
児童養護施設職員の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
この記事では、「児童養護施設職員」の仕事について詳しく解説します。
この記事を読むことで、児童養護施設職員の種類や具体的な仕事内容、必要なスキルや主な就職先、年収相場がわかるでしょう。
将来、児童養護施設職員になりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
児童養護施設職員とは

「児童養護施設職員」とは、児童養護施設で働く職員の総称です。
施設では、保護者のもとで生活できない事情を抱えた子どもたちが入所し、自立できることを目指して共同生活を送っています。そして、そのサポートのために、さまざまな専門資格を持つ職員が働いています。
ですが、その中でも一般的に「児童養護施設職員」と呼ばれるのは、保護者に代わって子どもたちの生活全般を担う「保育士」と「児童指導員」のみとされています。
児童養護施設職員の種類

児童養護施設では、以下のような専門知識や資格を持つさまざまな人が働いています。
・児童指導員
・保育士
・栄養士(※40人以下の施設では、配置されない場合もある)
・調理員(※調理業務全般を委託する施設では配置しなくてもよい)
・看護師(※乳児がいる場合に配置される)
・心理療法担当職員(※ケアが必要な子どもが10人以上いる場合に配置される)
・家庭支援相談員(※定員が30名以上の施設の場合に配置される)
・里親支援相談員(※里親養育支援に積極的に取り組む児童養護施設等に配置される)
それぞれの詳しい仕事内容については、次項を参考にしてください。
児童養護施設職員の仕事内容

ここでは、子どもと接することが多い「児童指導員」と「保育士」を中心に、代表的な児童養護施設職員の仕事内容を紹介します。
児童養護施設における「児童指導員」と「保育士」の仕事は、親などの保護者に代わり、子どもの日常生活全般をサポートすることです。施設で寝泊まりすることもあるなど、子どもたちと過ごす時間が多いのが特徴で、子どもの将来的な自立を目標とした指導や支援を行ないます。
その他、代表的な児童養護施設職員には、以下のようなものがあります。仕事内容と併せて覚えておきましょう。
「心理療法担当職員」は、虐待などで傷ついた子どもの心のケアや、他の職員へのアドバイスを担当します。
「家庭支援専門相談員」や「里親支援相談員」は、子どもが施設を退所して生活するための手助けや、保護者や自治体をはじめとする関係機関との連携を担います。
児童養護施設職員になるには

ここでは、施設の日常生活をメインで行う「保育士」と「児童指導員」になるための方法を紹介します。それぞれ資格の種類が異なるため、以下の内容をしっかりと確認した上で進路を決めましょう。
国家資格である「保育士」を目指す場合は、「保育士試験」に合格することと、「指定保育士養成施設」を卒業することの2通りの方法があります。
最短のルートで保育士になりたいという人は、カリキュラムの中に実際の保育現場での学習が組み込まれている「指定保育士養成施設」へ進学するのがよいでしょう。在学中に実践的な学習ができるため、保育士試験を受けることなく、卒業後すぐに保育士として働けるようになります。
児童指導員を目指す場合は、まず「児童指導員任用資格」を取得しましょう。「任用資格」とは、特定の職種に就いた場合にのみ効力を発揮する資格です。特定の学歴や実務経験を満たすことで資格が得られるため、「児童指導員」に特化した試験を受ける必要はありません。
児童指導員になるために必要な条件は、以下の通りです。
・大学で社会学、心理学、教育学、社会福祉学を専修する学部・学科を卒業している
・教員免許または社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持っている
児童指導員任用資格を持たない場合でも、高校卒業後に2年以上、児童福祉事業で実務に携わった経験があれば、児童指導員として働くことが可能です。
ただし、公立の施設の場合、たとえ任用資格を所有していても、各自治体の公務員試験に採用しない限り、働くことはできません。
なお、上記職種以外の児童養護職員に求められる資格は次の通りです。以下に自分が志望する職種がある場合は、それぞれに必要な条件を調べておきましょう。
・栄養士(管理栄養士)・調理師・看護師:国家資格
・心理療法担当職員・母子支援員・家庭支援専門相談員・里親支援相談員:任用資格
児童養護施設職員に必要なスキル

児童養護施設職員の主な仕事は、子どもたちを取り巻く問題や課題を迅速に判断し、柔軟に対応することです。
そのため、児童養護施設職員には、専門的な知識以外にも「子どもの異変をすぐに察知できる観察力」や「相手の話を辛抱強く聞く忍耐力」、「さまざまな相手と円滑に仕事を進められるコミュニケーション能力」などが求められます。
また、児童養護施設では専門的な資格や知識を持つ職員が一緒に働くため、他の職員やスタッフと協力して物事を進められる協調性も必要不可欠なスキルと言えるでしょう。
児童養護施設職員の主な就職先

子どものケアを行う児童福祉施設は以下のようなものがあります。
・乳児院
・児童養護施設
・福祉型障がい児入所施設
・医療型障がい児入所施設
・児童家庭支援施設
・放課後デイサービス など
施設の運営母体は、国や自治体などの公立のものや一般企業が経営するもの、NPO法人が運営するものなどさまざまです。施設によって規模や仕事内容が異なり、専門的な知識が求められる場合もあります。
児童養護施設職員の年収・給料

国が公開しているデータによると、令和6年度の児童指導員(常勤)の平均給与は約31万9千円でした。また、賞与などを含んだ平均年収は約441万円とされています。
ただし、児童養護施設職員の給料は保有している資格や職歴、勤務地や施設ごとの手当などによっても異なるため、上記の金額は参考程度にとどめておきましょう。
児童養護施設職員のやりがい

児童養護施設職員は、ケアを必要とする子どもや保護者だけでなく、その家族に関わる多くの人と接する仕事です。それぞれのケースに合わせて多様な対応が求められるため、子どもの成長を感じたり、悩みを解決できたりした時には、大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、保護者と子どもがよりよい関係を築くためのサポートができるのも、児童養護施設職員のやりがいの一つです。
子どもの将来に貢献しているという気持ちは、仕事に対するモチベーションの向上にもつながるでしょう。
児童養護施設職員に向いている人

児童養護施設職員の仕事は、ケアを必要とする子どもが安心して生活できるようにサポートすることです。そのため、子どもと遊ぶことや世話を楽しめる人、成長を支えることに喜びを感じる人は、児童養護施設職員に向いています。
また、児童養護施設職員は一日の大部分を子どもと一緒に過ごすため、体力や忍耐力に自信がある人にも向いている仕事と言えるでしょう。
児童養護施設に入所する子どもは、多くの場合、何らかの事情を抱えています。その点を理解した上で、子ども一人ひとりと真剣に向き合える人であれば、児童養護施設職員として活躍できるでしょう。
まとめ

児童養護施設職員は、子どもの健やかな成長を支えるやりがいのある仕事です。子どもが好きで、社会の役に立つ仕事がしたいと考えている人は、児童養護施設で働くことを視野に入れてみましょう。
児童養護施設職員には、さまざまな職種があります。将来、児童養護施設職員の仕事に就きたいと考えている方は、本記事を参考に目指す職種を見つけてください。