養護教諭の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
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養護教諭の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?

 「養護教諭」という言葉を初めて聞く方は多いかもしれません。しかし保健室の先生と聞くとみなさんにとってもなじみがあるのではないでしょうか。今回は、この養護教諭の仕事を紹介します。

 授業を受け持つ教師ではなく、医療現場の看護師とも異なるこの職業は、具体的にどんな役割があり、どんな資格が必要なのでしょうか。子どもや健康に関わる仕事に興味のある方は是非、チェックしてみてください。

養護教諭とは

 養護教諭とは、学校で子どもたちの健康や安全を守る先生のことです。いわゆる「保健室の先生」として知られ、けがや病気の手当てだけでなく、心のケアや健康相談にも応じています。また、保健指導や健康診断の準備なども行い、子どもたちが安心して学校生活を送れるようサポートしています。子どもたちの身近な存在として、健康を守り、維持する、あたたかみのあるお仕事です。

養護教諭の種類

 養護教諭が取得する免許の種類には「二種免許状」「一種免許状」「専修免許状」の3つがあります。二種免許状は短期大学などで取得でき、主に初任者向けの免許です。一種免許状は四年制大学で取得でき、より専門的な知識や実践力が求められます。専修免許状は大学院や大学の専攻科でさらに高度な学びを経て取得する免許で、指導的立場や研究職などを見据えて取得する方も多くいます。免許の種類によって、仕事の内容に大きな違いはありませんが、給与や将来のキャリアに影響することがあります。

養護教諭の仕事内容

 子どもたちの心と体の健康を守ることが養護教諭の仕事です。主な業務には、子どもたちのけがや体調不良への対応、健康相談、定期健康診断の準備と記録、保健だよりの作成、感染症や生活習慣病の予防指導などがあります。また、ストレスや人間関係など心の悩みに寄り添うカウンセリングの役割も大切です。さらに、保健室の環境整備や保健委員会の運営、教職員や保護者との連携など、学校全体の健康管理にも関わっています。子どもたちが安心して過ごせるよう、幅広く活動しています。

養護教諭になるには

 養護教諭を目指すには、「養護教諭免許状」の取得が必要です。進学先によって取得できる免許の種類は異なります。短期大学や専門学校では、二年間の学びで「二種免許状」が取得できます。比較的短期間で実践的なスキルを身につけられるのが特徴です。四年制大学では、より専門的な内容を学び「一種免許状」が取得できます。教育学や看護学、心理学など幅広い知識を身につけられます。さらに、大学院へ進学することで「専修免許状」の取得も可能です。

 免許取得後は、公立学校では各自治体の教員採用試験に合格することで職員として勤務することができます。私立学校の場合は、各学校の採用試験を受け就職を目指します。自分に合った進路で、子どもたちの健康を支える養護教諭を目指しましょう。

養護教諭に必要なスキル

 養護教諭には、子どもの心身の健康を支えるための専門的な知識と実践力が求められます。応急処置や健康観察を行うための「看護学」や「保健学」の知識、発達段階に応じた支援を行うための「教育学」や「心理学」の知識は欠かせません。さらに、健康診断や保健指導を行う際に「記録管理能力」や「情報活用能力」も必要です。感染症や生活習慣病などの現代的な健康課題に対応できる豊富な知識と柔軟な対応力も求められるでしょう。

養護教諭の主な就職先

 主な就職先は小学校・中学校・高等学校といった学校です。公立学校では、学級数や児童生徒数に応じて養護教諭の配置人数が決められています。各校に1人配置される場合が多く、生徒数が多い学校では複数名配置されることも。また、特別支援学校や児童福祉施設などでも、専門的な支援を行う養護教諭が求められることもあります。

養護教諭の年収・給料

 養護教諭の給与は、勤務先や経験年数、地域によって異なります。​公立学校の場合、地方公務員としての給与体系が適用され、一般的な教諭と同等の待遇となります。​私立学校に勤務する場合も公立学校の水準と同程度であることが多いです。​ただし、学校によって異なるのでしっかり確認しておきましょう。

 参考までに、教員全体の平均年収については、小・中学校教員の全国平均が約660.6万円、高等学校教員は約699.2万円とされています。(厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」を参照​)

養護教諭のやりがい

 子どもたちの心と体の健康を支える中で、その成長を間近で感じられることが、養護教諭の大きなやりがいとなるでしょう。けがや体調不良への対応だけでなく、不安や悩みに寄り添いながら信頼関係を築いていく中で、子どもたちが元気を取り戻し、前向きに学校生活を送れるようになる姿は大きな喜びです。また、保健指導や健康づくりを通して、学校全体の環境をよりよくしていく手ごたえも感じられます。子どもたちの安心と笑顔に寄り添える、意義深い仕事です。

養護教諭に向いている人

 子どもたちの小さな変化に気づける「観察力」と、相手の気持ちに耳を傾ける「傾聴力」のある人が求められます。体調だけでなく、心の状態にも気づくためには、日々の何気ない様子をしっかり見る力が大切です。また、不安や悩みを抱える子どもたちの声に真摯に向き合い、安心感を与えることも重要な役割です。さらに、突発的なけがや体調不良への対応には冷静な「判断力」や「柔軟な対応力」も求められます。子どもの心と体に寄り添い、丁寧に関わろうとする姿勢が何より大切です。

まとめ

 いかがでしたか?身近な存在でありながらも、どのような方が養護教諭の仕事についているか、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。子どもたちの健康と成長を近くで見守る養護教諭は、子どもと関わりたいと考える方にとって魅力的な仕事です。気になった方は、今後の進学先も合わせて検討してみてくださいね。