歯科衛生士
医療・歯科・看護・介護のお仕事

歯科衛生士

歯科クリニックで医師のサポートをする歯科衛生士は、地域の人々の歯の健康を守るために無くてはならない仕事です。歯科衛生士になる方法や歯科助手との違い、活躍の場などを詳しく見ていきましょう。

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歯科衛生士の仕事内容

歯科予防処置

歯科衛生士は、むし歯や歯周病の予防を目的に専門的な処置を行います。具体的には、フッ化物塗布やシーラントの適用、機械的歯面清掃(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)などがあります。これらの処置を通じて、口腔内の健康を維持し、むし歯や歯周病の発生・進行を防ぐ役割を担っています。予防処置は患者さんの人生を守る重要な仕事です。

歯科保健指導

歯科衛生士は、患者に対して個別の歯科保健指導を行います。ブラッシング方法やデンタルフロスの使い方、食生活のアドバイスなどを通じて、患者自身が日常生活で適切な口腔ケアを実践できるよう支援します。特に小児から高齢者まで、各年齢層に応じた指導を行い、摂食・嚥下機能の訓練も含まれます。これにより、生活習慣病としてのむし歯や歯周病を予防します。

歯科診療補助

歯科診療補助では、歯科医師の診療を支える役割を果たします。具体的には、治療器具の準備・消毒、患者の誘導、治療中のサポートなどが含まれます。診療が円滑に進むようにするため、治療プロセス全体の補助を行い、患者の安心感を高める役割も担います。歯科衛生士の専門知識と技術が、チーム医療の中で重要な位置を占めています。

歯科助手との違いとは

歯科助手は、資格が不要で、診療の補助や受付業務、器具の洗浄などを担当します。歯科衛生士は国家資格を有し、歯科予防処置、歯科保健指導、歯科診療補助の3つの専門的な業務を行います。歯科助手は直接的な治療行為を行わないため、役割と責任の範囲が異なります。歯科衛生士は、予防と指導を通じて患者の健康を総合的にサポートします。

歯科衛生士の平均給与

令和4年のデータによると、歯科衛生士の平均年収は382万円(厚生労働省調べ)です。過去15年間では、おおよそ350万円前後で推移しているようです。日本全体の平均年収が458万円(国税庁調べ)のため、平均と比較すると低くなります。組織の規模別に見ると大きな組織ほど年収が高い傾向にあり、特に1000人以上の組織では446万円と最も高くなります。年代別で年収を見ると40代でピークを迎え、その後はほぼ横ばいとなっています。また、大きな組織ほどボーナスも高い傾向にあります。

歯科衛生士になるには

国家資格の取得が必要

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。まずは高校卒業後に文部科学省指定の歯科衛生士学校や都道府県知事指定の養成所で決められたカリキュラムを履修しましょう。卒業することで国家試験の受験資格が得られます。国家試験は年1回実施され、合格率は90%以上。2021年は93.3%でした。試験に合格すると、申請を経て免許が交付されます。この資格は更新が不要で一生有効です。

歯科衛生士養成機関で3 年以上学ぶ

受験資格を得るために通う養成校には、3年制の専門学校と短期大学、4年制の大学があります。全国に170校ほど存在します。専門学校は効率的に学べ、大学は幅広い知識を得られます。どちらを選ぶかは、自分の学びたい内容や進路に応じて選びましょう。

歯科衛生士が活躍できる職場

歯科医院

歯科医院は歯科衛生士の就職先として最も多くの方に選択されています。実際、90%以上の歯科衛生士が歯科医院(デンタルクリニック)で働いています。業務内容は、歯石や歯垢の除去、歯のクリーニングなどの予防処置、歯科医師の治療補助、そして患者への口腔ケアのアドバイスや指導が含まれます。全国に6万8000以上の歯科医院があり、求人倍率も高いため、自分に合った職場を見つけやすい環境にあります。

病院の歯科・口腔外科

病院で働く歯科衛生士は、全体の約5%です。整えられた治療設備を活かせるため、一般歯科よりも幅広い患者に対応することが可能です。また、歯科以外の病気を持つ患者へのケアも行うため、幅広い病気や治療薬の知識が必要です。病院勤務は多様な経験を積めるため、歯科衛生士の就職先として人気があります。

介護福祉施設

高齢者の口腔ケアの重要性が高まる中、介護施設で働く歯科衛生士が増えています。高齢者の口の機能が低下すると、誤嚥性肺炎や栄養不足、歯周病菌の繁殖による体調悪化につながることもあります。歯科衛生士は、歯磨きや義歯(入れ歯)の洗浄、口の中の細菌の除去、乾燥した口の保湿やマッサージなどを行い、高齢者の健康を守ります。また、介護士に対して口腔ケアの方法を教えることも重要な仕事です。

まとめ

近年の調査研究で、歯と口腔の健康と全身の健康の関係が明らかになってきました。それに応じて歯科衛生士の役割にも注目が集まっています。歯と口腔の健康は「自分の歯でおいしく食べる」や「楽しく会話する」など、健康で活き活きとした生活の基本です。歯科衛生士は、その専門知識を活かして、人々のお口の健康づくりとケアで、笑顔あふれる生活をサポートするやりがいのある仕事であると言えるでしょう。

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