特別インタビュー

株式会社 ルネサンス ソフト開発部
教育事業企画チーム課長 伊藤啓司 氏

株式会社 ルネサンス ソフト開発部 教育事業企画チーム課長 伊藤啓司 氏

"人を育てたい"そんなお互いの情熱が産学連携の始まりだった。

超高齢社会、そして健康志向の高まりは、私たちスポーツ業界に大きな課題を投げかけました。運動指導者のさらなる質の向上です。そのためには、社会に出てから教育するのではなく、学生のうちからより専門的、実践的な教育を提供することで、指導者としての質の向上を図る"職業教育"の実践が必要だと思いました。

そしてそれを実践するためには、ビジネスパートナーが必要でした。将来の職業に直結するような教育を実践している学校。それが、リゾート&スポーツ専門学校でした。最初にお会いした職員の方が、「技能と心の調和」という教育理念の元、人材教育に対し並々ならぬ情熱があり、人を育てることに対するエネルギーがあることにとても感動しました。

ビジネスパートナーとして、ぜひとも一緒に"職業教育"を実践して行きたい!そう思ったことが、この産学連携の始まりでした。

双方に大きな問題点があったインターンシップ。

新しい教育システムの構築には、まずリアルな教育現場を十分に知ることが必要だと思いました。そこで、私は講師として学校教育の現場に入る事にしました。私を待っていたのは、素直で元気で、あいさつのしっかりできる学生たち、そして、大きな問題点でした。

学校では高度な専門知識・技術教育を行なっていましたが、インターンシップや現場実習で学生たちがそれを十分にアウトプットできていないという現状がありました。学生が現場でトレーニング指導を行う時、現場のインストラクターはトレーニングの仕方は指導しますが、そのトレーニングが実際どのような時に必要で、また身体のどの部分にどのような影響を及ぼすのかなど、より深いところまで説明できていない場面がありました。表面的なやり方を伝えるに留まっている現状が垣間見られたのです。

また、せっかく現場で知識や技術をアウトプットするチャンスがあるにもかかわらず、学生たちが受付業務や見学だけで1日を過ごすという現実も。これでは学生たちのやる気もなくなってしまう。こうした状況は、現場のスタッフたちの意識や指導力、あるいは時間的な余裕のなさから生まれていることも多く、受け入れる企業にも課題があることに気づかされました。

スポーツクラブを教室に。新たな試みが新しい力を生んだ。

私たちは新たな教育システムづくりの第一歩として、スタッフが講師として学校や学生たちと関わることにしました。一人は職員としてクラス担任も持たせていただき、学校についてしっかり理解できるポジションに。また、二人はスポーツクラブでの授業や学校での座学を担当する講師に。一人は各スタッフらが感じた事や意見を収集し、新たな教育の仕組みを設計する役割を、そして私は、学校と企業の両方の立場からコーディネートする役割を担う事で、新しい教育のシステムづくりに取り組む事にしました。

まず最初に行なったのがスポーツクラブで授業を行なうこと。この目的は学生たちにお客様と直接ふれ合いながら、学校で学んだ知識や技術を実際の現場でアウトプットする機会を与えると同時に、学校では学べないコミュニケーション力や具体的なお客様との接し方など、現場で求められている即戦力を身につけさせようとするものでした。

この新たな試みでは大きな成果が得られました。アウトプットすることを通じて、知識や技術を確実に自分のものにすることができただけでなく、将来や仕事に対して高い意識を持っていた学生たちは、職業感を明確なものにできました。また、確固たる目標を持っていなかった学生たちには進路選択のヒントや、自分が何のために勉強しているのかを知り、目標を持つきっかけとなりました。

もちろん私たち企業サイドにも大きなメリットがありました。学生たちに指導する経験を通じて人材を育成する力が高まりました。それは、今後のインストラクター教育に活かしていけると考えています。

福岡から全国へ!最高の教育システムを発信していきたい。

三幸学園の教育現場の方々は、全員が教育に対して情熱を持っている。指導の現場、経営の現場に熱がある。そしてより高い技術、職業人としてのプロ意識を養うための取り組みに、とにかく一生懸命です。私たち企業がイメージしている"職業教育"に対しても、情熱を持って取り組んでくださる。

私たち企業も、三幸学園さんも、「人の成長を支えたい。活躍の場を与えたい」という思いは同じ。学びたいという学生たちの意欲に応えるためにも、最高の教育を実践していきたい。それは結果として、社会貢献につながると共に、日本の未来を支える資産になると私は確信しています。現在、私ども企業と学校教育のシステムを融合させた教育を実施しているのは、福岡校のみですが、各地ではさまざまなイベントや職業体験会などを通して、企業と学校との連携を図っています。

今後は、現在福岡で実施している連携システムの成果や問題点などを検証し、さらにステップアップしたシステムの構築を実現させ、全国展開していきたいと思っています。これからも三幸学園さんとの産学連携を幅広くすすめていくことで、学校教育の質が向上し、その結果、インストラクターの質が向上していく流れを作っていきたいと思っています。