
フィットネスインストラクターに資格は必要?
フィットネスインストラクターの資格
企業によっては従業員に取得を推奨している場合もある「フィットネスクラブ・マネジメント技能検定」は、日本フィットネス産業協会が認定する、フィットネスクラブをマネジメントするための資格です。資格には1~3級まであり、学科試験と実技試験、両方とも受ける必要があります。合格基準は、1級が満点の65%以上の正答率で合格となり、2級と3級が満点の60%以上の正答率で合格です。歴史は浅いですが、国家資格に認定されているので、今後この資格がスタンダードなものになる可能性は十分にあるでしょう(出典:厚生労働大臣指定試験機関「一般社団法人 日本フィットネス産業協会」を元に作成)。
スポーツをする人の安全と安心を確保し、パフォーマンスの回復や向上を支援するアスレティックトレーナーに関する「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」という資格もあります。誰でも資格試験を受けられるわけではなく、スポーツ現場での実績を踏まえて都道府県体育協会やスポーツ協会、中央競技団体などから推薦された人が講習を受講することができます。検定試験は知識確認テストや実技確認テスト、理論試験、面談です。「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」の資格は、トレーナー資格の中で唯一、文部科学大臣事業認定資格です。アスレティックトレーナーの知識は、スポーツ選手だけでなく一般の方や高齢者の運動指導にも活用することができます。日本の高齢化はこれからも進むと予想されるので、ますます有資格者の活躍の場は広がっていくでしょう(出典:公益財団法人 日本スポーツ協会を元に作成)。
その他にも、運動だけではなく栄養に関する知識を問われる「健康運動実践指導者」や、マンツーマンでエクササイズ指導を行う人におすすめの「NSCA認定パーソナルトレーナー」、運動プログラムの作成やトレーニング指導に関する専門知識を認定する「JATI認定トレーニング指導者資格」などが、フィットネスインストラクターの資格として挙げられます。
フィットネスインストラクターに向いている人
運動が好き、運動が得意という人がフィットネスインストラクターに向いている人といえるしょう。スポーツ経験がある人や体力や運動能力に自信がある人が目指すことの多い仕事ですが、それ以上に大切なことは、運動が持つ楽しさを自分自身の実体験を通して理解していることです。競技者としての高い能力や実績が必ずしも求められるわけではありません。もう一つ大切なことが、フィットネスインストラクターとして、相手の立場を考慮しながら粘り強く教えることです。相手を元気にし、モチベーションを上げさせなければならないので、疲れている時や辛い時でも、明るく声をかけ、集中して気持ちよく運動してもらうことを心がけなくてはいけません。
フィットネスインストラクターの仕事内容
スポーツを楽しく、安全に続けられるようにトレーニング指導を行うことが主な仕事内容です。トレーニングマシンの使い方について、正しい理論にもとづいてアドバイスすることなどが求められます。フィットネスをする方の年齢層は幅広く、その目的はダイエットや健康増進、肉体改造などさまざまです。その目的に合わせて、トレーニングメニューの作成や提案を行うのも仕事の一つです。またエアロビクスやダンス、ヨガ、リラクゼーション、水泳などのクラスを講師として受け持つこともあります。その他にも、トレーニングマシンの点検や清掃などが挙げられます。また、フィットネスクラブに籍を置く正社員として経験を積んでいくと、利用者を定着させ安定したクラブの運営をするためのマネジメント力も求められるでしょう。
フィットネスインストラクターになるには
大学のスポーツ系や健康系の学部、専門学校のインストラクター科やスポーツトレーナー科などで、身体や運動に関する知識を学んでから卒業後、フィットネスクラブなどに就職してフィットネスインストラクター業務を始めるというケースが多いようです。学生時代に運動に関する専門的な教育を受けていなくても、フィットネスインストラクターになることは可能です。また、短期の養成スクールを修了しライセンスを取得するという方法もあります。フィットネスクラブによっては未経験歓迎の求人を出しているところもあります。そうした環境で研修を受け、働きながらフィットネスインストラクターになるのも方法の一つです。
昨今、健康志向が高まり、ダイエット方法やトレーニング方法が研究され、新しいものに変わってきています。フィットネスインストラクターになることがゴールではなく、日々勉強して新しい知識を増やしていくことが大切です。