
シェフの給料・年収はどれくらい?
シェフの年収・給料
シェフという言葉は、ラテン語を語源としており、その意味は頭(かしら)であるといわれています。シェフとは、料理長として料理人全体の指揮やマネジメントといった統括を行う厨房の責任者を指します。階級や勤務先によって年収に大きく差が出る職業です。経験が浅いとき、つまり下積み時代の給料は決して高いとはいえません。下積みがつらくてシェフへの道をあきらめてしまうケースも珍しいことではありません。たとえば、店に入ったからといってすぐに包丁が持てるわけではなく、雑用からコツコツと働くことになるでしょう。 調理師の平均年収は約340万円といわれています。また、勤務先の規模によって年収に差が出てきます。すべての勤務先に当てはまるわけではありませんが、1,000人以上の事業所であれば370万円前後、1,000人未満の事業所であれば320万円前後です。他の職業の平均収入と比べると低いかもしれませんが、腕前を上げてシェフとなり、高収入を得ることもできます。有名ホテルや高級店のシェフとして活躍したり、独立してオーナーシェフとなって自身の店を軌道に乗せたりすれば、年収1,000万円以上稼ぐこともできるでしょう。また、働くエリアによっても給料は変わってきます。東京都や埼玉県、神奈川県といった関東圏は給料が高く、次いで関西圏が続きます。都会のほうが平均年収は高い傾向にあります。(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を元に作成)
シェフの初任給
料理の道に進んで、いきなりシェフを任せられることはまずありません。調理師の一人、見習いとして、キャリアをスタートすることが一般的です。調理師の勤務先は高級ホテルや有名レストランから、企業が運営するチェーンの飲食店あるいは個人経営の小さな店などさまざまです。どの勤務先においてもほとんどの場合、1年目は下積みをして過ごすことになり、先輩たち以上に忙しく働かなければならないこともあります。しかしながら、忙しさと給料は比例しません。ほとんどの場合、初任給は月20万円前後となっています。また、正社員としてではなく、アルバイトやパートとしてキャリアをスタートする人もいるでしょう。(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を元に作成)
シェフの給料アップの方法
給与アップを図る方法の一つは、勤め先で経験を積み重ね、ポジションを上げるというものです。料理の腕前を上げるとともに、シェフとして厨房全体を引っ張っていけるようにリーダーシップも身に付けるといいでしょう。念願のシェフになったとしても、常に自分の料理と向き合い、技術の研鑽につとめ、高い評価を得続けることも大事です。また、独立して自分自身のお店を持つという選択肢もあります。リスクもありますが、ビジネスとして軌道に乗れば、年収の上限はなくなります。その際に、個人としての知名度を上げることを意識するといいかもしれません。個人が知名度を上げる方法として、SNSの活用は有効です。さらに料理教室を開いたり、出版社に料理本を売り込んだりという方法もあります。ファンがつけば、発信力のあるシェフとして価値を高めることができます。その他の給料アップの方法として、日本を飛び出し、海外において修行を積むのも一つでしょう。フランス料理のシェフを目指すならフランスで、イタリア料理のシェフを目指すならイタリアで、本場で経験を積むのは大きな武器になります。お客さんに向けてのアピールとして効果があり、お店を持つ場合でもアドバンテージが期待できます。
シェフのやりがい
食材と真剣に向き合い、食材が形や色を変えて一つの料理へと変化させて提供する楽しさがあります。自分がつくった料理を「美味しい!」と、お客さまが笑顔で言ってくれることは、シェフがやりがいを最も感じる瞬間の一つでしょう。思うような味にならずに納得できない日もあれば、コストと質の板挟みになって頭を抱える日もありますが、料理が評価されると報われた気持ちになって、きっと前向きになれます。シェフならではの大変な点は、他の料理人と違ってつくるだけではなく、厨房の責任者としての立場があります。部下を指揮しながら自分の料理を皿の上に展開することは、長年、厳しい世界で努力を重ねてきたシェフだからこそ得られるやりがいです。また、独立すれば仕事の大変さは増しますが、やりがいもさらに増すでしょう。お店をどこに出すのか、食材はどこから仕入れるのか、価格を決めたり、スタッフの教育や採用をしたりと、仕事は多岐にわたります。自分が決めた方針で結果を出すことができたら、オーナーシェフならではの大きなやりがいを感じられるでしょう。