味しく作りたい」「誰も見たことのない洋菓子でお客様を驚かせたい」という想いが強くなります。最初は既に存在するレシピ通りに作ることからスタートします。しかし経験を積み、技術と感性を磨く事で、自分の理想とする味や見た目など完成度の高い洋菓子を作ることができるようになります。さらに既存のレシピを越える工夫や自分らしさを表現するこだわりなどを積み重ねた先に、オリジナルの洋菓子を創造することができるのです。そうした菓子作りを通して自分の世界を表現することができるようになると、日々の仕事により大きなやりがいを感じられるようになるでしょう。
最後に挙げるやりがいと魅力は、自分の店を持つことができることです。店舗で働くパティシエの多くは、これまで培ってきた自分の技術や築いてきた評判を活かして自分の店を持つことを目標にしています。店舗の雰囲気、商品のラインナップ、接客スタイルなど、様々な要素を自分で決めながら理想とする洋菓子店づくりを行うことは、簡単なことではありません。しかしそれまでの苦労や悩みを乗り越え、自分らしいお店ができた時は一つの夢が叶ったという達成感を感じることができるでしょう。
自分の店を開いて経営していくことは、お菓子作りに対する情熱や努力に加えお金の知識や努力も必要になります。 お店を続けていくことは決して簡単なことではありませんが、より大きな夢や目標が生まれ、パティシエとして更なる活躍に繋がります。