お茶の水キャンパスには、個性豊かで素敵な先生がたくさんいます。
先生はどうして先生になったのか。
先生はどんな生徒だったのか。
先生はどんなことを考えながら授業をしているのか。
「先生たちにインタビューをしてみました」シリーズ第4弾、3回目。
今回は木村先生の先生の「未来」のお話をご紹介します。
教員生活が長くなるほど、教師としての責任、義務を果たすことに追われ、どうしても言動が教師本位になってくる。自分にとっては既知のことだから、背景説明も納得のいく根拠もなく、規則は規則だと言わんばかりにルールを強要したりもする。
「自分が高校生のときは校則とかすっごい厳しくて、髪の毛も生徒手帳には『前髪は目にかからず』って書いてあって、部活生は眉毛にかかっていたら即アウトみたいな。朝礼でも女の子のスカートを図るものさしを持っている先生がいたり、ストラップは何㎝まで、1個まで、とか。本当にめちゃくちゃ厳しくて。自分を押し殺されてしまって。誰かが見ているからこうしなきゃって思いが強くなってしまって。」
しがらみの多かった高校生活は、今の木村先生が生徒に抱く思いをつくった。
「生徒には、誰かが見てるからこうしよう、こうしなきゃって言うよりは、自分の理想を追い求めてほしいと思います。もちろん周りへの配慮はしつつなんですけど、自分の色を隠さずに全部出せるクラスがいいかなって思います。」
「自分の色」とはどんな色だろうか。自分自身で明確に「色」を定義できている人もいれば、模索を続けている人もいるだろうし、自分が置かれた場面や向き合っている人によってその「色」を変えることもあるだろう。
新しい職場、新しい業務では多くの困難だったり、思うようにならない事態にぶつかる。木村先生も例外ではない。
「生徒のことでも、レポート出すって言ってたのに、あれ、出てないなーみたいなことがあったりとか。あとは自分の業務でも、目に見えて先輩たちよりできないのを痛感してしまって。そうですね、それこそ、今までサッカーしかしてこなくて、サッカーだったらどうにかなる、自分が絶対抜けるって自信があったんですけど。正直、こういうところ(パソコン)は、ほんとに、あのー業務的なところが、自分に自信がもてない分、はーってなるときがちょいちょいあります。今まで、ありがたいことにサッカーをやらせてもらってて、自分が一番得意だと思ってるところだけ見て育っていた分、なんて言うんですかね、多少、天狗になっていた部分もあったのかな、って思ってて。今は、できない、自分の弱いところを見ざるを得なくなったことで、そうですね、自分をちゃんと理解できたのかな、って。調子こかなくなりました。」
木村先生がこれまで自覚していなかった「自分の色」に気付かされた一年だった。
「それでもやっぱり楽しい方が勝ちます」
「やっぱり、やりがいっていうのは、生徒が色々話してくれたり、生徒がモチベーションになることが多いですね。お茶の水キャンパスの生徒って、普通に職員室にぴょんって入ってくるじゃないですか。それが自分にとっては新鮮で。自分が高校生のときは、職員室がめちゃくちゃこわかったし。生徒たちはあんまり壁作らずにぐいぐい来てくれるのが、なんか、自分的に嬉しいし、よし、今日も頑張ろうって思いますね。」
「まずはホームルームに来てくれるクラスにしたいなぁ」
昨今の感染症による騒動が落ち着き、木村先生のクラスが鮮やかな色で溢れる日が待ち遠しい。
今日は木村先生の「未来」についてのお話でした。
これで木村先生のお話は終わり。
またの機会をお楽しみに。