特別インタビュー

公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会競技普及部門 部門長 熊木陽一郎 氏

公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会競技普及部門 部門長 熊木陽一郎 氏

国際大会の成功が産学連携のきっかけに。

2019年、日本でラグビーのワールドカップの開催が決まりました。実はこの背景に、三幸学園さんとの産学連携が大きく関わっているんです。きっかけとなったのは、2009年に日本で開催されたジュニアワールドチャンピオンシップで、福岡リゾート&スポーツ専門学校さんが、外国の代表チームにプールやトレーニングルームなどの施設提供と、チームの練習・試合のサポートを申し出てくださったことでした。

この大会は、ユースのワールドカップと位置づけられているほど大きな大会で、その成功がワールドカップ開催に繋がったと言われています。福岡リゾート&スポーツ専門学校さんの献身的なサポートが、この国際大会の成功の一端を握っているといっても決して過言ではないでしょう。

その後、JRFU(公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会)が主宰するトップリーグのチャリティーマッチやその他の国際試合でのチームサポートをお願いするというカタチで三幸学園さんとの関わりが深くなり、正式に産学連携の協定を結ぶことになりました。

ひとつの成功体験が、大きな自信につながる。

ジュニアワールドチャンピオンシップ以降、各地で行われるさまざまな大会で三幸学園さんにはご協力いただきました。中でもJRFUとオールリゾスポ(全国9校から選抜された生徒)が連携し「ジャパンセブンズ」を実施したことは我々にとっても新たな試みでした。この大会は、社会人・大学・クラブチームが参加し、7人制ラグビー(セブンズ)の日本一を決める大会。

ここで各チームに2名づつ学生が帯同し、選手のサポートを担当。普段の大会では30人の選手を1~2人のメディカルスタッフでケアしているので、コンディショニングやゲーム後のストレッチ、アイシングなどのケアに手が回らない。その部分を、学生さんたちにサポートしていただき、選手達からも好評でした。

学生さんにとっても、現場での体験はいい刺激になったのではないでしょうか。実際、三幸学園さんが作成した活動報告書の中には『コミュニケーション力を磨けた』『選手との信頼関係が築けたことに喜びを感じた』『トレーナーとして何が大切なのか気づかされた』と言う学生さんからの感想が寄せられています。

どんなことでも吸収したい時期というのは頭に多くの情報を入れるよりも、ひとつの成功体験や経験が大きな自信になる。チームスタッフの一員として仕事に携われたことは、学生さんたちにとって成長の大きな一歩になったと私は信じています。

ラグビー界にとって三幸学園は欠かせない存在。

JRFUと三幸学園さんとの連携は、物理的な施設や大会のサポートもさることながら、広くラグビーというスポーツの「見る、する、支える」という考えを根付かせていただくいいきっかけになりました。サッカーや野球、バスケットボールなど、他のスポーツでは「見る、する、支える」のバランスが取れていることに加え、どのように運営されているか、具体的な部分も見えていますが、ラグビーに関してはまだまだというのが現状。

しかし、一人でも多くの学生さんがラグビーに触れることで、ラグビーに興味を持ち、その経験を自分の言葉で話してくれることは、ラグビー普及のきっかけになる。我々にとって競技者を増やすのも目標のひとつですが、ワールドカップ開催を迎えるに当たり、ラグビーファンを増やし「支える」というフィールドで活躍してくれる人材を増やすことも大切なんです。

その点でも、三幸学園という組織を通じて、集まっている学生、グループ関連の方々が、ラグビーの実態を知り、どんなカタチでも関わってくれることでラグビーが普及していくことは、我々にとっては何にも代えられない財産になります。

これからもタッグを組んでチャレンジし続けていきたい。

今、日本のスポーツ界は、2020年東京オリンピックを前に大きなチャンス期を向かえています。それはつまり、スポーツの現場で活躍する楽しみが広がる時代が来ると言うこと。スポーツと関わっていく上で大切なのは、自分だけでなく応援してくれる人、支えてくれる人、その場を提供してくれる人など、大きな輪の中に自分がいることをしっかりと認識することです。

そこで活躍できるのは、広い視野を持って輪の中に入り、自分ができることは何かよく考え、失敗を恐れずに強い気持ちを持って自分の意思で動ける人間。目的意識を持って、自分の意識でチャレンジしていけば、まわりの評価は必ずついてきます。三幸学園の学生さんたちは、スポーツ界を支える人間として、自分がこうなりたいという信念を持っている。

東京オリンピックが開催される時、その大舞台を支えるさまざまな場面で活躍する学生さんもきっと少なくないでしょう。今後のスポーツ界を支える優秀な人材に、そしてそんな人材を育てる確かな教育機関に出会えたことに感謝し、これからもお互いタッグを組んで、さまざまなことにチャレンジしていきたいと思っています。