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【入学式】式辞

こんにちは。

今日は飛鳥未来きずな高等学校校長大畑典子先生が入学式で述べられました、式辞を全文記載します。


入学式 式辞

学校長 大畑 典子


 日差しが明るくなり、野の花が咲きはじめ、野山では小鳥が囀っています。確かな春の到来を感じる今日は、飛鳥未来きずな高等学校の始まりの日です。

 ここにご来賓と保護者の皆様のご臨席のもと、第一回入学生を迎え入学式を挙行できますことに、私ども関係者一同は大きな喜びを感じるものであります。本校の設置と開校に向けて長期にわたりご尽力いただきました学校法人三幸学園・宮城県・登米市・また地域の皆様に心から感謝を捧げたいと思います。


入学生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして、今日まで、お子様を慈しみ育て、どのような時にも真心込めて支え、またご心配やご苦労も重ねてこられた尊い保護者の皆様に、お子さまのご入学のお祝いを申し上げます。

入学生の皆さんは、今まさにスタートした学校法人三幸学園 広域通信制 飛鳥未来きずな高等学校の最初を飾る一年生であります。一方私たち教職員も新しい教育をこの地に作り上げる喜びに胸を膨らませるとともに、背筋が伸びる思いがいたします。


この飛鳥未来きずな高等学校は、教育基本法と学校教育法および学校設置基準に則り、北海道から沖縄まで全国に九つのキャンパスがある通信制の高校として、大きな期待を受けて設立されました。九つのキャンパスとは札幌、登米、大宮、お茶の水、立川、小田原、名古屋、神戸、沖縄に開校するきずな高校のことです。その中で、ここは登米本校と呼ばれ、全国のきずな高校の中心校となります。来年度は、この登米本校の体育館や農場などの施設も生かし、全国からきずな高校生が集まり互いに学びあう機会も計画されています。楽しみにしていただきたいと思っています。


本校を設置した学校法人三幸学園グループは、全国の専門学校で約三万人に近い学生が学んでおり,また東京都には四年制大学が、神奈川県小田原市には短期大学があります。皆さんのきずな高校の教育には、特別活動や選択授業として、この専門学校の知的財産を生かした特色ある授業や、農場・ハウスなどの施設を活用したアグリカルチャーみどりの活動も、徐々に取り入れられて行きます。


さて、入学生の皆さん,今皆さんはどういう気持ちでこの入学式に臨んでいるのでしょうか。通信制の高校生活への憧れ・期待でしょうか。それとも不安・心配でしょうか。

私は, 皆さんが高校生となった門出を祝うと共に, 入学に当たって皆さんに期待することを三つお話ししたいと思います。


一つ目は、皆さん一人一人、自分の好きなことを見つけて欲しいということです。

毎日の学習で何が好きかということはそもそも大切なことですが、教科や科目の勉強だけでなく趣味や特技、気に入った言葉や色彩、景色・音なども含めて、広く自分のとても好きなことを見つけて欲しいと思うのです。楽しいことです。常にそういう気持ちで物事に向かっていると自分の良いところを知ることになります。長所が分かって来ると向上心が刺激され、努力する喜びを感じられる幸せな毎日の高校生活になるに違いありません。


二つ目は、志を持つということです。

人は、克服するものがある時に力が発揮されます。皆さんはきずな高校一年生として一歩を踏み出しました。毎日を、待つのではなく、未来への目標を定め、志をもって自分から歩き出して下さい。そのためにも、諦めずに汗水流しても努力するに相応しい価値ある目標を、入学に当たって持ちましょう。そのような目標ならば、きらきらと輝く天体のように絶えず皆さんを照らし導きます。すると、皆さんの高校生活は、乗り越えながら伸びゆく日々となり、目標に向かう責任や不安、努力や焦りに裏付けられた素晴らしい日々となり、個性豊かに切磋琢磨し合える日々となることでしょう。


三つ目は、自然に帰れということです。

お金で簡単に手に入る人工的なものは便利ではあっても、何か物足りないものです。一例として、人間の優れた発明であるテレビはさまざまな自然もそのまま映像化して、私たちに感動をあたえてくれます。しかしやはり本物ではなくどこか物足りない。私は、皆さんに本物の自然を感じて欲しいのです。頬を撫でて行くそよ風の感触、梅の花が咲いたことを知らせるかぐわしい空気の香り、冬の朝の切れるようにピーンと張りつめた冷たい外気の感触、そういった優しくも力強い本物の自然の惠みの中で、五感を磨いて欲しいと思うのです。


どうかこの三つの「好きなことを見つけよう」「目標を定め、志をもって進もう」「自然に帰れ」を胸に、高校生として進んで行って欲しいと願っています。

皆さんは、「高校でこれから何を学び、どんなことをするのだろうか」と考えていたことと思います。そして今や、答は皆さん自身の中に,まるで植物の種子のように眠っており、それがまもなく芽を出し、光を浴びて伸びようとしていることに気がついたのではないでしょうか。これこそが「主体的に行動し学ぶ」ということの本当の意味なのです。


保護者の皆さま、お子様と同じに自分自身の三年間の目標を定め、志をもって進んで参りましょう。お子様はこの高校生活を通してひとりの人間として大きく成長するにちがいありません。時には相談相手となり、時には先達として支え、励まし、愛し見守っていただきたいのです。私どもきずな高校教職員は、お子様の力を信じ、全力で教育に当たる所存でございます。


さあ、皆さんの高校生活が始まります。今日ここに集った全ての皆様とともに、今日の入学式を忘れない絆とし、式辞といたします。

平成29年4月5日

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