通信制高校への進学や転校を考える際、「本当に卒業できるのか」と不安に思う人は少なくありません。本記事では、通信制高校の卒業率や卒業に必要な条件、スムーズに高卒資格を取得するためのポイントを分かりやすく解説します。
通信制高校の卒業に関するよくある質問にも答えているので、ぜひ参考にしてください。

通信制高校の卒業率はどのくらい?
通信制高校は学年制ではなく単位制を採用している学校が多いため、全日制のように一律の「学年別卒業率」を算出することが難しく、生徒自身の体調面に合わせてゆっくり卒業を目指したい方については、在籍期間が長くなるケースもあります。
このように通信制高校の卒業率に関する公的データは存在しないものの、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で示されている年間の中途退学率から、おおよその傾向を推し量ることが可能です。
同調査によると、令和6年度の中途退学率は全日制普通科高校(普通科)で0.9%、定時制高校で7.4%、通信制高校で3.5%です。これにより、通信制高校の中途退学率は全日制高校よりやや高いといえますが、それほど大きな差ではないことが分かります。
※参考:令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省
通信制高校の卒業要件
通信制高校を卒業して高等学校卒業資格を得るためには、以下の3つの基準を全て満たす必要があります。
在籍期間:3年以上
通信制高校を卒業するためには、全日制や定時制と同様に「通算3年以上」学校に在籍する必要があります。新入学の場合は休学期間などを除き、3年間連続で在籍することでこの条件をクリアできます。また、ほかの高校から転入・編入する場合には、以前の学校の在籍期間を通算して計算することが可能です。
在籍期間の上限は学校によって異なりますが、多くの場合、自分のペースに合わせて無理なく通い続けられる仕組みが整えられています。
単位修得数:74単位以上
通信制高校を卒業するためには、指定された必修科目を含む74単位以上の修得が必要です。単位は、自宅などで取り組むレポート課題、対面で授業を受けるスクーリングへの出席、そして単位認定試験への合格という3つのプロセスを経て認定されます。
学年ごとに履修科目が決まっている全日制とは異なり、3年間で計画的に単位を積み上げていく仕組みです。前の学校で修得した単位がある場合は、それを引き継ぐこともできます。
特別活動への参加:30時間以上
通信制高校を卒業するためには、学科の授業とは別に、学校行事である「特別活動」へ通算30時間以上参加することが必須要件とされています。具体的には、入学式や卒業式、修学旅行や校外学習、進路指導ガイダンス、ホームルーム活動などが該当します。
これらの活動は、集団での体験を通して社会性や人間性を養う目的で設定されています。転入や編入の場合、前籍校で参加した特別活動の時間数を引き継ぐことも可能です。年間のスクーリング日程に合わせて、計画的に参加時間を積み上げることが重要です。
※参考:高等学校学習指導要領(平成11年3月告示、14年5月、15年4月、15年12月一部改正) 第1章 総則|文部科学省
通信制高校を卒業するのは難しい?
通信制高校は、全日制や定時制と比べて卒業するのが特別難しいわけではありません。卒業に必要な単位を修得し、必要なレポートの提出やスクーリングへの参加、試験などの条件を満たすことで卒業できます。
一方、通信制高校は毎日の通学や決められた時間割がないため、学習の進め方を自分で管理する必要があります。レポートの提出期限を守れなかったり、スクーリングへの参加が不足したりすると、単位を修得できない場合があります。
ただし、学校によっては学習計画の作成やレポートのサポート、登校日の設定など、学習を継続するための支援を受けられます。自分の生活リズムに合わせて無理のない学習計画を立て、必要な課題を一つずつ進めることが、通信制高校を卒業するうえで重要です。
通信制高校をスムーズに卒業するために大切なこと
通信制高校を計画通りに卒業するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
支援体制が整っている学校を選ぶ
スムーズな卒業を目指す上で、学校側の手厚いサポート体制は不可欠です。レポートの添削指導や質問への対応が迅速な学校を選ぶことで、疑問や不安を即座に解消できます。
また、メンタル面でのフォローを行うカウンセラーが常駐している環境や、1人ひとりに寄り添う担任制を導入している学校であれば、途中で挫折することなく安心して学習を継続できます。
生活リズムを整える
通信制高校は毎日決まった時間に通学する必要がない場合が多く、自己管理能力が求められます。
夜型生活や不規則な毎日が続くと、レポート提出期限の遅延やスクーリングの欠席につながりやすくなります。毎朝決まった時間に起床し、決まった時間帯に勉強する習慣を身につけることが、計画通りに卒業するための土台となるでしょう。
計画的に学習する
通信制高校では、自分自身でスケジュールを管理しながら進める必要があります。提出期限の直前にまとめてレポートを作成しようとすると、内容の不備や提出漏れが発生するリスクが高まります。
年間のスケジュールから逆算し、「1週間に何枚のレポートを進めるか」といった具体的な目標を設定して、日々の学習を計画的に進めることが大切です。
自分に合う通学・学習スタイルを選ぶ
通信制高校には、週に数回通学するスタイルから年数回のスクーリングのみで学ぶ完全オンライン型まで、多様なコースが用意されている場合があります。
自分の性格や生活リズムに合わないコースを選択すると、学習を続けにくくなります。無理なく通い続けられる頻度や学習形式を見極め、自分に適した学習スタイルを選択することが重要です。
相談相手を確保しておく
1人で学習を続けていると、モチベーションの維持が難しくなる場面があります。学校の教員やスクールカウンセラーはもちろん、保護者や信頼できる友人に相談できる環境を作っておくことが大切です。困ったときにすぐアドバイスを求められる相手がいれば、挫折を回避しやすくなります。
交流の場を活用する
通信制高校では、学校行事や部活動、オンラインコミュニティなど生徒同士が交流できる機会が用意されています。
同じ目的を持つ仲間と交流することで、学習に対する意欲が高まり孤立感も解消されるでしょう。情報交換を行ったり互いに励まし合ったりできる友人を作ることは、卒業まで走り切るための大きな支えとなります。
通信制高校の卒業に関するよくある質問
ここからは、通信制高校の卒業に関する代表的な疑問に回答します。
通信制高校にも留年はある?
通信制高校は学年制ではなく「単位制」を採用している学校が多いため、全日制高校のような「留年」という概念は原則としてありませんが、単位修得状況が不良の場合、卒業時期が延びてしまう可能性があります。
しっかりと3年間で卒業できるよう、学習や学校生活は計画的に進めていきましょう。
別の学校から編入・転入した場合の卒業時期はどうなる?
全日制など別の高校から入学(転入学・編入学)した場合、以前の学校で修得した単位や在籍期間を引き継ぐことができます。転入学・編入学のタイミングによっては、同世代の生徒と同じ時期に遅れることなく卒業することが可能です。
ただし、休学期間の有無や引き継げる単位数などによって卒業時期が異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
まとめ
通信制高校の卒業率に関する公的データは存在しませんが、全日制高校や定時制高校と比べて決して卒業が難しいということはありません。正しい知識を持って計画的に取り組めば、スムーズに卒業することは十分可能です。周りのサポートも得ながら、無理のないペースで着実に卒業を目指しましょう。
通信制高校を確実に卒業するためには、個々のペースに合わせたサポートが受けられる学校選びがカギとなります。三幸学園が運営する『飛鳥未来高校グループ』では、担任の先生による温かい個別指導や学習計画のフォローが充実しており、高い卒業率を誇っています。自分に合った登校日数を選べる『ベーシック』や『スタンダード』など5つの通学スタイルを用意し、無理なく確実な高校卒業を応援します。
まずは学校説明会への参加や資料請求を通して、学校の雰囲気を確かめてみてください。