日本語教師の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
保育・こどものお仕事

日本語教師の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?

 日本語教師という仕事について、仕事内容や必要な資格、給料などのポイントで解説します。国家資格ができて注目度の高まっている日本語教師という仕事について詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をご覧ください。

日本語教師とは

 日本語教師は、日本語を母語としない人々(海外からの留学生をはじめ海外出身の方々)に日本語を教える専門職です。外国語としての日本語を教えるだけでなく、日本文化や言語を広める役割を担っており、グローバルな視点で活躍できます。昨今、日本で暮らす外国人は増え続けており、日本語教師のニーズも高まっています。

日本語教師の仕事内容

 日本語教師の仕事内容は幅広く、単語や文法だけでなくその背景となる日本文化への理解をうながすことも大事な仕事の一つです。では、具体的な仕事内容について見ていきましょう。

・日本語の基礎教育:ひらがな・カタカナの読み書き、発音練習、文法の指導。

・実践的な日本語指導:日常会話やビジネス日本語のトレーニング。

・文化教育:日本の礼儀作法や行事、社会習慣についての解説。

・教材作成:授業の計画を立て、学習教材を作成。

・学習者サポート:学習進捗の確認や生活面でのアドバイス。

日本語教師になるには国家資格が必要?

 日本語教師として働くにはほとんどの場合で資格が求められます。この資格は国家資格が1種類、民間資格が3種類あり、それぞれ特徴や取得の仕方が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

3.1. 国家資格 登録日本語教員

 登録日本語教員は、2024年4月にスタートした日本語教育の国家資格です。まず日本語教員試験に合格し、登録実践研修機関での実践研修(教育実習)を修了することで取得できます。文部科学大臣に認定された「認定日本語教育機関」で教えるには、この資格が必須となります。一定の基準を満たした信頼性の高い学校で教えたい!という人であれば、取得しておくと良いでしょう。

3.2. 日本語教育能力検定試験

 日本語教育能力検定試験とは、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が実施する資格試験。日本語教育に携わるための基礎的な知識と能力を検定するものとして、多くの日本語学校が参考にしています。合格率は30%前後と難易度はやや高めなので、独学よりも専門学校に通ったりしながら取得を目指すと良いでしょう。

3.3. 大学で日本語教育を修了する

 四年制大学で日本語教育専攻を学ぶと、日本語教育に関する理論や実践、教師としての知識とスキルを体系的に習得することができます。修了すれば、その高度な知識を活かして大学などの教育機関で教師を目指すことも可能です。

3.4. 420時間日本語教師養成講座

 文化庁の認める420時間以上の日本語教育に関する講座を受講することで、取得できる資格です。この講座は、日本語の文法、発音、表記といった基礎的な知識に加え、実践的な教え方や教育実習などを通じて、日本語教師として必要なスキルを身につけることができます。なお、この講座を履修することは、外国人に留学という在留資格を与えられる日本語学校で教師になるうえで必須条件となっています。

日本語教師の就職先・活躍できる場所

4.1. 日本語学校

 日本国内外の日本語学校で、留学生や技能実習生を対象に日本語を教える仕事です。授業形態はグループレッスンや個別指導など多岐にわたります。

4.2. 公共施設

 国際交流センターや市区町村の支援施設で、地域在住の外国籍住民に日本語を指導します。地域コミュニティに密着した活動が特徴です。

4.3. 大学や専門学校

 大学や専門学校で、日本語を専門的に学ぶ学生に授業を行います。学問的なアプローチが求められることが多く、高度な教育スキルが必要です。

4.4. 海外の日本語教育機関

 海外の日本語学校や日本文化センターで、日本語や日本文化を教える仕事です。異文化交流や海外生活を経験したい方に人気の職場です。

日本語教師の給料

 給料は経験や働く場所、雇用形態によって大きく異なります。ここでは代表的な働き方や環境での平均給与をご紹介します。

・日本国内の日本語学校:非常勤講師の場合は1コマあたり1,800円~5,000円、専任講師の場合は年収350万円ほどと言われています。マネージャーなどキャリアが上がればその分給与も上がっていくでしょう。また、卓越したスキルや経験があればフリーランスとして活躍し、さらに高い収入を実現することもできます。

・海外での勤務:現地の状況に応じて年収150万円〜800万円と大きく変動します。住居手当や渡航費支給がある場合もあるため、給与のみで比較するのではなく、どの国でどのような暮らしをするのかを考えて仕事をする場所を決めるのが良いかもしれません。

日本語教師に向いている人

・日本語や日本文化に情熱がある人:言語だけでなく、日本の文化や価値観を伝えることに興味がある人は、仕事の中でやりがいを感じられるでしょう。

・人と接することが好きな人:学習者との異文化交流を楽しめるコミュニケーション力が求められます。

・柔軟性がある人:機械的に教えるのではなく、学習者の文化や背景を理解したうえで日本の文化を伝えることが重要です。多様なニーズに応えられる適応力が求められます。

日本語教師の将来性

 日本語教師の需要は、日本語学習者の増加に伴い拡大しています。特に訪日外国人の増加や、技能実習生の受け入れが進む中、日本語教育の重要性が増しています。また、オンライン日本語教育市場の成長により、自宅から指導するスタイルも広がりつつあります。さらに海外における日本語教師の需要は国内以上に高まっており、海外で働きたいという方にもピッタリです。

まとめ

 日本語教師は、日本語や日本文化を通じて国際的な架け橋となれる仕事です。重要になるのは資格取得やスキルアップですが、外国人とともに成長を実感できる魅力も持っています。将来性も高く、国境を越える仕事がしたい人に向いている仕事と言えるでしょう。