特別インタビュー

三幸学園 昼間一彦 理事長

三幸学園 昼間一彦 理事長

人を活かし、困難を希望に変える。
人を活かし、日本をそして世界を明るく元気にする。

三幸学園では開設当初から「技能と心の調和」を教育理念に掲げています。そのベースになっているのが、社会で通用する優れた知識と技能を身につける、いわゆる"手に職をつける"ということです。もう一つの心の面では、どんな業種であっても、周囲から尊敬され親しまれる、そんな人間性を形成していきましょうということです。最近では社会人基礎力とも言われていますが、「技能と心の調和」はその象徴といえます。

三幸学園のミッションは「人を活かし、困難を希望に変える」です。また、三幸学園の将来像を表すビジョンは「人を活かし、日本をそして世界を明るく元気にする」ことにあります。これら学園の使命を感じながら、組織全体でその実現を目ざしています。

教職員はもちろんですが、在校生、卒業生においてもそれらのミッション及びビジョンに共感していただき、共に歩んでいきたい。今後はこのことに、より力を注いでいきたいと考えています。

学校は、生徒も我々自身も共に成長していく"共育"の場。

共に育つ"共育"についても重視しています。学校というのは、在籍する学生たちが成長し自己実現をしていく場、その力を我々が引き出していく場です。そうした中で教職員、学園自身も、一緒に成長をしていきましょうということです。いろいろと変化し続ける社会環境とその中にいる生徒をしっかりと見つめることが、我々自身をも成長させてくれるものと考えます。

教育はライフサイクルに大きく関わります。社会や生徒たちの変化に対応するというよりも、それらを見つめることによっていま必要とされる教育は何なのかを我々自身が感じ、実現することで、結果に繋がっていくことを望んでいます。

三幸学園「教師心得」では、深く幅広い専門知識、優れた教育技術、そしてあふれる情熱の3つを、教師に必要な資質として掲げています。なかでも"情熱"は最も大切な要素として捉えています。

社会の問題を捉え、いかに解決するか。

学校法人三幸学園は、昭和60年の設立です。それまでは創業者の鳥居が個人で人材育成の専修学校を立ち上げていましたが、正式に法人化したのがその3月です。

スタートは、医療事務や歯科アシスタントなど、医療系の事務職を中心とした人材の育成でした。当時は、女性の社会進出の支援がまだまだ手薄だった頃です。

次に"健康"というキーワードに着目。リゾート&スポーツの分野における人材育成、続いて"心の健康"に繋がるビューティの分野へと進出。その後、保育、スイーツ&カフェ、ウェディング&ラブイダルなど、いろいろな夢や思いを叶える専門学校事業を拡大してきました。

一方では、少子化や国際化も進む社会。教育家としての実力をさらに高めるには大学が必要となり、平成19年に東京未来大学を開学。また、不登校などの社会問題に目を向けるなかで通信制の飛鳥未来高等学校を、子育て支援の動きのなかでは認証保育所「ぽけっとランド」を開設しました。

そこに共通しているのは、社会の問題を捉え、いかに解決するか。そのための人材を我々が育成していこうと、強く意識しての取組みだとうことです。ひいては、それらの人材が卒業後も活躍できる場を創っていこうということです。

教育の先にある、人材を活かせる場の創出を。

10年ほど前だったと思います。法人運営の効率化を図る為、学園の施策などを行う別法人を学外に開設しました。以前からコスト意識はありました。しかしそれと同時に、関連しあった分野で人材育成を行い、学園本体の教育にプラスになる事業も立ち上げていこう。そんな思いも強くあってのことです。

教育するだけではない、その先に人材を活かせる場を創出していきたい。常にそういう意識の高い法人であったことが、他の機関との違いといえるかもしれません。

お手本にしている教育機関などもありません。競争しているという意識でもありませんから、私たちは私たちらしく、常にオンリーワンを目ざしている。私たちは社会の役に立ちたいんです。いま必要な教育をしっかりと見据え、提供していく。学生達のためになる学びを用意し、選択してもらう。そういうスタンスです。

自分自身を、大切にできる人であれ。

社会に出て活躍する人材ですから、自分自身をしっかりと持ち、自分で考え、行動し、その結果に責任を持てることは大事だと思います。そして、周りに対して自分勝手ではいけない。そのための素直な心・思いやりの心を持っていること。さらには、そういう「自分自身を大切にできる人」であることが重要と考えます。

私自身も悩むことはもちろんあります。が、自分の目の前の困難、課題からは決して逃げない、正面から立ち向かう姿勢を忘れないようにしています。

世の為に生きよう、人の為になることをしよう、弱い人を助けようなどいろいろな行動の選択肢がありますが、突き詰めて考えればそれは「自分自身がどんな生き方をしたいのか」に尽きると私は思うんです。

例えば、自分は誠実な人間でありたいのに、嘘をついたり卑怯なことをしてしまう。でもそれは本来の意図に反した行動なので、自分自身に対して失礼であり申し訳ないことですよね。本来ありたい姿に即して生きる、それが「自分を大切にする」ということだと思っています。三幸学園のキャッチフレーズに「なりたい自分になれる」というのがありますが、それにも即していることです。

卒業生と共に考え、成長し、繋がっていきたい。

教育業界を取り巻く今後の最大の関心は、少子化に入って行くことです。生まれてからのさまざまなライフステージにおいて、私たちの教育や人材のサービスをいかに提供できるか。そこで重要になるのが、人材の確保です。

私たちはその人材である卒業生の皆さんに、いろいろな活躍の場を提供し、さらに成長してほしい。そういったことを卒業生と共に考え、今後の事業を展開していきたいと考えています。必ずしも、社員になってほしいということではありません。就職したり独立したり、それぞれの状況を活用し連携しあうことが大切なんです。ある意味で、生涯繋がる姿だと思います。

グローバル社会への、ノウハウ提供も視野に。

いまのは年齢の視点からですが、地域の問題でいえば、日本にだけ留まっている必要もありません。グローバル社会の時代ですから、海外に視野を向けることも必要です。

我々の教育やサービスを求める国は、たくさんあると思います。東南アジアに目を向けても、こどもに対する関心や経済的なお金のかけ方は、日本以上に熱心です。それが雇用など現地の社会問題の解決、ひいては困難を希望に変えていく力になるのではないかと考えます。

時代が進んでも、人でなければできないことがある。

教育方法はどんどん進化しています。これからは、インターネット中心の授業も目覚ましく進化することでしょう。そんな「どこの場にいても学べる」ことにも、取組んでまいります。 また、そのように機械化は進んでいきますが、どうしても人でなければダメな要素も多分にあります。私たちは、そうした部分を大切にした教育やカリキュラムを心がけていくことも大切に考えています。

三幸学園の教師は、情熱や思いやりを持つ者ばかりです。それだけに、直接の対面授業がとても得意。自分たちに何ができるかを常に問い続けている中で、そうした魅力も変わらずに発揮し続けていってほしいと願っています。

オンンリーワンを目ざす、生徒一人ひとりを支援。

私は以前、金融機関にいました。金融機関というのは取引先を格付けし、良い取引先であれば担保なしの良い条件で金利も安くお金を貸し付ける。しかし、本当にお金を借りたくて仕方がない取引先でも、ちょっと危ないと判断すれば担保を多くもらい金利を引き上げリスクを回避する。そのようにお客様をハッキリと格付けして扱いを変えるのは、金融機関の宿命です。

でも教育は違う。できる子もできない子も、平等なんです。それぞれに応じた機会を与える精神が強くあり、ひとり一人を見ながらその成長をカウントしていける。それこそが、私がここでの仕事に携わり見方が一番大きく変わった点です。

三幸学園がオンリーワンを目ざしているのと同じように、一人ひとりの生徒もオンリーワンを目ざす権利を持っています。それを支援するのが私たちなのだと気づかされました。できる子もできない子も、一人ひとりに着目してそれぞれの良さを伸ばしていこうという精神は、私たちの「あきらめない教育」の姿勢そのものです。

こう言ってしまうと誤解されるかもしれませんが、いまはストレスがまったくなく仕事をさせてもらっています。やるべきことを発言し、仲間と共に実行・実現できる環境にあるからですね。

本物の職業体験、仲間との感動体験をもっと。

三幸学園では、「チームで協力しあってなにかを達成する」ことも重視しています。実際、学生時代の経験で何がいまの自分のモチベーションに繋がっているかという、ある大学の研究調査でもそのことが一番に挙げられています。ひとりで勉強して語学や何かを身につけても、それ自体がモチベーションには繋がっていないのが現状のようです。

また、「これを勉強してどうなったのか」という姿も、どんどんお見せしていきたい。学生時代の職業疑似体験も、その一つです。例えばウェディング&ブライダル校で行っている模擬挙式のプランニングなども、かけがえのない感動体験をもたらします。ウエディングの仕事を学生たちが実際に行い、仲間と困難を乗り越え、達成感を共有しあう。そういう体験や経験をしっかりと持って卒業し、現場で活躍してほしいと願っています。