進路選択に迷っている高校生や大学受験を控えている方の中には、「大学に進むべきか、それとも専門学校に通うべきか」と悩む人も多いでしょう。実際、大学と専門学校は併願することが可能であり、どちらにも出願することで進路の選択肢を広げることができます。ただし、併願にはいくつかのメリットと注意点があります。本記事では、大学と専門学校の併願について詳しく解説し、併願を考える際のポイントもお伝えします。

1. 大学と専門学校は併願が可能！

　まず、大学と専門学校は併願できます。大学の一般入試や推薦入試、専門学校のAO入試など、複数の試験制度を組み合わせることで、入試日程が重ならない限り併願することが可能です。ただし、学校ごとに決められたルールやスケジュールをしっかり確認しておくことが大切です。

1.1. 大学と専門学校の入試日程の違い

　大学と専門学校は、一般的に入試日程が異なることが多いです。大学は秋から冬にかけて推薦や一般入試が行われ、専門学校は年に数回入試が実施されることがあります。これにより、日程が重ならない限り併願することが可能です。

1.2. 併願時のルールと注意点

　併願を希望する場合は、ルールやスケジュールの確認が重要です。特に大学と専門学校の両方に合格した場合、入学手続きや入学金の支払いが重なることがあります。この際に必要な対応や手続きに関しては、事前に調べておくとスムーズに進めることができます。また、指定校推薦やAO入試の場合は専願制を採用している学校が多く、その場合、合格したら必ず入学しなければなりません。こうした条件をすみずみまで確認したうえで併願をしましょう。

2. 併願のメリットは？

　大学と専門学校を併願することで、進路選択の幅が広がるだけでなく、将来的なキャリアの柔軟性が高まります。以下に併願の具体的なメリットをご紹介します。

2.1. 進路の選択肢が広がる

　大学での学問的な知識を深めるか、専門学校での実践的な技術を身につけるかの選択ができ、どちらの道も可能性として残しておけます。自分の興味や将来のキャリアを見据えながら選択肢を広げられることが、併願の大きな利点です。

2.2. もし不合格だったら……という不安が軽くなる

　併願することで、一方の試験に不合格だったとしても、もう一方に合格する可能性があります。これにより、進路選択のプレッシャーを軽くすることができます。また、いくつかの選択肢が残ることで、精神的な安心感も得られるでしょう。

2.3. 学び方やキャリアの柔軟性を持てる

　大学と専門学校のどちらも検討することで、将来のキャリアや学び方に対する視野が広がります。理論的な学びを深めたい場合は大学、即戦力として働く技術を身につけたい場合は専門学校と、自分に合った学び方を選べるのが大きな利点です。

3. 併願する時の注意点は？

　併願には多くのメリットがある一方、いくつかの注意点も存在します。ここでは、併願する際に特に気をつけたい点について詳しく見ていきます。

3.1. 出願費用と手続き費用が増える

　大学と専門学校の両方に出願するため、出願費用や手続き費用が2倍かかることになります。各校の入学金や試験料も異なるため、最終的に多額の費用がかかることを理解しておく必要があります。併願を検討する際には、あらかじめ費用の負担を確認し、家族と話し合っておくことが大切です。

3.2. 試験日程が重ならないかの確認はマスト

　大学と専門学校の入試日程は異なることが多いですが、試験方式によっては重なる可能性があります。特に、複数の大学や専門学校を併願する場合は、試験日程が重ならないように注意が必要です。事前にしっかりとスケジュールを確認し、早めに準備を進めておくことで、試験当日に慌てることなく臨めるでしょう。

3.3. 両方の試験に備える時間の確保が必要

　大学と専門学校では、求められる試験内容が異なるため、それぞれに合った対策が必要です。大学では筆記試験や面接が重要視され、専門学校では実技試験や面接が主になることが多いです。これらの試験対策を同時に進めるためには、十分な時間と計画性が求められます。受験勉強の負担が大きくならないよう、適切にスケジュールを調整しましょう。

3.4. 入学金や授業料のダブル支払いのリスクがある

　併願によって両方の学校に合格した場合、入学手続きを進めるために一時的に両方の学校に入学金や授業料の一部を支払う必要が出てくることがあります。最終的にどちらかの学校を選ぶことになっても、支払った入学金が返金されないこともあるため、これも併願時の注意点の一つです。

4. 大学と専門学校は何が違う？

　大学と専門学校には、それぞれ異なる教育方針や学び方の違いがあります。併願を考える際には、これらの違いを理解し、自分に合った進路を見つけることが重要です。

4.1. 大学の特徴とは

　大学では、より学術的な内容を深く学び、理論的な思考力や専門的な知識を養います。卒業後には高度な資格を取得したり、研究職や専門職に就くための基盤を作ることができます。また、長期間にわたって他の学生や教授との交流を通じて、社会で求められるコミュニケーション能力やリーダーシップを養う機会が多くあります。

4.2. 専門学校の特徴とは

　一方、専門学校は実践的なスキルを学ぶ場であり、即戦力としての技術を身につけたい方に適しています。医療、美容、デザイン、IT、製造業など、さまざまな分野で即戦力となる人材を育成することに特化しているため、卒業後すぐに働きたい方や実技に強いキャリアを志す方にはぴったりの選択肢です。

5. まとめ

　大学と専門学校を併願することで、進路の選択肢を広げることができ、不合格のリスクを軽減しながら安心感を得ることができます。しかし、併願には出願費用やスケジュールの調整、試験準備の負担といった注意点もあります。学校によっては併願するうえでの条件などもあるため、資料請求をして確認をし、学校説明会や相談会などで問い合わせてみると間違いを避けることができます。
　しっかりと計画を立て、自分に合った進路を選ぶために、併願のメリットとデメリットをよく理解した上で、適切な選択をしてください。