IT・Webのお仕事

ITエンジニアの仕事内容についてわかる!

ITエンジニアとは

情報技術(Information Technology)に関する技術者の総称がITエンジニアです。一口にITエンジニアと言ってもさまざまな職種があり、得意とする領域やできることが異なります。1日中パソコンと向かい合う、というイメージを持たれがちな仕事ですが、実は同僚パートナー、お客様と会話をする機会が多いという側面があります。その理由は、一人のITエンジニアが担う領域が細かく分かれており、他の領域を担うエンジニアとコミュニケーションを取ることが求められるからです。また、どんなシステムを作るのかなどを正確に把握するために、お客様と何度も打ち合わせを行なうこともあります。パソコンに興味を持ってさえいれば、実はコミュニケーション力が活かせる仕事でもあるのです。


ITエンジニアの仕事内容

ITエンジニアはプログラマーやWebエンジニア、システムエンジニアなど様々な領域のエンジニアをひとくくりにしていますが、その多くはコンピューターを動かすためのシステムを設計するのが主な仕事です。ここでは、システム開発の過程を仕事内容の一例として挙げてみます。

まず、システムエンジニアがお客様の解決したい困りごとを詳しく聞くことからはじめます。どのようなシステムを作れば困りごとが解消できるのかを考え、システムの全体像を描きます。より詳細な内容を検討したら、プログラムを書くための設計図へと落とし込みます。ここからはプログラマーの仕事。設計図を元にプログラミングを進めて、システムを作っていきます。プログラミングが完了したら設計通りに動くかテストを行い、問題が無ければお客様に納品します。納品して終わりではありません。システムがちゃんと動き続けられるように運用・保守を行なう専門のエンジニアもいます。

他にも、システムの基盤を支えるインフラエンジニアやサーバーエンジニアなどさまざまなエンジニアがおり、その全てがIT社会を支える大切な存在と言えます。


ITエンジニアの一日の流れ

エンジニアの種類や所属する組織などで大きく働き方は変わります。自分で働く時間を決めるフリーランスという働き方を選んだエンジニアもいます。ここでは、仕事内容の項目と同じように、システム開発を行なうITエンジニアに焦点を当てて、1日の流れをご紹介します。

朝9時に出社したら、まずはメールをチェックして1日のスケジュールを立てます。お客様からの問い合わせが来ていたらすぐに対応を行い、その後、進行中の開発プロジェクトについてチームメンバーと打ち合わせをします。打ち合わせでは進捗や問題が起こっていないかなどの確認を入念にして、トラブルの芽を確実に摘んでおくことを意識します。打ち合わせが終われば、システムのプログラミングに必要な仕様書の作成に着手していきます。お昼休憩を挟んで仕様書作成が一段落したら、午後はお客様先に訪問し、新しい開発プロジェクトの打ち合わせを行います。会社に戻った15時からは提案書の作成や仕様書のチェックなどを行い、18時に帰宅となります。

一昔前はエンジニアは激務、というイメージがありました。しかし近年は労働環境が大きく改善されています。在宅勤務や男性の育児休暇など、いち早く働き方改革に着手した企業も多く、ワークライフバランスを大切にしたい人にぴったりの仕事と言えます。


ITエンジニアの職場

社会に役立つシステムやアプリを開発しているのがシステム開発会社やソフト開発会社です。その中で具体的なシステムを設計し、作り上げるのがエンジニアの役割です。それだけでなく、一般企業のIT部門などITエンジニアの活躍の場は多く用意されています。例えば一般企業のIT部門では、「社内SE(システムエンジニア)」と呼ばれるエンジニアが、従業員が使うシステムの作成から使用中のエラーの解消などを行なったり、パソコンやネットワークの管理を行ったりします。開発とは少し違う領域にはなりますが、身近な人に貢献できるエンジニアとして活躍できます。


ITエンジニアになるには

情報系の大学や専門学校に進学する、IT専門スクールに通う、または独学などさまざまな方法があります。また、書籍やインターネットやオンライン学習教材を使って技術を学ぶことも可能です。

ITエンジニアとしての仕事をこなすためにはプログラミング言語、システムに関する専門的な知識を身に付ける必要があります。ニーズが高い言語には次のようなものがありますが、自分が携わりたい職種や業種などでニーズの高い言語を選ぶことが大切です。

・JavaScript、HTML:Webサイトの制作やWebアプリ開発によく使われる言語

・Java:スマホアプリの開発によく使用される言語

・PHP:Web系のサービス開発・ゲーム開発を中心に使用される言語

・Ruby:主にWebアプリの開発に使われる言語。

未経験の場合は習得しやすいHTMLやJavaScriptの学習をした後、Java、PHP、Rubyなどを学習すると良いでしょう。


ITエンジニアの給料・年収

ITエンジニアの平均年収は約452万円です。細かく見ていくと、プログラマーが417万円、システムエンジニアが455万円、プロジェクトマネージャー664万円、ITコンサルタント584万円となっており、上流の職種になるにつれて平均年収も高くなります。


ITエンジニアに必要な資格

ITエンジニアを名乗るうえで必須の資格はありません。しかし「持っていて当たり前」な資格や「持っているとより高い報酬が見込める」資格などがあります。「基本情報技術者試験」はシステムエンジニアに必須とされている資格です。「応用情報技術者試験」基本情報技術者試験のワンランク上に位置している資格です。「情報セキュリティマネジメント試験」は、ITのセキュリティの知識や技術を証明するための資格とされています。「Oracle認定Javaプログラマ」は、Javaに関する資格のなかでは最も有名な資格です。「Cisco技術者認定」は、ネットワークの設計や運用、関連技術などの能力を証明する資格です。どんなエンジニアとして働くかによって、役立つ資格は異なります。自分にあった資格の取得を目指して勉強を進めるのが良いでしょう。


ITエンジニアのやりがいと魅力

自分の関わったシステムでお客様が喜んでくれたときにやりがいを感じられるのがITエンジニアの共通のやりがいです。もちろん、多くの人や社会に貢献できるシステムやソフトウェアを作って反響があると、より大きなやりがいが得られます。また、数人で協力して開発を進めることもあります。システムが完成した時は、チーム全体で達成感を味わうこともできるはずです。

また、仕事の中でAI技術や最新のプログラミング言語などに触れて専門スキルを身につけられることや、スキルアップに応じて収入アップや外資系企業への挑戦ができたりと様々な魅力があります。


ITエンジニアに向いている人とは?

ITに関する技術が好きなこと、集中して行なう作業が好きなこと、そしてコミュニケーションが得意であることが向いている人の特徴として挙げられます。

文系でも優秀なITエンジニアとして活躍されている方も多くいます。そして、ITに苦手意識があっても業界知識を身に付けたり、基礎スキルを身につけることで、ITエンジニアとして働くチャンスを作れます。自分の技術で稼ぎたい、という想いを持っている人にピッタリの仕事と言えるでしょう。


ITエンジニアの種類

プログラマー…設計書を元にプログラミングを行なうエンジニアです。

システムエンジニア…システム開発の上流工程に該当する要件定義、外部設計、内部設計などを担当するエンジニアです。

ネットワークエンジニア…IT技術の根幹とも言える、ネットワークの設計、運用を担当するエンジニアです。

サーバーエンジニア…Webサーバーやメールサーバーなどの設計や運用を担うエンジニアです。

ソフトウェアエンジニア…スマホやパソコンのアプリや、家電や自動車を制御するシステムといったさまざまなソフトウェアを開発するエンジニアです。

Webエンジニア…YouTubeやAmazonなど、Web上で動くシステムやサービスを開発する職種です。さらに「フロントエンドエンジニア」と「サーバーサイドエンジニア」の2つに分けられます。

フロントエンドエンジニア…システムやソフトウェアのインターフェース(見た目)を開発するエンジニアです。

サーバーサイドエンジニア…システムやソフトウェアを動かす仕組みを開発するエンジニアです。

セキュリティエンジニア…近年増加しているサイバー攻撃から、大切なシステムやデータを守るために必要なセキュリティ対策を行なうエンジニアです。

AIエンジニア…AI(人工知能)技術を用いて、データの解析をしたり、自動運転などの全く新しい価値を創造します。

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