高校教師の仕事内容についてわかる!残業や年収、向いている人は?
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高校教師の仕事内容についてわかる!残業や年収、向いている人は?

高校教師は、中学校までの義務教育を終えた人に対し、さらに専門的な教育や指導を行う職業です。

本記事では、高校教師という職業の詳しい仕事内容や、仕事に就くために必要な免許などを解説します。年収や勤務形態、やりがいについても紹介するため、将来、高校教師になりたいと考えている方は、こちらをお読みください。

高校教師とは

高校教師は、義務教育を終えた生徒のために、さらに高度な教育を与えたり、就職のためのサポートをしたりする仕事です。

高校教師は、それぞれの担当教科を専門的に教えることになるため、小学教師や中学教師とは根本的な教育内容が異なります。

小学教師や中学教師の主な仕事は、基礎的な知識やスキルなど、生徒自身の基盤を固めていくことです。

そして高校教師は、中学校までに培われた生徒の力をもとに、さらに専門性の高い内容を教えていきます。

多くの場合は、中学校までとは異なり高校には入学試験があるため、生徒の学力に大きな差がない環境で授業できるという点も、高校教師の大きなメリットと言えるでしょう。

高校教師の仕事内容

高校教師の主な仕事は、それぞれの担当教科を生徒に教えることですが、通常の授業以外では、学校運営や生活指導などにも携わっています。

ここでは、高校教師が行う学校業務を詳しく解説します。高校教師の仕事について、全体像をつかむための参考にしてください。

学習指導

学習指導には、日々の授業の指導スケジュールの計画や実施、テストやプリントの作成、生徒への進路指導などがあります。

その他にも、進路指導として、就職希望者への模擬面接や企業の分析方法を指導したり、進学希望者へ小論文指導や個別面談を行ったりします。

生活指導

学校の生活指導では、家庭外の環境での言葉遣いや身だしなみ、挨拶など、社会生活を送るために必要な指導を行います。

その中で、生徒たちは集団生活の場におけるルールや他者とのコミュニケーションを学び、協調性や思いやりを身に付けていきます。

また、生徒に問題行動があった場合に対応し、解決に導くのも、生活指導の一環です。生徒に向き合うことで、どのような行動をとればよかったかなど、生徒が自発的に考え、行動できるよう促します。

学校運営に関わる仕事

毎日の打ち合わせや職員会議をはじめ、さまざまな学校行事の企画や運営などを職員同士で分担しながら行うのも、高校教師の仕事です。

また、学校運営が円滑に行えるように、教師が保護者の方や地域の方々の意見や苦情を吸い上げ、解決に導くこともあります。

高校教師になるには免許が必要

学校教員として働くためには、教員免許を取得し、教員として採用される必要があります。

教員免許は、大きく「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の3種類に分けられますが、この中で、教員採用試験を受けるために必要なのは「普通免許状」です。

私立高校に勤務するには、教員免許を保有した上で各学校の採用試験(面接など)を受ける必要があります。

公立高校に勤務するための教員採用試験を受ける場合は、「高等学校教諭一種免許状」または「高等学校教諭専修免許状」を保持していることが求められるため、これらの免許が取得できる進路を選びましょう。

なお、「高等学校教諭一種免許状」が4年生大学卒業相当、「高等学校教諭専修免許状」が大学院修了相当という区分はありますが、指導可能な範囲は変わりません。

高校教師の年収

高校教師の給与は、年功序列制です。そのため、基本的に年齢が上がるほど収入は増えていくと言えるでしょう。

厚生労働省の調査によると、高校教師の平均年収(中央値に当たる40代の場合)は約700万円とされています。

その他、校長や教頭といった管理職や職務の熟練度などによっても、年収は増えていきます。

私立の高校教師の年収については、公立を参考にして決められるため、基本的に大きな違いはありませんが、一部公立より年収をかなり高く設定している学校もあります。

高校教師の残業

高校の終業時間については、17時を定時としている学校がほとんどですが、必ずしもその時間に帰れるとは限りません。

授業自体の終了が16時頃で、そのあとに部活動の指導や翌日の準備を行うため、人によっては毎日約3~4時間の残業が発生することもあるでしょう。

また、試験前などは準備もあるため、残業時間は増える傾向があります。

高校教師の休日と有給

公立の高校教師の休日は、原則として土日、祝日、年末年始です。

一方、私立の高校教師は、土曜日も学校自体があることが多いため、月曜日~土曜日のどこかで休みを取ることになります。公立・私立ともに、部活動が盛んな学校は土日に練習や試合があり、高校教師も状況に応じて出勤する必要があります。

有給休暇については、年間約20日間取れますが、授業スケジュールなどの兼ね合いで取りにくいのが実情です。

そのため、長期休みといった授業がない日を狙って、有給休暇を取る教員も多く見られます。

高校教師のやりがい

高校教師のやりがいは、将来に向けて頑張る生徒の成長を近くで見届けられることです。

教師の本分は学問を教えることなので、自分の指導によって生徒たちの学力が向上すれば、教師としての自信が深まります。

また、将来を左右する進路の選択で、自分がしたアドバイスをもとに、生徒がしっかりと結果を出せたときは、さらに大きなやりがいを感じられるでしょう。

ただし、これらのやりがいは、自分に合う勤務環境があってこそ得られるものです。公立校、私立校それぞれにメリットがあるため、仕事をするにあたって自分が重視したいポイントを確認しておきましょう。

たとえば、公立高校の教師には地方公務員としての安定感と、福利厚生の手厚さといった魅力があります。また、数年ごとに異動があるため、さまざまな教師や生徒との交流を持てる点は、公立ならではのメリットと言えるでしょう。

私立高校のメリットは、異動がないことです。職場の環境が変わらないため、教師は落ち着いて自分の仕事や研究に集中することができます。

また、公立高校とは異なり、残業や休日出勤をはじめ、学校に関する業務に対する手当がきちんと支払われる点も、私立高校の大きなメリットでしょう。

高校教師に向いている人

高校教師に向いている人は、プレッシャーやストレスに耐えられる強い精神力があり、責任感を持って生徒一人一人をしっかりと見ることができる人です。

教師の仕事では、受け持ちのクラス内でトラブルが起こったり、授業や指導が上手くいかなかったり、学校外から苦情を受けたりすることもあります。

そのような場合に、トラブルを解決し、生徒の成長のために行動できる力がある人は、高校教師に向いていると言えるでしょう。

高校教師の将来性

現代の日本では少子化が進んでいるため、特に地方では生徒数が減少しています。しかしながら、教師のなり手が不足しているため採用されやすく、教師の需要は高まっていると言えます。

また、高校教師の仕事はAIで代替できない部分が多く、大きく仕事内容が変化することはないでしょう。

まとめ

高校教師は、日本の将来を支える生徒を導く必要不可欠な仕事です。

少子化は進んでいるものの、教師のなり手自体が少ないため、高校教師は今後も求められることが予想されます。

強いプレッシャーや責任はありますが、生徒たちの成長を傍で見届けられる高校教師は、やりがいのある仕事と言えるでしょう。


※卒業後2年間のスクーリングが必要となります。