
小学校教師の仕事内容についてわかる!必要なスキルや年収は?
【目次】
1.小学校教師とは
6歳から12歳までの小学校時代は、子どもたちにとってその後の人生に大きな影響を与える大切な時期。単に知識を教えるだけでなく、一人ひとりに寄り添って子どもたちの成長を支え、人間関係や生活習慣を身につけさせる役割も担っているのが小学校教師です。

2.小学校教師の仕事内容
2.1. 授業の準備と実施
小学校では、国語・算数・理科・社会・音楽・図工・体育など、多くの教科を担当します。教師は授業計画を立て、教材を用意し、子どもたちが楽しく学べるよう工夫します。授業中は、生徒の理解度を確認しながら進め、発問(質問)やグループ活動を通じて思考力を育てます。
2.2. 学習のサポート
授業だけでなく、宿題やテストの採点、成績評価も行います。成績表を作成し、一人ひとりの得意・不得意を把握しながら、個別にサポートをします。苦手科目のフォローや、授業についていけない子への補習を行うこともあります。
2.3. 生活指導・学級運営
学級担任の場合、出欠確認や朝の会・帰りの会の進行、日々の生活指導を行います。あいさつや時間を守ること、友達との関わり方などを指導し、協調性や自主性を育てます。時には、いじめやトラブル対応など、児童同士の問題に向き合うことも求められます。
2.4. 保護者対応
保護者と連携し、子どもの成長を支えます。連絡帳の記入、家庭訪問、保護者面談などを通じて、学習状況や生活の様子を伝えます。保護者からの相談を受けることも多く、家庭と学校が協力して子どもを育てるための架け橋となります。
2.5. 学校行事の運営
運動会、遠足、文化祭、卒業式など、学校行事の計画・準備・運営を担当します。子どもたちが協力しながら目標に向かう経験を通じて、達成感やチームワークの大切さを学べるようサポートします。
2.6. 職員会議・研修への参加
学校の方針や教育課題を話し合う職員会議や、教員同士の情報共有も大切な業務のひとつです。また、教育の質を向上させるため、定期的に研修や研究授業に参加し、指導力の向上を目指します。

3.小学校教師に向いている人は?
3.1. 子どもが好きで、関わるのが得意な人
とにかく子どもと接する時間が長いため、子どもが好きで、関わることに喜びを感じる人に向いています。
3.2. 忍耐強く、責任感がある人
予想外の行動をすることも多いのが子どもたち。そのため、冷静に対応し、根気強く指導できることが大切です。
3.3. コミュニケーション能力が高い人
子どもだけでなく、保護者や同僚教師とのやり取りが多いのもこの仕事ならでは。相手に応じて適切にコミュニケーションを取れる人であれば活躍できますよ。
3.4. 企画や準備が得意な人
授業の計画を立てたり、学校行事の企画をしたり、といった準備が何かと多い仕事でもあります。計画的に物事を進められることも、大事なスキルの一つです。

4.小学校教師になるには
小学校教師になるには教員免許が必要です。免許を取得するためには、大学の教育学部や教員養成課程のある学部に進学し、小学校教諭免許状(一種または二種)を取得する必要があります。一般的には4年制大学で小学校教諭一種免許を取得する人が多いですが、短期大学や専門学校を経て二種免許を取得する道もあります。
免許取得後、公立小学校で働くには教員採用試験に合格しなければなりません。試験では筆記試験や面接、実技試験が行われます。一方、私立小学校は各校が独自に採用するため、採用試験の内容は異なります。
小学校教師には、子どもが好きであること、わかりやすく教える力、クラスをまとめるリーダーシップが求められます。自分に合う環境で教師に必要な知識を学び、教育実習などを通して経験を積んで、現場で活躍できる力を身につけましょう。
5.小学校教師に必要な資格とは
・一種免許状:教職課程のある4年制大学で必要な科目を履修すると取得できます。通信教育や「科目履修生」として単位を修得する方法もあります。
・二種免許状:教職課程のある短期大学で取得可能です。また、「教員資格認定試験」に合格すれば、大学に通わずに免許を得ることもできます(受験資格は高卒以上・20歳以上)。
・専修免許状:教職課程のある大学院の修士課程を修了すると取得できます。
取得方法はそれぞれ異なりますが、仕事内容に変わりはありません。自分に合ったルートで資格を手に入れましょう。

6.小学校教師の平均年収
小学校教師の年収は約400万円~700万円が一般的。具体的には、公立学校の場合は県や地域ごとに定められている地方公務員の給与体系に従って決まります。平均年収は672万円、平均月給は41万円前後と言われています。安定した環境と待遇は大きな魅力です。
※ 私立や国立の学校の場合、各校によって大きく異なります。希望する学校の給与や待遇をきちんと確認することが大切です。
7.小学校教師の仕事で大変なことは?
小学校教師は、子どもたちの成長を支えるやりがいのある仕事ですが、その一方で大変なことも多い職業です。実際にどのような苦労があるのか、詳しく見ていきましょう。
7.1. 残業が多く、忙しい
小学校教師の仕事は、授業をするだけではありません。プリント作成や教材の研究、宿題やテストの採点、生活指導、保護者対応、部活動の指導など多岐にわたります。そのため定時で帰るのが難しいことも。特に、行事前や学期末は忙しく、持ち帰り仕事をすることも珍しくありません。
7.2. 保護者対応のプレッシャー
最近は、保護者の意識も高まり、教師に対する期待や要望も多くなっています。「うちの子だけ注意された」「宿題の量が多すぎる」などのクレームが寄せられることもあります。真摯に対応し、一緒に子どもの成長を見守る関係性を保護者と育むことが大切です。
7.3. 子ども一人ひとりに合わせた指導が大変
小学校には、さまざまな性格や学力の子どもがいます。授業についていけない子への対応や、落ち着きのない子やトラブルを起こす子の指導、そしていじめや人間関係の問題の解決には、専門的な知識や対応力が求められます。
7.4. プライベートの時間が少ない
教師は土日が休みですが、部活動の指導や学校行事、研修などがあるため、完全に休める日が少ないこともあります。「学校には夏休みがあって楽そう」と思うかもしれません。でも実際は休める日が少ないのが現実です。

8.小学校教師のやりがいとは
授業を通じて「先生、できたよ!」と笑顔で報告してくれる瞬間は、大きな喜びのひとつ。苦手だったことを克服し、自信を持つ姿を見ると、努力が報われたと実感できます。
運動会や学芸会などの行事で子どもたちが協力し合い、成長していく姿に立ち会えるのも魅力です。卒業式の日には、「先生、ありがとう」と涙ながらに伝えられることもあり、それまでの苦労が一気に報われます。
さらに、卒業後に成長した姿を見せに来てくれたり、「先生のおかげで勉強が好きになった」と言われたりすることも。この仕事だからこそ味わえる、かけがえのない瞬間がたくさんあります。
まとめ
小学校教師は、子どもたちの成長を間近で見守り、学ぶ楽しさを伝えられるやりがいのある仕事です。大変なこともありますが、それ以上に心に残る経験がたくさんある仕事です。子どもたちと一緒に未来をつくる仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。