データサイエンティスト
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データサイエンティスト

1. データサイエンティストとは?

 データサイエンティストとは、大量のデータを分析し、そこから有益な情報を引き出す専門家です。ビジネスの意思決定に大きな影響を与えることができるので、最近特に注目を浴びています

 例えば、ある企業が新しいサービスを開発する際に、どのような機能が求められているかをデータから読み解き、多くの人に役立つサービスのあり方を示すことができます。

1.1 データアナリストとの違いは

 売上データを前に、何ができるかで比較してみましょう。データアナリストが売上データを整理するのに対し、データサイエンティストはそのデータを使って将来の売上を予測します。

 つまり、データアナリストは、既にあるデータを整理し、基本的な分析を行う役割が主です。一方、データサイエンティストは、より複雑なデータの解析や予測モデルの構築を行います。

1.2 データエンジニアとの違い

 データエンジニアは、データの収集や保存、処理のシステムを構築する役割を担います。データサイエンティストは、そのシステムを利用してデータを分析し、価値を見つけ出します。

 データを扱うシステムを創るのがデータエンジニア、そのシステムを使うのがデータサイエンティスト、という関係であると言えるでしょう。

2. データサイエンティストの仕事内容を紹介

 データサイエンティストの仕事は多岐にわたります。ここでは一例として、新しい商品を開発するうえで「誰のための商品か」を考えるために、データサイエンティストが行う仕事の流れを紹介します。

2.1 データ収集と課題抽出

 まず、データサイエンティストは必要なデータを収集し、分析のための課題を明確にします。今回集めるのは、新商品に近い商品が過去、どんな人にどれくらい売れたかが分かるデータです。次に、新商品と過去の商品との違いなどを分析します。

2.2 データの前処理と分析

 収集したデータを使いやすい形に整え、その後、統計学や機械学習モデルなどの様々な手法を用いて分析を行います。

2.3 仮説検証・レポーティング

 分析結果を基に仮説を検証し、その結果をデータの専門家ではない人にも分かりやすい形に整理し、レポートを作成して報告します。ビジネスの意思決定を支える、重要な業務と言えます。

3. データサイエンティストの将来性

 データサイエンティストの需要は年々増加しています。AIやビッグデータが身近なものになった今でも、実際に扱うには高度なスキルと知識が必要だからです。将来的にも、多くの企業でデータサイエンティストのスキルが求められるでしょう。

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4. データサイエンティストの平均給与

 データサイエンティストの平均給与は他の職種と比べて高く、スキルによって大きく変わるものの、平均年収700万円と言われています。ある程度のスキルがあれば1000万円以上、チームメンバーの管理や事業推進など多角的なスキルも備えることができれば2000万円を目指すのも難しくはないようです。

5. データサイエンティストに求められるスキル

 データサイエンティストとして成功するために重要となるスキルは主に3つあると言われています。それぞれご紹介しましょう。

5.1 データサイエンス

 データ分析の基本的な手法や統計の知識、機械学習、統計モデリングの知識が必要です。これにより、人間ではとても把握できないような膨大なデータから意味のあるパターンやインサイトを見つけることができます。

5.2 データエンジニア

 データを収集・処理するための技術的なスキルも重要です。データベースの管理や、ビッグデータ技術を駆使して大量のデータを扱うITエンジニアとしての能力が求められます。

5.3 ビジネススキル

 データサイエンティストはビジネスの課題を理解し、解決策をデータから導き出す能力も必要です。意味のないデータを抽出してしまっても、役に立たないからです。これには、コミュニケーション能力やプレゼンテーションスキルも含まれます。

6. データサイエンティストに必要な知識

 データサイエンティストには特定の知識が必要とされます。以下にその一部を紹介します。

6.1 統計学の知識

 統計学はデータ分析の基礎です。データの分布や傾向を理解し、適切な統計手法を選択する能力が求められます。

6.2 AIの知識

 AIや機械学習の技術は、データサイエンティストにとって欠かせないスキルです。これにより、データから自動的に学び、予測を行うことができます。

6.3 データベース関連の知識

 データを効率的に管理し、必要なときに迅速にアクセスできるようにするためのデータベース管理の知識も重要です。

6.4 分析・解析対象の知識

 分析する対象の業界や分野についての知識も求められます。これにより、データからビジネスに有用なインサイトを導き出すことが可能になります。

7. まとめ

 データサイエンティストは、データを駆使してビジネスの課題を解決する専門家です。そのためには、データサイエンスの知識やデータエンジニアリングのスキル、さらにビジネススキルが必要です。データサイエンティストとして活躍すれば、さまざまな分野での新しい発見や革新に貢献できます。専門知識は必要ですが、最も将来性の高い仕事の一つであるとも言えるでしょう。

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