
動物看護士の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
【目次】
1.動物看護師とは
動物看護師とは、動物病院や診療所で獣医師をサポートし、動物の健康管理や看護、リハビリなどの業務を行う専門職です。飼い主への説明や応急処置の補助など、動物と人々をつなぐ大切な役割を担っています。
2.動物看護師の種類
動物看護師には、国家資格である「愛玩動物看護師」と民間資格の「認定動物看護師」の2種類があります。愛玩動物看護師は2023年に新設された国家資格です。近年、愛玩動物に求められる医療が高度になったことで、専門性が高く幅広い業務が動物看護師に求められるようになりました。そこで採血や投薬などの診療業務の一部を行えるようにするため、愛玩動物看護師の資格が作られました。従来は認定動物看護師のみでしたが、この資格では採血や投薬などを行うことはできないことに注意が必要です。

3.動物看護師の仕事内容
それでは、動物看護師の実際の仕事内容について見ていきましょう。先に述べた通り、動物看護師には2つの資格がありますが、以下はより広範囲の業務を行うことができる愛玩動物看護師について紹介していきます。
3.1診察や治療のサポート
基本的に、診療業務は獣医師しか行うことができません。ただ、獣医師の指示のもと、一部の業務は動物看護師でも行うことができます。具体的には採血、輸液剤の注射、マイクロチップの装着、カテーテルによる採尿、投薬などの業務が可能です。また、獣医師がスムーズに診療を行えるように、動物の体を抑える「保定」や診断を伴わない検査など、幅広い業務を担います。
3.2入院している動物の健康管理・お世話
入院している動物の健康管理やお世話では、診療の合間に様子確認や散歩、グルーミングを通じた清潔保持などを行います。シャンプーや耳掃除、爪切りといったケアを担当し、必要に応じて体調の変化を獣医師に報告することも重要です。さらに、トリミングの技術があればトリマーとしても活躍できます。
3.3 飼い主とのコミュニケーション
動物看護師は獣医師に代わり、治療内容や検査結果を飼い主へ分かりやすく伝え、服薬や生活習慣のアドバイスも行います。動物ごとの栄養管理やダイエット指導などの知識も求められ、不安を抱える飼い主を安心させる役割を担います。また、獣医師の懸け橋となり、喜びや悲しみを共に分かち合いながら飼い主との信頼関係を築く大切な存在でもあります。そのため、飼い主が獣医師に言いづらいことも相談しやすく、病気やケガの原因を探るうえでも欠かせない存在になることができます。

4.動物看護師になるには
動物看護師になるには、動物看護系の大学や専門学校を卒業し『愛玩動物看護師』国家試験の受験資格を得る必要があります。まずは農林水産大臣・環境大臣指定の科目を履修して大学を卒業するか、都道府県指定の愛玩動物看護師養成所で3年以上学び、必要な知識・技能を習得する、という2つの方法で受験資格を得ましょう。そして年1回実施される国家試験に合格すればめでたく愛玩動物看護師の資格を手に入れることができます。
5.動物看護師に必要なスキル
必要なスキルとしてまず挙げられるのは、獣医療に関する専門知識と技術でしょう。解剖学、病理学、薬理学などの基本的な知識を習得し、実践的な看護技術や診療補助能力を磨くことが重要です。さらに、動物の微細な変化を見逃さない観察力や、急変時に迅速かつ冷静に対応できる判断力も大切です。また、獣医師や飼い主との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力、長時間の業務に耐えうる体力と精神力も求められます。
ただし、これら全てを備えていないと動物看護師になれないかというと、そういう訳でもありません。働きながら身につけられるスキルもあるので、まずは動物が好きで小さな命を支える仕事に挑戦したいという強い想いさえあればOKです。

6.動物看護師の主な就職先
最も一般的な就職先は動物病院です。獣医師の診療補助や看護業務を中心に行うため、日々多様な症状の動物に対応することになります。また、動物保護施設やペットショップ、ペットサロンなどでも、医療面や健康管理面からのサポートを行うケースがあります。さらに、動物園や水族館、研究機関などの施設で働く看護師もいます。近年はペットの高齢化に伴い、リハビリテーションや在宅ケアを専門とする施設も増えており、動物看護師の活躍の場はますます広がっています。
7.動物看護師の年収・給料
動物看護師の年収は、勤務先の規模や地域、経験年数などによって差があります。初任給は一般的に月額15~20万円程度とされることが多く、資格やスキル、勤続年数の上昇に伴い昇給が見込まれます。また、動物病院以外に就職する場合、雇用形態や役職によって待遇が変動することもあります。ちなみにこれらは国家資格「愛玩動物看護師」の創設の前のデータ。今後は愛玩動物看護師が専門性の高い人材として認知が広がり、給与水準が上がることが期待されています。研修やセミナーに積極的に参加し、スキルアップを図ることで、収入面やキャリアの選択肢が広がるケースも少なくありません。
8.動物看護師のやりがい
動物看護師のやりがいは、何よりも動物の命と健康を支えることにあります。看護を通じて回復する様子を見守り、飼い主とともに喜びを分かち合える瞬間は大きな達成感を得られるはず。飼い主の不安を解消し、ペットとのより良い暮らしをサポートできる点も大きな魅力です。仕事を通じて自身の知識や技術が成長し、動物医療の発展に貢献している実感を得られることも、動物看護師のやりがいの一つです。動物と信頼関係を築き、その生き生きとした姿を取り戻すサポートができることは、動物看護師ならではの醍醐味です。

9.動物看護師に向いている人
まず動物が好きで、その健康や命を支えたいという強い想いを持つ人が向いています。動物の小さな異変に気づく観察力や、治療や看護の際に臨機応変に対応できる柔軟性も必要となります。加えて、獣医師やスタッフ、飼い主とのコミュニケーションが欠かせないため、人とのやりとりを大切にできる人が向いています。さらに、動物病院などの現場では急患対応や長時間勤務が発生することもあるため、体力やストレス耐性も求められます。これらの強みを持っているなら、動物と飼い主を支える頼れる存在として、職場でも大きな信頼を得られるはずです。