
ブライダル・ホテル・観光のお仕事
the Terrace
中村栞さん
ウェディングプランナー
小学生の頃に出会った“憧れの仕事”
私がウエディングプランナーという仕事を知ったのは、小学校4年生のときに出席した叔母の結婚式で、リングガールを務めさせてもらったのがきっかけ。
会場は華やかで、たくさんの笑顔に包まれていて、子どもながらに「結婚式ってすごいな」って感じたのを今でも覚えています。
そしてそのとき、緊張している私にやさしく声をかけてくれた女性がいました。最高の笑顔で「大丈夫だよ」って言ってくれたその人がウエディングプランナーだったんです。職業名を知ったのは、後日学校での職業調べの授業でした。迷わず「この仕事がしたい」と心が決まりました。

専門学校で夢を叶える道を選んだ理由
夢が明確になってから、どうすれば早く叶えられるかを考えました。一般の大学に進んでからでもプランナーにはなれます。でも私は一日でも早く、現場で役に立てる存在になりたかった。だから、ウエディングに特化した専門学校であることが私にとって重要だったんです。カリキュラムや実習の内容、在校生の雰囲気なども調べ、ここならきっと自分に合っていると思えた学校と出会い、進学を決めました。
現場で学び、仲間に刺激を受けた学生時代
専門学校では、実践的な知識とスキルをたっぷり学ぶことができました。授業はもちろん、インターンや現場実習の機会も豊富で、「夢に向かって近づいている」と実感できる毎日でした。
座学ではプランニングや式場運営に関する知識を、実習では接客やドレスコーディネート、模擬挙式の演出など、現場で求められる力を幅広く身につけていきました。クラスメイトも皆、同じ夢に向かって努力していたので、刺激し合える環境だったと思います。
今、私は「the Terrace」でウエディングプランナーとして働いています。高校生のころからアルバイトをしていたこの会場で、専門学校時代にインターンも経験し、そのまま就職しました。インターンの経験は本当に大きかったです。接客の所作や結婚式の流れなど現場でしか学べないことがたくさんあって、学校での学びとリンクしながら自然と身につきました。言葉遣いも、経験を重ねるうちに自然と磨かれていった気がします。
初めての接客で実感したやりがい
特に印象に残っているのは、初めて1人でお客様の前に立って説明をした日のことです。緊張しましたが、事前に先生や先輩にアドバイスをもらっていたおかげで、無事に案内を終えることができました。終わったあと、お客様から「分かりやすかったです」と声をかけていただいたときのうれしさは、今でも忘れられません。

就職活動で一番大変だったのは、授業との両立でした。
関東まで選考を受けに行く機会が多く、学校を休まなければいけない日も……。
授業についていけなくなる不安もありました。でも、そんなとき支えてくれたのは友人たちでした。授業内容を共有してくれたり、ノートを貸してくれたり。本当に助けられたなと思います。あのときの支えがあったから、成績を落とさずに卒業できました。
自信をくれた先生との出会い
専門学校時代に、特にお世話になった先生がいます。今でも会場でお会いすることがありますが、当時からとても話しやすくて、人生相談までさせていただいていました。
実は私はヘアメイクの分野が得意ではなかったのですが、その先生は何でも褒めてくれたんです。そのおかげで、「やってみよう」と思える気持ちが芽生えて、いろいろなことに挑戦できました。
卒業後もご縁がつながっていて、会えたときは本当にうれしいです。何より、先生が「がんばってるね」と声をかけてくださるたび、自信につながります。
今、ウエディングプランナーとして感じる喜び
今はウエディングプランナーとして、新規のお客様への会場案内から当日までの打ち合わせ、そして結婚式当日までを一貫して担当しています。
一番やりがいを感じるのは、やはりお客様からの「ありがとう」の言葉をいただいたとき。ご結婚式が終わった後、必ずお客様一組一組に御礼のメールをお送りしているのですが、その返信で「中村さんが担当でよかったです」「最高の1日になりました」と言っていただけることがあります。そんな時は、本当にこの仕事をしていて良かったと思いますね。何ヶ月もかけて一緒につくりあげてきた日が、かけがえのない思い出になる。そのお手伝いができるって、すごく幸せなことだと思うんです。
結婚式に“正解”はないからこそ、寄り添う
一方で、結婚式は“正解がない”仕事でもあります。同じ内容でも、お客様ごとに価値観や希望はまったく異なります。だからこそ一組一組のお話を丁寧に聞き、プランを一緒に考えていくプロセスがとても大切。お客様が「これだ」と思えるものをご提案できたとき、ようやくスタートラインに立てたような気がします。
次の目標は「ジェンダーレスな結婚式」を広めること
今後の夢は、「ジェンダーレスなウエディング」をもっと広めていくことです。
もちろん、今でも同性婚などのセレモニーは行うことができます。でも、もっと“当たり前”になっていくといいなと思っています。
性別に関係なく、誰もが自然に結婚式を挙げられる時代にすること。それが、今の私の目標であり、挑戦でもあります。結婚式は、人と人との絆を祝う場です。だからこそ、多様な“幸せの形”を受け入れられる社会づくりにも、微力ながら貢献していきたいなと思います。
人の想いに寄り添う、この仕事の魅力
ウエディングのお仕事は、AIや機械には絶対にできない、人の心に寄り添う仕事です。お客様の想いを形にする、大切な役割を担います。もちろん、大変なこともあります。でも、それ以上にやりがいがあり、「ありがとう」と直接言っていただける瞬間が何よりのご褒美です。
