
客室乗務員(CA)の仕事内容
客室乗務員(CA)とは、飛行機の中で乗客のサポートをしたり、トラブルが起こった際に対応したりする人のことです。
この記事では客室乗務員(CA)という仕事について、仕事の内容や求められるスキル、やりがいなどのポイントを解説しています。客室乗務員(CA)を目指している方は、本記事を読んでみてください。
【目次】
客室乗務員(CA)とは

客室乗務員(CA)とは、飛行機に搭乗し、接客サービスを行う人のことです。
客室乗務員は航空会社によって、「キャビンアテンダント(CA)」「フライトアテンダント」「キャビンクルー」など様々な名称で呼ばれます。
客室乗務員は飛行機内で、様々なサービスや保安業務などを行っています。
客室乗務員(CA)の仕事内容

客室乗務員(CA)の仕事内容は、お客様へのサービスと安全確保の2つの業務に分けられます。
これら2つの業務は、どちらも飛行機内で行う大切な仕事ですが、目的や実際の業務内容がそれぞれ異なります。以下で2つの業務について詳しく解説していくため、参考にしてみてください。
機内サービス業務
客室乗務員(CA)が行う「機内サービス業務」は、飛行機内で乗客が快適に過ごせるようにするための接客サービスです。
主な仕事内容は、以下の5つです。
・食べ物や飲み物の提供
・機内アナウンス
・免税品の機内販売
・新聞や雑誌、毛布などの配布と回収
・問い合わせへの対応
国際線の場合は上記の業務に加え、入国書類の配布も行っています。
保安業務
「保安業務」は、客室乗務員(CA)が、飛行機内の乗客の安全を守るために行う業務です。
主な保安業務は、以下の4つです。
・搭乗前の機内確認
・飛行機のドアの開閉操作
・非常用設備の案内
・離着陸前の安全確認
客室乗務員はお客様が飛行機に搭乗する前に、忘れ物や不審物がないか、荷物棚やトイレなどをチェックします。
また保安業務には、飛行機に何かしらのトラブルが起こった際、適切にお客様を誘導することも含まれています。
客室乗務員(CA)になるには

客室乗務員(CA)として就職するには、日本の航空会社や外国の航空会社の採用試験に合格する必要があります。
客室乗務員の採用試験では、筆記や英会話、面接などが行われます。客室乗務員を目指すにあたり、特に必要な資格はありませんが、日常的な英会話ができる程度の英語力は求められるでしょう。
客室乗務員(CA)に必要なスキル

ここからは、客室乗務員(CA)に求められるスキルについて紹介します。
客室乗務員は空の上という特殊な環境で、多くのお客様と接する仕事です。仕事の特性上、客室乗務員として十分に働くためには、いくつかのスキルが必要です。
客室乗務員を目指している方は、以下の内容を参考にしてみてください。
接客対応能力
客室乗務員(CA)には、一人ひとりのお客様の様子に気を配り、柔軟な対応を行える能力が必要です。
例えば飛行機の搭乗中に、気分が悪くなるお客様もいるでしょう。客室乗務員にはそのようなお客様を発見して声をかけ、必要に応じてフォローするといった対応が求められます。
語学力
飛行機に搭乗されるお客様の国籍は多種多様なため、客室乗務員(CA)には、一定以上の語学力が求められます。
求められる語学力の基準は、航空会社によって違いますが、一般的にはTOEIC600点以上が目安とされています。
特に外国人のお客様の多い国際線となれば、より高い語学力が必要です。海外の航空会社では、本社が置かれている国の言語習得も、求められる可能性があります。
体力
客室乗務員(CA)は、飛行機内で長時間の立ち仕事になるため、体力が重要です。
客室乗務員の仕事において、飛行機に搭乗することによる気圧の変化や時差は避けられません。さらに、シフト勤務で出社時間がまちまちであることや、外泊も発生するなど、生活が不規則になる場合もあります。
このため客室乗務員として働くには、十分な体力やスタミナが求められるでしょう。
客室乗務員(CA)の年収・給料

とある調査によると、客室乗務員(CA)の平均年収は約450万円で、1か月の給料は約36万円となっています。また、給与所得者の平均年収が460万円であることから、客室乗務員の年収は、平均よりも少し低めです。
ただし客室乗務員の給与には、基本給にあわせて各種手当が付いていることが一般的です。各種手当には、乗務時間に応じて付くものや深夜労働手当、土日出勤手当などがあります。
客室乗務員(CA)のやりがい

ここからは、客室乗務員(CA)の仕事のやりがいについて紹介します。
客室乗務員の仕事は、体力的には厳しい仕事と言われています。しかし、客室乗務員は花形職業と呼ばれており、人気の高い職業です。その理由は、客室乗務員が飛行機という特殊な環境で働ける職業であることが、魅力ややりがいになっているためでしょう。
多くのお客様に出会える
客室乗務員(CA)の仕事は、数多くのお客様と出会える機会があるという点に魅力があります。
飛行機は、毎日多くのお客様が利用し、なおかつお客様はそれぞれ年齢や性別、職業が異なります。普段は知り合えないような方と接する機会もあるため、やりがいになるでしょう。
また、お客様と直接接することから、ダイレクトな反応をもらえることもやりがいにつながるでしょう。
国内外の様々な土地に行ける
客室乗務員(CA)は、国内線や国際線の搭乗で、見知らぬ土地に仕事で行けることが魅力でしょう。
客室乗務員の仕事において、行き先によっては宿泊を伴うケースもあります。また、自由時間は十分に取れない可能性があるものの、もし時間に余裕のある運航なら、空いた時間に食事に出かけたり、観光したりすることができます。
語学力を活かせる
客室乗務員(CA)は、語学力を仕事に活かせることも魅力です。
国際線ではなく国内線の飛行機でも、外国人が搭乗していることがあるでしょう。その際、客室乗務員は外国人のお客様を対象に、自身の語学力を使って接客を行えます。
近年は、英語以外に中国語やスペイン語などの言語の需要が増しています。身に付けた語学力を仕事に活かせるのは、客室乗務員にとって大きなやりがいになるでしょう。
客室乗務員(CA)に向いている人

客室乗務員(CA)を目指している方の中には、自分が向いているか心配になったり、不安な気持ちを抱いたりしている方もいるでしょう。
以下では、どのような人が客室乗務員に向いているかを紹介するため、参考にしてみてください。
接客が好きな人
客室乗務員(CA)は、飛行機内でお客様への接客サービスや保安業務を行う仕事であるため、接客が好きな人が向いているでしょう。
仕事でお客様と接することが楽しい人や、人に対してサービスをすることが苦にならなければ、適正の可能性があります。もし、接客の経験がない場合は、家族や友人のことを考えた行動ができているか、そういった行動が好きかといった点で判断してみてください。
親しみやすく好感度がある人
客室乗務員(CA)に向いているのは、親しみやすい人や礼儀正しい人です。
お客様と接する客室乗務員に礼儀がなければ、航空会社のイメージを損なってしまう可能性があります。どのような相手にも適切な言葉遣いを心がけ、丁寧な態度で対応できる人が、客室乗務員にふさわしいと言えるでしょう。
自己管理ができる人
客室乗務員(CA)に適しているのは、自己管理に長けている人です。
客室乗務員はシフト勤務で勤務時間にばらつきがあることから、時間の管理を上手くこなさなければなりません。さらに、国際線による長時間のフライトは時差も生じるため、順応できるよう体調管理も求められます。
また、行った土地で感染症になってしまうのを防ぐため、口にする飲食物にも注意する必要があるでしょう。
以上のことから、自身の身体のコンディションを把握し維持できる人が、客室乗務員に向いていると言えます。
客室乗務員(CA)の将来性

近年は、ローコストの航空会社(LCC)や訪日外国人の増加により、客室乗務員(CA)の需要が増えました。従来の航空会社だけでなく、格安航空会社の客室乗務員の募集も多くあるため、転職先の選択肢が増えています。
加えて、客室乗務員は保安要員とされています。今後も飛行機が飛ぶ限り、客室乗務員の仕事はなくならないでしょう。
まとめ

客室乗務員(CA)は、空の上でお客様が快適なサービスを受けるためや、安全に過ごすために欠かすことのできない職業です。客室乗務員を目指す際に資格は必要ではありませんが、航空会社の採用試験に合格し、一定以上の語学力を持っている必要があります。
客室乗務員は飛行機に搭乗して仕事をすることから、他にはない魅力ややりがいを持つ、人気の高い職業となっています。また、同業他社が少ないため、客室乗務員の将来性は安定していると言えるでしょう。