グラフィックデザイナーの仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
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グラフィックデザイナーの仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?

グラフィックデザイナーとは、どのような仕事かご存じでしょうか。この記事ではグラフィックデザイナーの仕事内容や業務に必要なスキル、資格などを紹介しています。

グラフィックデザイナーに興味のある人やクリエイティブな仕事をしたい人はぜひ、こちらを読んでみてください。

グラフィックデザイナーとは?

グラフィックデザイナーとは、広告やポスター、カタログやパッケージといったさまざまな印刷物のデザインを手掛けるデザイナーのことを指します。

グラフィックデザイナーは、クリエイティブな仕事の1つです。

近年のビジネスにおいて、斬新なデザインによるプロダクト提供や、ユーザビリティ(使いやすさ)向上のためにデザインの重要性が増しています。そのため、グラフィックデザイナーの需要が高まってきているといえるでしょう。

グラフィックデザイナーの仕事の種類

グラフィックデザイナーの仕事の種類は、主に以下の7つになります。

・ポスター
・雑誌の表紙
・書籍の装丁
・商品のパッケージ
・雑誌や新聞の広告
・チラシ
・看板

デザイナーという仕事は、「何」をデザインするかによって変わってきますが、グラフィックデザイナーの仕事は「印刷物」のデザインです。平面的なデザインを担当するという特徴があります。

グラフィックデザイナーの仕事内容

グラフィックデザイナーが、どのような流れで仕事をしているかについて、グラフィックデザイナーの一般的な仕事内容を紹介します。

グラフィックデザイナーの仕事は、大きく分けて3つの工程に分かれます。それぞれ詳しくみていきましょう。

依頼受注

グラフィックデザイナーには、出版社や広告代理店といったクライアントから依頼が入ります。依頼を受けた後はクライアントと打ち合わせを行い、担当する商品のコンセプトを理解し、広告を作成する目的を確認します。

グラフィックデザイナーは、クライアントの要望を元にして、広告の目的や商品のターゲットに合ったデザインを考案することが仕事です。

依頼受注のタイミングでクライアントの要望を余さず聞き取り、デザインの方向性や内容を確認した後に、スケジュール等のプランを決めます。

デザインの制作・修正

複数作成したデザイン案をクライアントへプレゼンテーションし、その提案が通れば、デザインの制作が開始します。

デザイン制作では、必要になる写真の撮影や素材の収集から行っていきます。この時、1つのデザインではなく、複数のデザインを用意することが多いでしょう。

デザインが出来上がったらクライアントに提出し、修正の指示があれば修正作業を行います。クライアントとコミュニケーションを取りながら、納期に間に合うように仕上げていきましょう。

納品

納品については、グラフィックデザイナーが入稿データを納品する場合と、印刷会社に入稿データを渡して印刷してもらい、印刷物を納品する場合の2種類があります。

入稿データの納品は、制作したデザインの修正が完了次第、クライアントへ入稿データを納品すれば、案件は終了です。

印刷物を納品する場合は、クライアントの確認後に、印刷所へ入稿データを送ります。そして印刷会社が印刷を行い、完成した印刷物をクライアントに納品することで、プロジェクトが完結します。

グラフィックデザイナーになるための必要なスキル

グラフィックデザイナーになるために、必要とされるスキルについて紹介します。

グラフィックデザイナーは、自ら手掛けたデザインを世に送り出す魅力的な職業です。しかし、デザインを完成させるためには細かな作業が必要になります。

グラフィックデザイナーを目指すのであれば、以下で説明するようなスキルを身に付けておくようにしましょう。

デザインに関する知識

グラフィックデザイナーには、デザインスキルや新たな流行を素早く取り入れるための情報収集スキルなどが求められます。

デザインスキルとは、写真やイラストを使った「レイアウト」や色の配置を決める「色彩」、読者にとって読みやすいフォントや行間、文字の大きさを考える「タイポグラフィー」などです。

流行を取り入れたデザインにするために、新たな流行をチェックすることも欠かせません。もしデザインセンスの不足を感じたとしても、デザインについてしっかり学び、情報収集も併せて行うことで、デザイン能力を伸ばしていけるでしょう。

ソフトウェアを扱うスキル

グラフィックデザイナーになるには、「Illustrator(イラストレーター)」・「Photoshop(フォトショップ)」・「InDesign(インデザイン)」などを扱えるスキルが必要となります。

Illustratorはイラストが描けるほか、文字のデザイン・レイアウトが可能なソフトウェアです。Photoshopは写真の加工や合成を行うことができるソフトウェアです。InDesignは、雑誌やパンフレットなどの冊子を作成する際に役立つソフトウェアになります。

多くのグラフィックデザイナーは、これらのソフトウェアを使って仕事をしています。グラフィックデザイナーを目指している人は、上記のようなソフトウェアを使いこなせるようになっておきましょう。

コミュニケーション能力

グラフィックデザイナーとして仕事をする際はチームを組み、ディレクターやコピーライターといったほかのスタッフとコミュニケーションを取りながら、デザインを制作していくことになります。

また、グラフィックデザイナーはクライアントの要望をしっかり把握できなければなりません。クライアントの要望を理解し、適切にプレゼンテーションしていくためにも、コミュニケーション能力は重要となるでしょう。

柔軟な発想力

グラフィックデザイナーの仕事は、クライアントにいわれた通りにただ、デザインを作成することではありません。クライアントの要望に沿いつつも、自ら新たに提案し、洗練されたデザインに仕上げていく能力を要求されるでしょう。

そのため、求められているデザイン以上のクオリティで商品提供するためには、柔軟な発想力が必要になるでしょう。

Webマーケティング

グラフィックデザイナーの仕事では、デザインスキルだけでなく、Webマーケティングスキルが求められる場合もあります。

Webマーケティングとは、Webサイトを使った集客や商品の販売といったマーケティング活動のことです。昨今インターネットの利用者が増えたことにより、Webマーケティングが重要視されてきています。

そのため、集客のための施策を打ち出す知識などを持っていれば、グラフィックデザイナーと兼用して、業務の幅が広がる可能性があります。将来のことを考え、ぜひ取得しておきたいスキルといえるでしょう。

グラフィックデザイナーになるためにおすすめの資格

グラフィックデザイナーになるために取得しておきたい、おすすめの資格を紹介します。

グラフィックデザイナーになるために、必須の資格というものはありません。しかし、資格を取得することで、グラフィックソフトウェアをどの程度扱えるか、客観的に示しやすくなります。そのため、資格はできるだけ取得しておくとよいでしょう。

アドビ認定エキスパート

「アドビ認定エキスパート」は、アドビ(Adobe)製品に関する専門的な知識や技術があることを証明できる資格です。

アドビ認定エキスパートの試験科目には、IllustratorやPhotoshop、Premiere Proの3種類があります。IllustratorやPhotoshopはグラフィックデザイナーの仕事でよく使うため、それらの試験を受けることが望ましいでしょう。

Photoshopクリエイター能力認定試験

「Photoshopクリエイター能力認定試験」は、Photoshopを使った画像編集や、Webサイト・動画制作などが行えることを証明できる資格です。

認定基準にはスタンダードと、エキスパートの2つがあります。スタンダードでは基本的なPhotoshopの操作や指示書に従い制作する能力が求められ、エキスパートではクライアントの要望に沿ったコンテンツ制作能力が求められます。

グラフィックデザイナーとして実力を十分に示すためには、エキスパートまで取得するとよいでしょう。

DTPエキスパート認証試験

「DTPエキスパート認証試験」とは、よりよい印刷物を生み出すために、DTP・色・印刷技術・情報システム・コミュニケーションなどのスキルがあることを認める資格です。

グラフィックデザイナーはポスターやパンフレットといった印刷物をデザインすることも仕事に含まれるため、あれば役立つ資格になります。

DTPエキスパート認証試験は、「DTPエキスパート認証」と、「DTPエキスパート・マイスター認証」の2種類です。DTPエキスパート認証は学科試験で、カテゴリごとに一定以上の基準を満たせば取得できます。

DTPエキスパート・マイスター認証では、学科試験に加え実技試験が行われるため、試験難易度は高くなるでしょう。

色彩検定

「色彩検定」は、色に関して知識や技能があることを証明する資格です。

グラフィックデザイナーは仕事をしていく中で、配色を考えることがあります。色彩検定を学び、配色のルールの知識があれば、適切に配色していけるようになるでしょう。色のセンスも身に付けられます。

色彩検定には1級~3級の種類があります。グラフィックデザイナーを目指す場合は、難易度の低い、3級の資格から取得を目指してみましょう。

グラフィックデザイナーになるには

グラフィックデザイナーになるには、仕事で使うソフトウェアの基本的な使い方や、求められるスキルを身に付けておく必要があるでしょう。

これらのグラフィックデザイナーに必要なスキルをどのように勉強していけばよいか、2つの方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

専門学校に通う

グラフィックデザイナーを目指す場合、専門学校に通って必要な知識やスキルを身に付けることが多いでしょう。

専門学校にはPCやソフトウェアが揃っており、基本的な使い方からデザインのスキルまで学べることが強みです。専門学校に通うことで、グラフィックデザイナーとして必要になる知識やスキルを約2~3年の短い間で実践的に学べます。

専門学校に通うことで社会に出た後、グラフィックデザイナーとして即戦力になれるでしょう。

独学で勉強する

グラフィックデザイナーを目指すために、独学で勉強する方法は「参考書を購入して勉強する」もしくは「オンライン講座を受講する」の2つが一般的です。

独学で学ぶメリットは、自分のペースで学べることや、専門学校に通うよりも費用がかからないことでしょう。しかし、分からないことがあっても質問できる人がいなかったり、制作した作品へのフィードバックをもらいづらかったりするデメリットも存在します。

独学で勉強することが難しいようであれば、専門学校に通うこともよい選択でしょう。

グラフィックデザイナーの勤務先

グラフィックデザイナーを必要とする職場は主に3つあるため、それぞれについて紹介していきます。

将来グラフィックデザイナーになることを検討している人は、どのような形で働きたいか、あらかじめ考えておきましょう。

広告制作会社

広告制作会社は企業から依頼を受け、広告を制作する会社です。さまざまな企業がクライアントになるため、あらゆる広告物を制作できるということが、広告制作会社の特徴になります。

有名な大企業の大きなプロジェクトにも、参加できるチャンスがあるでしょう。しかしその一方で納期が厳しく、クライアントからの急な変更や修正依頼にも応えなければならないことがあります。

インハウスデザイナー(社内のデザイナー)

企業の広告宣伝部や商品開発部などに所属して、インハウスデザイナー(社内のデザイナー)として活躍できる場合もあります。

インハウスデザイナーの勤務先は、広告代理店やメーカーになるでしょう。グラフィックデザイナーが所属している広告代理店の制作部門や、メーカーの広告宣伝部などが候補です。

インハウスデザイナーとして働いた場合、待遇面がよく、安定している傾向があります。しかし所属しているデザイナーの数が限られるため、大抵のことは自力で対応しなければなりません。デザイン以外の業務を兼任することもあるでしょう。

フリーランス

企業に所属することなく、フリーランスのグラフィックデザイナーとして働く選択肢もあります。

フリーランスは自分自身で仕事を選び、自分のペースで働けることが特徴です。しかし納期を守るために、納期前にオーバーワークとなることがあるでしょう。

フリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍するためには、高いスキルが必要です。いきなりフリーランスになるのではなく、最初は広告制作会社に勤めたりインハウスデザイナーとして働いたりして、経験を積んでから独立しましょう。

または専門学校に通い、必要な知識やスキルを身に付け、フリーランスになるための人脈作りをしてから独立する道もあります。

グラフィックデザイナーの給料

グラフィックデザイナーの年収は、とある職業情報提供サイトの就業者統計データによると、2023年度は約509万円であったと結果が出ました。

また、国税庁による2021年度の民間給与実態統計調査では、給与所得者数全体の平均年収が約443万円となっているため、グラフィックデザイナーは平均よりも、高い年収の職業といえるでしょう。

グラフィックデザイナーの将来のキャリア

グラフィックデザイナーのキャリアパスは、主に以下の5つです。

・アートディレクター
・マネージャー
・コンサルタント
・UI/UXデザイナー
・フリーランス

グラフィックデザイナーとして働いた場合、最初はアートディレクターを目指すことになります。アートディレクターとして評価されると、役職が上がっていくでしょう。しかし、アートディレクターは管理職的な面が強くなることに注意が必要です。

グラフィックデザイナーとしての経験と、マネジメント能力があればマネージャー、ビジネスの知識があればコンサルタントになる道がひらけます。ユーザーの利便性向上のため、UI/UXデザイナーになることもあります。

しっかり人脈作りをしてから独立し、フリーランスになるというキャリアパスもあるでしょう。

グラフィックデザイナーに向いている人とは

デザインは日々進化しているので、進んで新しいことを取り入れられる人は、グラフィックデザイナーとして活躍できる可能性があります。

また発想力にあふれ、世の中で起きているさまざまなことに関心を持つ人や、トレンドに敏感で常に新しいことを学べる人は、グラフィックデザイナーの適性があるでしょう。

グラフィックデザイナーにはデザインするためのスキルだけでなく、新たなデザインを生み出すための想像力が必要です。想像力を養うために、あらゆる事象に興味を持つことが必要になるでしょう。

まとめ

グラフィックデザイナーは、新たなデザインを生み出す仕事です。近年はデザインの重要性が増していることから、グラフィックデザイナーの需要も高くなっています。

しかし、グラフィックデザイナーとして働くためには発想力だけでなく、デザインの知識やソフトウェアを扱うためのスキルなどが求められます。

グラフィックデザイナーを目指す人は、自分に合った方法で知識やスキルを身に付けていくための進路を考え、一歩ずつ進んでいきましょう。